滝川薫の未来日記

スイスより、持続可能な未来づくりに関わる出来事を、興味がおもむくままにお伝えしていきます

2024年10月27日~11月4日開催予定、エコバウツアー2024のご案内

2024-07-23 22:01:14 | お知らせ

© Corinne Cuendet, Clarens/LIGNUM

10月末に、イケダコーポレーション社主催による第27回エコバウツアー2024が開催される予定です。現在、参加者を募集されていますが、まだ数名の参加が可能なようです。

今年のテーマは持続可能な現代木造建築を軸としながら、
・建材や躯体をリユースするサーキュラー建築
・設備技術に出来る限り頼らないローテク公共建築
・エンボディドカーボンを最小化したヘルツォーク&ド・ムーロンの最新ZEB
・21階建て住宅を建設する欧州トップランナーの木造会社
・ヘルマン・カウフマン氏設計の住宅や工務店、ホテル
・新しい住の形を探求する首都ベルンのイノベーティブな集合住宅と省エネ改修など、
見どころ満載です。

高度な省エネ・再エネ利用・健康と環境に優しい建築は当たり前。その先の一歩に視野を広げながら、設計者やお施主様、参加者の皆様と交流し、美しい建築を楽しむプログラムとなっています。

毎年多くの視察を手掛けておりますが、一般募集が行われるプログラムはごくわずかです。稀少な機会を是非ご活用ください!

イケダコーポレーション社のお申込みページはこちらから:






© Marco Leu GmbH, Rothenburg/LIGNUM
© Halle 58 / Peter Schürch


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6月28日(金)第11回SJS交流ウェビナー「2037年気候中立~バーゼル・シュタット州の気候・エネルギー政策を聞く」

2024-05-10 03:26:05 | お知らせ
  

2024年6月28日(金)18時〜行われるSJSウェビナーの舞台は、スイス北部のバーゼル・シュタット準州。人口20万人の経済や産業活動の盛んな、スイス第3の都市です。
1970年代に原発不使用を決めて以来、欧州でも最も先進的なエネルギー政策を打ち出し続け、省エネ・再エネ拡張に取り組んできた州でもあります。既に電力については100%再生可能エネルギーによる供給が行われ、 2022年には住民投票により、2037年に気候中立を達成することが決定されました。
「あと13年でどのように脱オイル・脱ガスを達成するのか?」州の政策を牽引する環境エネルギー局長、マティアス・ナブホルツさんに、現状、戦略や課題について現場の声をお聞きします。

本ウェビナーのポイント
・バーゼル・シュタット準州の気候・エネルギー政策
・ヨーロピアン・エナジー・アワード(EEA)ゴールド都市
・既に実行中の脱オイル政策とこれからの脱ガス
・産業都市における気候中立のチャレンジ

主催・気候ネットワーク、SJS スイス-日本サステナビリティ交流会
後援:JIA 環境会議、JIA 関東甲信越支部/ 杉並地域会、Dotネクストプロジェクト

◆日時◆
2024年6月28日(金曜日)18時00分~19時30分(スイスより生配信)
本ウェビナー及びウェビナーのお申し込みはZoomで行います。

◆参加費◆
無料

◆お申込専用サイト◆
下記リンクよりお申込み手続きを行ってください。
https://kikonet.org/content/34752

◆お問い合わせ◆
認定NPO法人 気候ネットワーク 京都事務所
TEL:075-254-1011 FAX:075-254-1012
MAIL:kyoto@kikonet.org

【講師紹介】
マティアス・ナブホルツ
バーゼル・シュタット準州環境エネルギー局長。バーゼル生まれ。連邦工科大学チューリッヒ校で環境自然科学を修める。
スイスで様々な職を経験した後、2006~14年に南米でスイス連邦による開発援助に携わる。この時期に、主に開発途上国や新興国の40以上の都市で環境・エネルギーのコンサルタントを行う。2014年からバーゼル・シュタット州の環境エネルギー局を率いる。

写真:Amt für Umwelt und Energie Kanton Basel Stadt



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SJSの欧州視察 サステイナブル・トレイル(10月13~19日)参加者募集中!

2024-04-04 00:39:05 | お知らせ
「SJSサステナブル・トレイル2024」オンライン説明会  

スイスは例年よりもひと月ほど早く、春の花が満開の季節となりました。
今日はSJS独自企画による視察セミナー「サステイナブル・トレイル2024」のご案内です。

日本各地で持続可能な社会づくりに取り組まれている方々と、欧州のパイオニアの方々の間に、生の交流の場を設けたいという想いでプログラムを策定しました。

ボーデン湖周辺のスイスーオーストリアードイツを巡りながら、持続可能性やエネルギー自立に取り組むトップランナーの中小企業や自治体、農家や学校、住宅を視察します。
100%オーガニックのグルメなビオホテルへの宿泊体験(2泊朝夕食付)も含まれています。

【視察概要】
視察期間:2024年10月13日(日)〜19日(土) 現地6泊7日
集合解散:スイス・チューリッヒ空港
最少催行人数:9名〜 *最大13名まで
申込締切:2024年6月28日(金)
視察料金:385,000円〜465,000円 お一人様(往復航空券は自己手配をお願いします)

【ハイライト】
● 東スイスのエコ・シェア集合住宅地
● 東スイスのオーガニック(バイオダイナミック)・ZEBワイナリー・レンツの見学と試飲
● オーストリアの公立小中学校における持続可能な教育現場
● オーストリア・ブレゲンツの森地方の山間自治体における脱炭素化、持続可能な村づくり
● オーストリア・ブレゲンツの森地方のビオホテル・シュヴァ―ネン
● ドイツ持続可能賞を受賞した中小企業2社(洗剤メーカ、スポーツ用品メーカ)における総合的な取り組み
● スイス先進都市チューリッヒの生ごみ・緑のゴミの堆肥化・バイオガス設備
● 中小企業における100%再エネやカーボンニュートラルの取り組み
など

【企画・主催】
SJSスイス-日本サステナビリティ交流会

【コーディネーター・案内人】
プログラムやお申込み方法は、下記からご覧ください。

皆さんのご参加を楽しみにしております!

©Biohotel Schwanen
© Popp_Hackner-Vorarberg Tourismus 



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記録的なソーラーブーム

2024-03-05 23:39:22 | お知らせ

写真:地元の中小企業の事業所での典型的な設置例。見えにくいが東西向きの屋根、南北向きの屋根にもぎっしり設置されている。ここでは南外壁にも設置。


スイスは例年よりもひと月早く春が訪れました。早い春の訪れと共に、庭の設計と施工、メンテナンスがいっきに押し寄せてくる感じです。

先週、建築視察に訪れた方が、太陽光発電があまりついていないね、という印象を述べられていました。ソーラーブームですが、確かに太陽光発電は目立ちません。

野立てがほぼなく、設備が建物に一体化されていたり、外から見えないように配慮されているものが多いという理由もありますが、他方ではまだ建物上のポテンシャルのごく一部しか使われていないのも現実です。

というわけで、今日は最近のソーラーブームについて少しご報告します。


スイスは屋根置き太陽光だけで電力の10%
一昨年のエネルギー危機以来、スイスでも電気代が高騰しており、また太陽光発電の発電コストの方が安い事から、太陽光設置ブームの記録が更新され続けています。

その結果、2023年は九州くらいの大きさのスイスでは1500MW以上の設置がありました。そして、電力需要の1割が太陽光で供給されるようになりました。電力消費に占める再エネの割合は65%となっています。

原則として野立ては行わず、屋根や外壁といった建物上への設置、なおかつ自家消費がベースのスイスでも、これだけ設置されるようになったのは素晴らしい発展です。


1人当たりの累積設置容量はヨーロッパで三位
スイスにおける累積設置量は6.2GWですが、その半分以上が過去3年間で設置された事からも、ブームの様子がうかがえます。

スイス・エネルギー庁の太陽光発電担当者ヴィーラント・ヒンツ氏へのインタビュー記事(※)によると、2023年末の人口一人あたりの累積設置容量は、スイスは700Wで、オランダ(1400W)とドイツ(970W)に次いで欧州第三位だそうです。第一位のオランダとは二倍もの差がありますが・・。

また、2023年の1人当たりの新規設置容量については、スイスは180Wとなっており、こちらもオランダとオーストリア(各225W)に次いで第三位となっています。


将来は40%が太陽光発電
昨年は、地域の中小の産業建築の屋根に、自家消費用の太陽光を新設している現場を良く目にしました。実際には、上記のエネルギー庁インタビューによると、新規の設置出力の半分が戸建てに設置され、残りの半分が産業建築・工場や集合住宅の屋根に設置されているそうです。

また、建物上のポテンシャルはまだまだあり、屋根のポテンシャルの85%が未利用、ファサードのほとんどが未利用とのこと。ヒンツ氏は2020代末までには電力消費の25%を太陽光発電で賄うことになるだろうと予測しています。

スイスでは、国による建物上の現実的ポテンシャルだけでも、今日のスイスの電力需要以上の発電量を得られる事が分かっています。また国の気候中立のシナリオでは、電力需要の40%が太陽光発電により担われるとされています。


太陽光施工者が連邦職業資格に
こういったソーラーブームの中、昨年には建物外皮関連の職業の一環として、「太陽光施工者」(ソラトア)が連邦職業資格となりました。蓄電池を含む太陽光発電システムの施工や補修や解体の専門家です。

教育期間は3年間で、職業教育中は週の4日を企業で教育を受けながら働き、1日を職業学校で勉強します。今年から、スイス全国の169社が「太陽光施工者」の職業教育生を受け入れています。

スイスの子供たちの3分2が中学校の卒業後に職業教育制度の道を選びますが、その中で太陽光発電の専門家が職業の選択肢のひとつとなったのも喜ばしい発展です。


ドイツ・ソーラーコンプレックス社でのソーラーブーム
お隣の大国ドイツでも同様のブームとなっており、23年の新規設置出力は約14GWとなりました。

南ドイツの市民エネルギー企業であるソーラーコンプレックス社でも最高記録を更新しています。23年は屋根置きで20MW、野立て25MWの合計45MWを地域の市民出資の会社として設置しています。ここでも工場の屋根面に設置した自家消費用の設備がケースが多く、最大規模では7MWという設備もありました。

同社の大型の太陽光では発電コストが約5セントとのこと。電力価格は高止まりしていますので、価格とスピード感においてダントツのメリットがあります。2023年は風力の発電量も多く、ドイツでは電力消費に占める再エネの割合がほぼ6割になりました。

今年もソーラーブームも継続してゆく見込みです。


写真:現在、私達のアトリエがリニューアルを手掛けている工場の屋上庭園でも、屋上緑化と太陽光発電を組み合わせたシステムを施工中。工場での自家消費用の東西向きです。


※参考文献:
- « Ende der 2020er Jahre liefert die Sonne bereits ein Viertel des Schweizer Jahresverbrauchs», Energaia, 21.2.2024
«Ende der 2020er Jahre liefert die Sonne bereits ein Viertel des Schweizer Jahresverbrauchs» | BFE-Magazin energeiaplus | Energiemagazin des Bundesamtes für Energie
- Newsletter 01-2024, Solarcomplex AG, www.solarcomplex.de



【お知らせ】
第10回SJSウェビナー 「オーガニックワイナリー・レンツに見る持続可能なワイン造り」

3月26日(火)17時~、スイスの著名なオーガニック(ビオディナミ)ワイナリー経営者であるローランド・レンツさんのウェビナーを開催します!生物多様性促進型、エネルギー自立型のワイン造りのお話をお聞きします。
お申込みはこちらから:http://ptix.at/8x19V8


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3月26日(火)SJS第10回ウェビナー「オーガニックワイナリー・レンツの持続可能なワイン造り」

2024-01-28 03:47:42 | お知らせ







今日は、3月26日(火)に開催予定のSJS第10回ウェビナーについてご案内します。
第10回目はエコ・ビオ企業をテーマとし、スイスのオーガニックワイナリー・レンツのオーナーで、トップレベルの醸造家として著名なローランド・レンツさんにお話し頂きます。

東スイスのトゥールガウ州にあるワイナリー・レンツでは、30年前よりオーガニック・ワイン造りに取り組み、ビオディナミ認証(Demeter認証、有機認証の中でも最も厳しい基準)を受けたワインを製造しています。

 



同ワイナリーでは、地力を豊かにする農法×生物多様性×耐菌性のある強健な品種×品種の多様性×混合栽培により、生命力の強いブドウ園を実現。それにより温暖化時代においても、経済的にも安定した運営と、高品質で個性的なワイン造りを達成しています。

そのワインは国内外で多くの賞を受賞し、2023年には欧州で最も厳しい環境基準を持つオーガニックワイン販売会社デリナートにより、ヨーロッパで最も優れた「生物多様性ワイナリー」に選出されました。エネルギー自立型ワイナリーとしても知られています。



本ウェビナーのポイント
・ビオディナミ認証のワイン造りからの経験
・耐菌性品種PIWI:ブドウの95%を強健な耐菌性品種に転換、育種活動
・動植物の生物多様性の促進:ブドウ畑の15%を生物多様性面積、そのネットワーク化
・エネルギー自立:省エネ、太陽光発電、排熱利用、地熱、蓄電池でエネルギー自立
・混合栽培、パーマカルチャー





日時:2024年3月26日(火)、17時~18時30分
ZOOMを使用し、逐次通訳の生中継にてお届けします

参加費:一般1000円、学割 500円

お申込みはこちらから:http://ptix.at/8x19V8

【講師プロフィール】ローランド・レンツ
ワイナリー・レンツの経営者。国家資格ワイン醸造マイスター。持続可能なワイン造り・農業のビジョンを掲げ、実践。スイスのオーガニックワイン業界を牽引する。その生物多様性とエネルギー自立に関する取り組みは、スイスでも非常にユニーク。



主催:SJSスイス-日本サステナビリティ交流会   
後援:JIA環境会議、JIA関東甲信越支部/杉並地域会

 



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