滝川薫の未来日記

スイスより、持続可能な未来づくりに関わる出来事を、興味がおもむくままにお伝えしていきます

6月10日~23日 、ドイツの市民エネルギー会社社長の講演会を日本で開催します!

2014-05-24 18:08:11 | お知らせ

南ドイツで2000年に20人の市民が立ち上げた再生可能エネルギー会社のソーラーコンプレックス株式会社。これまでに市民の大切なお金を使って、地域に1億ユーロ分の再生可能エネルギー設備を実現すると同時に、地域経済を促してきました。その創設者の一人で、現取締役のベネ・ミュラーさんが6月に日本に講演にいらっしゃいます。通訳として私も同行致します。日本各地で市民エネルギーに取り組む皆さま、取り組みたいと考えている皆さまと、出会えることを楽しみにしております! 公開型の講演は下記の5か所で行います。 ふるってご参加下さい!!

◆ ドイツの市民エネルギー会社ソーラーコンプレックス社取締役ベネ・ミュラー氏講演会
~Think global , Act local~地域のエネルギーヴェンデを実践するソーラーコンプレックス

●6月10日(火) 東京都(下記リンクより要申込) http://www.sakurajimusyo.com/campaign/tokyo/symposium/index.html
会場:アーツ千代田3331
時間:13:30~17:00
主催:(株)さくら事務所・一般社団法人クラブ・ヴォ―バン
共演者:不動産コンサルタント、長嶋修氏

●6月12日(木)山口市
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~okutsu/YICA/Bene.jpg
会場:山口情報芸術センター・スタジオC
時間:18:30~20:30
主催:NPO法人山口藝術研究所

●6月20日(金)盛岡市(要申込)
http://dot-p.com/blog/
会場:岩手大学復興記念銀河ホール
時間:13:30~
主催:岩手県中小企業同友会

●6月21日(土) 大曲市(要申込)
http://molx.co.jp/config/wp-content/uploads/2014/05/91bc38edf00ce390f41657702681298c.pdf
会場:グランドパレス川端
時間:13:15~16:00
主催:秋田エネルギーシフト研究会・大曲商工会議所青年部
共演者:銘建工業代表取締役社長、中嶋浩一郎氏 

●6月23日(月) 大津市(要申込)
http://www.pref.shiga.lg.jp/f/eneshin/files/tirasi.pdf
会場:滋賀県庁北新館3階中会議室
時間:14:30~17:00
主催:滋賀県
http://www.pref.shiga.lg.jp/f/eneshin/20140514.html


◆ 予告 

新著「100%再生可能へ! ドイツの市民エネルギー企業」(学芸出版社)、6月10日に出版!



前著「100%再生可能へ! 欧州のエネルギー自立地域」の続編として、6月上旬に新著「ドイツの市民エネルギー企業」を学芸出版社より出版します。 著者は、村上敦・池田憲昭・滝川薫のドイツ語圏在住の3人。 ドイツの分散型エネルギーヴェンデ(エネルギーの大転換)を支える市民や自治体が主体になった、地域のエネルギー事業の企業形態を、具体例を交えてご紹介します。もちろん、上記のソーラーコンプレックス株式会社についても、詳しく取り上げています。 ちなみに素敵な表紙は、前回に続き、日本の若手グラフィックデザイナー吉村雄大さんが手がけてくださいました。

・ 新著は現在、アマゾンより予約購入することができます(下記リンク)。
http://www.amazon.co.jp/100%25%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%B8-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E5%B8%82%E6%B0%91%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E4%BC%81%E6%A5%AD-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E6%95%A6/dp/4761525738/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1400912720&sr=8-1&keywords=%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E5%B8%82%E6%B0%91%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E4%BC%9A%E7%A4%BE

・ 学芸出版社の本著紹介ページ
http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-2573-6.htm



◆5月18日の住民投票に関するニュース

● ベルン州住民投票:ミューレベルク原発の即時運転終了を求める住民法案が否決に
  先週末にベルン州で行われた住民投票で、ベルン州民は運転開始から42年になるミューレベルク原発の即時運転終了を求める住民イニシアチブ案を、63%のノーにより、明確に否決しました。投票率は51%。
 ミ ューレベルク原発の運転事業者であるベルン電力の選挙戦略の方が一枚上でした。ベルン電力は昨年末、2019年にミューレベルク原発を運転終了すると自ら宣言しました。以来、顧客誌やポスター、新聞などで、ベルン電力はエネルギーヴェンデに舵を切った進歩的なエネルギーサービス会社だ、再生可能エネルギーの増産を頑張っている、経済性と安全性のバランスから2019年に決めた等、盛んにアピールしてきました。
 投票結果は、スイスの他の原発事業者が運転終了年を示すことがない中、自ら脱原発の計画を策定したことに対するベルン州民からの評価の印と捉えられます。もちろん、それを守ってくれるのかは分かりませんが。とはいえ、ベルン電力が2019年に運転終了すると宣言したのは、この住民イニシアチブ案の圧力も一因だったでしょうから、そういう意味で有意義でした。
 もう一つの否決の理由はお金です。ベルン電力は廃炉費用の貯金が足りないので、あと5年の運転が必要だと主張してきました。さらに運転終了を義務付けれた際には、株主(州、つまり住民)に賠償金を請求すると脅しました。お金の請求先は最終的にはベルン州の納税者です。住民は原発事故のリスクよりも賠償金の方が怖くなったのだ、と地元誌Der Bundは書いています。
 ベルン電力は僅かな費用の安全強化対策しか行わないつもりで連邦核監督局(ENSI)に対策を提案していますが、それに対して連邦核監督局は住民投票前には意見しませんでした。どういうわけか、秋になるまで分からないそうです。追加対策・追加費用が必要になれば、2019年前に運転終了するケースもないとは言えません。 とはいえ連邦核監督局はスイスの原子力村の一員ですから、ベルン電力に厳しい対応を迫るようなことはないと予想されます。
参照:Der Bund誌

● ノイエンブルク州住民投票:風力パークを素早く実現するための案が可決
 先週末の住民投票では、上記の他にもエネルギー関連の投票がいくつかの州でありました。ベルン州の結果とは異なり、ノイエンブルク州ではエネルギーヴェンデへのスムースな実現に繋がる結果が得られました。
 ノイエンブルク州やワット州、ユラ州は、スイスでも風力資源が豊富な地域です。ノイエンブルク州では風力パークの立地場所を選定し、基本計画を進めています。これに関して一部の景観保護および自然保護団体が、風車一本ごとに住民投票を行うことを求める法案(風車建設を困難にするための法案)を出していたものが、先週末、住民投票にかけられました。
 風力増産を大幅に遅延させる住民イニシアチブ案に対して、住民の60%が否決を表明しました。対して、風力を慎重かつスピーディに推進する州政府の対案は65%が可決票を得ました。州の対案では、最大5か所の風力パーク地域を州憲法に記入し、各パークごとに最大基数を定義するもの。これらが実現されれば59基の風車が州の電力の20%を生産するようになります。 この対案には州議会の全政党が指示を表明した他、立地自治体でも明確に可決されました。住民のスピーディかつ計画的な(乱立を避ける)風力増産への意志が示された投票結果となりました。
参照・図出典:Suisse Eole(下は対案に可決表を求める投票戦のポスター)

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