滝川薫の未来日記

スイスより、持続可能な未来づくりに関わる出来事を、興味がおもむくままにお伝えしていきます

翻訳書「メルケル首相への手紙」が12月24日に発売開始!

2013-12-14 15:10:20 | お知らせ

大変ご無沙汰しております。
夏ごろから取り組んでいた翻訳書が、クリスマス・イヴに刊行されることになりました !
早速、アマゾンで予約販売が始まっております(下記リンク)。



「メルケル首相への手紙~ドイツのエネルギー大転換を成功させよ!」
著:マティアス・ヴィレンバッハー、いしずえ出版 




著者は、ドイツの再生可能エネルギーのカリスマで、44歳の若手企業家のマティアス・ヴィレンバッハーさんです。日本の若手企業家の方々、地域の再生可能エネルギーに興味を持つすべての方々に是非読んで頂きたい、目からうろこの一冊です。幅広い読者の方々に手に取って頂くために、320ページ・総カラーで1890円(税込み)の超特価となっています。

過去10年間で電力に占める再生可能エネルギーの割合を25%に増やしたドイツ。この勢いの良いエネルギー大転換(エネルギーヴェンデ)の主役は、農家や手工業者、中小企業や自治体です。しかし、
エネルギー供給の民主化が進む傍らで、メルケル政権はこの数年間に渡り、エネルギー大手企業の既得権を守るために分散型のエネルギーヴェンデを阻止する方向に政策の舵を切ってきました。そしエネルギー大手企業の影響下にあるドイツの大手メディアでは、偏ったコスト議論により阻止を促す情報キャンペーンが繰り広げられてきました。日本でも、ドイツでのこういったキャンペーンの極度に偏った情報、あるいは間違った情報を鵜呑みにした報道は少なくありません。

著者マティアス・ヴィレンバッハーは、ドイツ随一の再生可能エネルギー開発会社juwiの設立者で、社会企業家として著名な人です。上記のような状況の下、ヴィレンバッハーは本書の中で、メルケル首相に大胆な提案を行います。それは、もしもメルケル首相が迅速なエネルギーヴェンデに必要な枠組みとなる条件を整えるならば、著者の持つ自社株式をすべて、ドイツのエネルギー協同組合たちにプレゼントする、というものです。

ドイツではベストセラーとなった本書の中で、著者は、エネルギーヴェンデの実践の中で得た波瀾万丈の体験を生き生きと語っています。そして、一極集中型のエネルギー産業がどのようにして再生可能エネルギーを阻止しようとしているのかを描き出し、ドイツ社会で流布されている再生可能エネルギーに関する多くの嘘を暴きます。また、どうすればドイツが100%再生可能エネルギーを最も安いコストで素早く達成できるのか、なぜそれがドイツの社会にとって社会的に、そして国民経済的に最良なのかといったことを、分かり易く説明しています。

その際に、著者の実践者ならではの説得力のある知見が新鮮です。例えば分散型のエネルギーヴェンデのためには、国を縦断するスーパーグリッド(超高圧送電線)も、洋上風力も、巨大な蓄電容量も不必要で、それらがエネルギーヴェンデを高価にするだけのもの(=阻止する要素)である理由を論説します。今すぐにも風力と太陽光発電の設備稼働率を倍増できる技術的な手法も必見です。

訳者として、この本が日本のエネルギーヴェンデに関する今の議論に貴重な情報を与えてくれる一冊、また日本のエネルギー生産市民たちに勇気を与えてくれる一冊となってくれることを祈っています!!


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