滝川薫の未来日記

スイスより、持続可能な未来づくりに関わる出来事を、興味がおもむくままにお伝えしていきます

6月10日~23日 、ドイツの市民エネルギー会社社長の講演会を日本で開催します!

2014-05-24 18:08:11 | お知らせ

南ドイツで2000年に20人の市民が立ち上げた再生可能エネルギー会社のソーラーコンプレックス株式会社。これまでに市民の大切なお金を使って、地域に1億ユーロ分の再生可能エネルギー設備を実現すると同時に、地域経済を促してきました。その創設者の一人で、現取締役のベネ・ミュラーさんが6月に日本に講演にいらっしゃいます。通訳として私も同行致します。日本各地で市民エネルギーに取り組む皆さま、取り組みたいと考えている皆さまと、出会えることを楽しみにしております! 公開型の講演は下記の5か所で行います。 ふるってご参加下さい!!

◆ ドイツの市民エネルギー会社ソーラーコンプレックス社取締役ベネ・ミュラー氏講演会
~Think global , Act local~地域のエネルギーヴェンデを実践するソーラーコンプレックス

●6月10日(火) 東京都(下記リンクより要申込) http://www.sakurajimusyo.com/campaign/tokyo/symposium/index.html
会場:アーツ千代田3331
時間:13:30~17:00
主催:(株)さくら事務所・一般社団法人クラブ・ヴォ―バン
共演者:不動産コンサルタント、長嶋修氏

●6月12日(木)山口市
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~okutsu/YICA/Bene.jpg
会場:山口情報芸術センター・スタジオC
時間:18:30~20:30
主催:NPO法人山口藝術研究所

●6月20日(金)盛岡市(要申込)
http://dot-p.com/blog/
会場:岩手大学復興記念銀河ホール
時間:13:30~
主催:岩手県中小企業同友会

●6月21日(土) 大曲市(要申込)
http://molx.co.jp/config/wp-content/uploads/2014/05/91bc38edf00ce390f41657702681298c.pdf
会場:グランドパレス川端
時間:13:15~16:00
主催:秋田エネルギーシフト研究会・大曲商工会議所青年部
共演者:銘建工業代表取締役社長、中嶋浩一郎氏 

●6月23日(月) 大津市(要申込)
http://www.pref.shiga.lg.jp/f/eneshin/files/tirasi.pdf
会場:滋賀県庁北新館3階中会議室
時間:14:30~17:00
主催:滋賀県
http://www.pref.shiga.lg.jp/f/eneshin/20140514.html


◆ 予告 

新著「100%再生可能へ! ドイツの市民エネルギー企業」(学芸出版社)、6月10日に出版!



前著「100%再生可能へ! 欧州のエネルギー自立地域」の続編として、6月上旬に新著「ドイツの市民エネルギー企業」を学芸出版社より出版します。 著者は、村上敦・池田憲昭・滝川薫のドイツ語圏在住の3人。 ドイツの分散型エネルギーヴェンデ(エネルギーの大転換)を支える市民や自治体が主体になった、地域のエネルギー事業の企業形態を、具体例を交えてご紹介します。もちろん、上記のソーラーコンプレックス株式会社についても、詳しく取り上げています。 ちなみに素敵な表紙は、前回に続き、日本の若手グラフィックデザイナー吉村雄大さんが手がけてくださいました。

・ 新著は現在、アマゾンより予約購入することができます(下記リンク)。
http://www.amazon.co.jp/100%25%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%B8-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E5%B8%82%E6%B0%91%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E4%BC%81%E6%A5%AD-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E6%95%A6/dp/4761525738/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1400912720&sr=8-1&keywords=%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E5%B8%82%E6%B0%91%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E4%BC%9A%E7%A4%BE

・ 学芸出版社の本著紹介ページ
http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-2573-6.htm



◆5月18日の住民投票に関するニュース

● ベルン州住民投票:ミューレベルク原発の即時運転終了を求める住民法案が否決に
  先週末にベルン州で行われた住民投票で、ベルン州民は運転開始から42年になるミューレベルク原発の即時運転終了を求める住民イニシアチブ案を、63%のノーにより、明確に否決しました。投票率は51%。
 ミ ューレベルク原発の運転事業者であるベルン電力の選挙戦略の方が一枚上でした。ベルン電力は昨年末、2019年にミューレベルク原発を運転終了すると自ら宣言しました。以来、顧客誌やポスター、新聞などで、ベルン電力はエネルギーヴェンデに舵を切った進歩的なエネルギーサービス会社だ、再生可能エネルギーの増産を頑張っている、経済性と安全性のバランスから2019年に決めた等、盛んにアピールしてきました。
 投票結果は、スイスの他の原発事業者が運転終了年を示すことがない中、自ら脱原発の計画を策定したことに対するベルン州民からの評価の印と捉えられます。もちろん、それを守ってくれるのかは分かりませんが。とはいえ、ベルン電力が2019年に運転終了すると宣言したのは、この住民イニシアチブ案の圧力も一因だったでしょうから、そういう意味で有意義でした。
 もう一つの否決の理由はお金です。ベルン電力は廃炉費用の貯金が足りないので、あと5年の運転が必要だと主張してきました。さらに運転終了を義務付けれた際には、株主(州、つまり住民)に賠償金を請求すると脅しました。お金の請求先は最終的にはベルン州の納税者です。住民は原発事故のリスクよりも賠償金の方が怖くなったのだ、と地元誌Der Bundは書いています。
 ベルン電力は僅かな費用の安全強化対策しか行わないつもりで連邦核監督局(ENSI)に対策を提案していますが、それに対して連邦核監督局は住民投票前には意見しませんでした。どういうわけか、秋になるまで分からないそうです。追加対策・追加費用が必要になれば、2019年前に運転終了するケースもないとは言えません。 とはいえ連邦核監督局はスイスの原子力村の一員ですから、ベルン電力に厳しい対応を迫るようなことはないと予想されます。
参照:Der Bund誌

● ノイエンブルク州住民投票:風力パークを素早く実現するための案が可決
 先週末の住民投票では、上記の他にもエネルギー関連の投票がいくつかの州でありました。ベルン州の結果とは異なり、ノイエンブルク州ではエネルギーヴェンデへのスムースな実現に繋がる結果が得られました。
 ノイエンブルク州やワット州、ユラ州は、スイスでも風力資源が豊富な地域です。ノイエンブルク州では風力パークの立地場所を選定し、基本計画を進めています。これに関して一部の景観保護および自然保護団体が、風車一本ごとに住民投票を行うことを求める法案(風車建設を困難にするための法案)を出していたものが、先週末、住民投票にかけられました。
 風力増産を大幅に遅延させる住民イニシアチブ案に対して、住民の60%が否決を表明しました。対して、風力を慎重かつスピーディに推進する州政府の対案は65%が可決票を得ました。州の対案では、最大5か所の風力パーク地域を州憲法に記入し、各パークごとに最大基数を定義するもの。これらが実現されれば59基の風車が州の電力の20%を生産するようになります。 この対案には州議会の全政党が指示を表明した他、立地自治体でも明確に可決されました。住民のスピーディかつ計画的な(乱立を避ける)風力増産への意志が示された投票結果となりました。
参照・図出典:Suisse Eole(下は対案に可決表を求める投票戦のポスター)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月18日、「ミューレベルク原発の即時運転終了」を求める州民投票

2014-05-11 10:20:30 | お知らせ



ニワトコやサンザシの甘い香りが漂う季節となりました。家の周りの野原では、コオロギが大合唱しています。そんなのどかな日常とは裏腹に、一週間後の5月18日には、このベルン州(そしてスイス、ヨーロッパにとっても)の安全と存続にとって重要な住民投票「ミューレベルク原発の即時運転終了」が控えています。

新聞や駅には毎度のことながらJa(イェス)、Nein(ノー)双方のポスターや広告が掲載されていますが、この10年ほどの間にも社会的議論が繰り返されてきたテーマであるためか、全体として奇妙なほど静かな印象を受けます。今回も都市部の地域はおそらくJaに投票すると思いますが、農村部のアルプスやジュラ山脈、そして湖水地方の保守派住民のNein票がどれほどになるのか、そもそもどれほどの投票率になるのか、予測できません。

1972年に運転開始されたミューレベルク原発は、スイスの中では最も危ない高齢原発として有名です。お隣のドイツでならば、とうに廃炉にされている代物です。運転会社のBKW(ベルン電力)は、2019年に運転終了すると発表していますが、廃炉作業に入るまでに5年かかるので、その場合、あと10年は原発事故のリスクは減りません。もしも住民発議案が求めるように今すぐに運転を終了すれば、2019年までには廃炉作業に入れますので、リスクが5年減ります。しかも、ベルン電力は2019年で運転を終了する代わりに、僅か1500万フラン(約18億円)という最低限の安全対策しか行わないつもりであることを公言しています。

ベルン電力の過半株主はベルン州です。住民投票で住民発議案が可決された場合、州は株主としてベルン電力に即時の運転終了を要求しなければなりません。その場合、州に約4.5億フラン(約540億円)の賠償金を要求する、とベルン電力は住民を脅しています。しかも、運転42年目にもなって(本来は40年までに入金するべきものですが)、運転終了・廃炉基金に十分なお金がない、運転を継続する必要がある、とも脅します。もともと財政の苦しいベルン州の議会は、主要株主であり、賠償金を請求される立場になりますから、この住民イニシアチブには否決を勧告しています。

4月末、この投票を目前にスイスエネルギー財団の主催により、ベルン市で二つの講演が催されたので行ってきました。今回はこの二つの講演の概要を紹介します。一つ目は、ベルン市住民で、エンジニアであるマルクス・キュー二さんの講演。ミューレベルク原発の安全面での問題点の概要を、次のように説明しています。(講演のヴィデオは下記リンクから見ることができます。)

●非常用冷却設備の問題:水源がアーレ川しかない。一つしかない非常用冷却設備の管が洪水時に詰まることがありうることを連邦核監督局も指摘。洪水で管が詰まった時に、消防用ポンプを非常電源とすることになっている。その際に、消防士が50㎝もの水流の中で作業する想定。
●洪水の水量想定が低すぎる:想定しているのは2日間豪雨が続くケース。一万年に一回というが、実際には500年前にもそのような大洪水があった。
●全ての非常用電源が地下11mの唯一の地下室に置いてある。火事でも洪水でも全電源損失に繋がりうる。
●昔から有名なシュラウドのヒビとその拡大、それをアンカーで引っ張って固定していることによる問題。
●その他にも多数の重要装置の耐震性が不十分。 ・ヴォーレン湖ダムの下流100mの地点にあること(ダム決壊の危険性)。
●首都ベルンの境界まで僅か8㎞にあること。30㎞圏内で85万人の避難が必要に。

・・・等々。その他、ベルン電力の経費節約のためのアリバイ的な安全対策、情報隠ぺい工作、規制側との慣れあい等についても言及がありました。

しかも、ミューレベルク原発は、安定供給上は全く必要性がないということを、州も公的に認めている発電所です。またその発電量は、新しい再生可能エネルギーによる発電設備で既に代替されています。さらに、今のヨーロッパ電力市場の中で、ミューレベルク原発は実はもうかっていないどころか、発電することにより損をしている(だから賠償金は問題外)ということを、二つ目の講演で、経済学者で元国会議員のルドルフ・レヒシュタイナー博士が、次のように説明しました。

ここ数年来、ヨーロッパの電力市場には様々な事情から電力が有り余り、価格が下がっています(大量の再生可能エネルギー電力の生産、CO2取引価格の下落等)。市場価格は、kWhあたり4.8ラッペン(4ユーロセント)程度。2020年までのベースロード電源の先物市場価格は4.2ラッペン。これに対して、ベルン電力がオフィシャルな発電コストとして挙げているのはkWhあたり7ラッペン。もしもちゃんと廃炉費用を入れるなら、この価格は9ラッペンに。さらに要求されている安全対策を行うなら3~6億スイスフランの追加対策で11~14ラッペンと、市場の3倍の価格になってしまいます(ベルン電力は1500万スイスフランしかかけないつもりですが)。また、今日の燃料費と運転費だけでも5ラッペンになり、2020年までの市場価格よりも高くなっています。

つまりベルン電力は、ミューレベルク原発の電力を実際の原価よりも安い価格で市場に売っている、あるいは市場でもっと安い電力が入手できるのに、高い電気を顧客におしつけているということになります。ベルン電力の電力価格はスイスでも一番高い部類であるばかりか、2014年には電気代をこっそりと9%も上げています。ベルン電力は、べらぼうに安く発電できる古いダム水力も運転していますし、電力の半分を安い市場から仕入れているのにもかかわらず。ちなみに、スイス全体では電気代は上がっていません。しかし、スイスでは電力市場の自由化は、まだ大規模消費者にしか行われていません。選択肢のない小規模な消費者は、ミューレベルク原発の高いコストを背負わされているのが現実です。

ベルン電力は、即時運転終了になった場合、合計4億5000万フランの収益減に繋がると主張していますが、レヒシュタイナー博士はその反対が事実であると主張します。即時の運転終了によりベルン電力が経済的に得をするという簡単な理由を説明します。 
● 高いミューレベルク原発でなく、市場から安い電力を仕入れてくることにより2019年までに浮くコスト差額が4億3500万フラン
● 原発の維持費と燃料費の節約分が2億1500万フラン
これだけでも運転終了することにより6億5000万フランの費用が浮きます。これに加えて、放射性廃棄物の量が減りますから、その処理費用も減ります。

こういった情報は地元新聞でも紹介されていますが、もちろんベルン電力の取締役の挙げる数字も頻繁に紹介されています。Jaと投票する人は、やはり興味を持って背景情報を知ろうとする姿勢を持っている人ということになるでしょう。相変わらずベルン電力に買われた中道から右派の政党や地方政治家の多くは、「無駄、高い、性急すぎ」というNeinスローガンを指示しています。連邦核監督局やベルン電力の経営陣を、未だに盲目に信頼する住民も少なくありません。果たしてどのような結果になるのか、来週以降にご報告しましょう。

スイスエネルギー財団主催による講演会のヴィデオは下記から見られます:
マルクス・キュー二さんの講演
http://energisch.ch/referat-konkrete-sicherheitsmaengel-akw-muehleberg/3353/
ルドルフ・レヒシュタイナー博士の講演
 http://energisch.ch/referat-das-akw-muehleberg-und-das-geld/3422/

ミューレベルク原発問題とその歴史を端的に紹介した住民投票キャンペーンのサイト
http://muehleberg-stilllegen.ch/argumente/


お知らせ

●ビオシティ誌58号:スイスのビオホテル・ウクリヴァを紹介
2014年58号のビオシティ誌の特集は「対馬モデルへ~地域連携のエコアイランド構想」です。 私の担当する連載「欧州のビオホテル探訪」では、今回はスイスのアルプス地方にある協働組合式のエコ&ビオホテル「ウクリヴァ」を紹介しています。
出版社リンク: http://bookend.co.jp/

●Wasedabook誌インタビュー、
スイスのエネルギー戦略2050について
オンライン誌Wasedabookのエネルギー特集で、スイスのエネルギー戦略2050についてお話ししたインタビューが掲載されました。 下記リンクからご覧になられます。
リンク:http://www.wasedabook.com/


ニュース

●スイス:太陽光が1%を超える
太陽光発電の普及が周辺国より遅れてきたスイスだが、2014年の初頭より、太陽光発電が電力消費量の1%を占めるようになった。2010年以来、太陽光発電からの発電量は7倍に伸びた。電力の6割近くを占める水力を除いた新しい再生可能エネルギー源の割合は、スイスでは4%になる。これだけでもミューレベルク原発の発電量は代替できている。
出典:Swissolar, AEE

●スイス:一人頭の太陽光と風力の発電量の恥ずかしい結果
スイスエネルギー財団の調査によると、スイスの一人頭に換算した太陽光と風力の発電量は83kWhで、ヨーロッパ諸国の中では一番少ないハンガリーの次の地位になっている。ドイツでは一人頭1040kWhで6位。ナンバーワンはデンマークで、一人頭2070kWhとスイスの25倍。2位はスペイン(1340)、3位はポルトガル(1181)、4位はアイルランド(1089)、5位はスウェーデン(1040)。原発と水力ロビーの強いスイスでは、長年に渡り、買取制度の課徴金に上限がかけられ、爆発的な増産が起こらないような政策がとられてきた結果である。周辺国での成果を見れば、スイスにもまだまだ大きなポテンシャルが潜んでいることが良く分かる。
出典:SES

●ソロトゥルン都市公社、パワー・トゥ・ガス建設へ
ソロトゥルン州のツッツヴィール(Zuchzwil)に、地元の電力公社であるRegio Energie Solothurnが、パワー・トゥ・ガス設備を含むハイブリッドエネルギーセンターを計画中である。これにより電力、ガス、熱供給を組み合わせて行っていく予定。まずは、6MWのガスボイラーと、5.5MWhの蓄熱タンク、0.7MWのコージェネ、300kWの電気分解設備(水素生産)、そして水素タンクが建設され、2014年末に運転開始する予定。その後続いて、2基のコージェネと、蓄熱タンク、メタンガス化設備、300kWの圧縮空気蓄電池が設置される計画になっている。
出典:http://www.regioenergie.ch/

●デューディンゲン町で小型の木質ガス化発電型の地域暖房
フリブール近くのデューディンゲン町で、木質ガス化型発電型の地域暖房の建設が始まった。建設を手掛けるのは西スイスの電力公社Groupe E。地域暖房センターには2台のチップボイラーが設置され、年20000MWhの熱を生産、およそ1000戸分の熱を供給する。地域暖房網の埋設も行う。ピーク時・非常時用にはガスボイラーが置かれる。地域暖房網に接続するのは、民間の住宅、工場、産業建築、そしてすべての公共建築。発電型になっているのは2台のチップボイラーのうちの1台。ガス化式で発電容量は100kW。トゥールガウ州のシュミード・エナジー・ソリューション社の製品だ。同社は分散型木質発電のために小型設備を開発。排熱回収などにより発電・熱の総効率77%を達成する。同社では社内で3年前より同様の設備を運転してきた。エネルギーセンターの建設および地域暖房の配管埋設費用は1200万スイスフラン。GroupeE社がコントラクティング設備として建設・運転し、顧客に熱を販売する。運転は2015年秋からの計画だ。
出典:www.heissluftturbine.ch

●ベルリンで1.2万人がデモ:素早いエネルギーヴェンデを求める市民の声
ドイツでは2014年の第一四半期に総電力消費量に占める再生可能エネルギーからの電力の割合が27%になった。この背景には、市民や自治体による分散型の再生可能エネルギー電力の生産がある。こういった分散型の素早いエネルギーヴェンデを、メルケル政権はこの夏に予定されている固定価格買取制度の改革により大幅に牽制しようとしている。5月10日、これに反対する市民たちがベルリンに集まりデモを行った。1.2万人が参加し、分散型の素早いエネルギーヴェンデを求めた。
出典:www.ee-news.ch, http://energiewende-demo.de/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

締め切り間近! ドイツ・スイスのエネルギー自立視察セミナー 7月13~20日

2014-05-03 10:06:21 | お知らせ



今日は締め切り間近の視察セミナーのお知らせです。

MIT Energy Vision社では、7月13~20日に、ドイツ・スイスにて、エネルギー自立のパイオニア的な自治体や再生可能エネルギー企業を訪問する視察セミナーを開催致します。

訪問するのは、市民が作った電力会社のシェーナウ電力、市民出資の再生可能エネルギー会社ソーラーコンプレックス社、ドイツ大手の再生可能エネルギーディベロッパーjuwi社、100%再生可能エネルギーのバーゼル都市エネルギー公社といった、エネルギー自立運動のパイオニアたち。これらの企業の取り組みについて学び、施設を見学します。

またエネルギー自立地域のライン・フンスリュック郡や、環境首都フライブルク市では、政策のレクチャーの他に、再生可能エネルギーだけでなく、省エネ建築や気候保全プログラムについても見分します。視察の合間には、黒い森の持続可能な林業の散策や、ワイン造り農家での試飲、著名建築家によるアートミュージアムの訪問、オーガニック&エコホテルの滞在も組み込まれています。

欧州中部のエネルギーヴェンデ(大転換)の今を、直接肌で頂ける、内容の濃いプログラムとなっています。案内・解説は、現地在住、環境ジャーナリストの村上敦、池田憲昭、滝川薫の三人が手掛けます。

締め切りは5月10日まで!! 参加ご希望・申し込みの方は下記までメール下さい :
takigawa@mit-energy-vision.com (滝川)
※ご一報頂けましたら、詳細のパンフレットをメールします。

少数精鋭で勉強して頂く視察コンセプトのため、定員まで残り数名となっております。定員に達し次第、募集を締め切らせて頂きます。なお、MIT Energy Vision社では10月にも視察セミナーを企画しておりますが、こちらの方は早くも満席になっております。

プログラム概要と費用のご案内は下記の通りです。



MIT 中欧視察セミナー No.7

再生可能エネルギー、市民出資、エコ建築、持続可能な森林資源利用

2014年7月13〜20日 (セミナー6日間)

主催:         MIT Energy Vision GbR (ミット•エナジー•ビジョン)
開催場所:     ドイツ、スイス
対象者:        エネルギー、建築、農林業の専門家、従事者、市民団体、学生、企業など
定員:           10人
参加費用:   シングル部屋希望者  2550ユーロ
                  ツイン部屋希望者     2400ユーロ
※ 参加費用のなかには、コーディネート、専門ガイド、レクチャー、専門通訳、外部講師、現地交通費、宿泊(朝食付き)の代金が含まれています。
※ 朝食以外の飲食代は、現地にてお支払い願います。
現地集合、現地解散のセミナーです。日本ードイツの往復の飛行機、ならびに集合・解散前後の現地移動、宿泊等は参加者各自で手配願います。


プログラム概要


7月13日(日) 現地集合、移動、夕食•歓談 
19:15 フランクフルト空港第1ターミナルの到着ロビーBのミーティングポイントに集合
ホテルへ貸切バスで移動


7月14日(月) 人口10万人のエネルギー自立地域ライン・フンズリュック郡 
・ ライン・フンズリュック郡長ベルトラム・フレック氏のプレゼン
   「エネルギー自立地域ライン・フンズリュック郡の気候・エネルギー政策」
・ ライン・フンズリュック郡事例視察 剪定材による町中心部の地域暖房、
   村の組合式地域暖房(木質バイオ) 学校
・公共建築の省エネ改修、ゼロエミッション化・・など


7月15日(火) 大手再生可能エネルギーのディベロッパーjuwi社訪問
- juwi社のエコオフィスでプレゼン「Juwi社と再生可能エネルギーについて」
- juwi社のメガソーラー・風力パーク案内
- シュヴァルツヴァルト(黒い森)へ移動


7月16日(水) 革命児シェーナウ電力と森林のカスケード利用 
- シェーナウ市民電力組合訪問、レクチャー
- フライバッハの森を散策しながら持続可能な森林利用・多機能林業
- ライン平野のワイン農家訪問、試飲(夕⾷込み)


7月17日(木) 環境首都フライブルク市
- エコ住宅地ヴォーバンの町づくり、交通、エネルギー
- コージェネプロジェクト、省エネ建築
- レクチャー「ドイツのエネルギー政策」


7月18日(金) バーゼルの都市エネルギー公社と著名ミュージアム
- 先進自治体エネルギー公社であるスイス・バーゼル都市州の公社でレクチャー
  「都市公社による100%再生可能エネルギー取り組みとエネルギーアドバイスサービス」
- 美術館バイエラーミュージアム(自由) 、レンゾ・ピアノ設計
- 新コンセプトのアートコレクション保存庫シャウラーガー訪問(入場込)、
  ヘルツォーグ&ド・ムーロン設計


7月19日(土) 市民エネルギー会社ソーラーコンプレックス
- 市民出資の再生可能エネルギー会社ソーラーコンプレックス社でのレクチャー
- ソーラー住宅地エンゲン
- バイオエネルギー村ビュージンゲン町の地域暖房(大型太陽熱温水器と木質バイオ)
- ボーデン湖地方のオーガニック・エコホテルに宿泊


7月20日(日) フランクフルト空港へ
バスでフランクフルトへ移動 16:30頃着フランクフルト空港着・解散


お問い合わせ:
MIT Energy Vision 社、滝川薫まで
takigawa@mit-energy-vision.com


MIT Energy Vision GbR (ミット•エナジー•ヴィジョン社)について
ミット•エナジー•ビジョン社は、日本のエネルギーシフトを中央ヨーロッパから支援することを目的に、欧州在住の村上敦、池田憲昭、滝川薫が2012年3月に設立しました。 私達のビジョンは、地域や住民が主体となって実現する、100%再生可能エネルギーによる社会づくりです。 中央ヨーロッパには、 再生可能エネルギーと省エネルギーに関わる成熟した技術、ノウハウ、経験、政策、コンセプトがあり、それらは日本のエネルギーシフトを強力に効果的にサポートできるものだと考えています。 ドイツ•スイスを拠点とした10年以上にわたる環境/エネルギー分野でのコンサルティング、執筆活動により蓄積した欧州ネットワークと専門知識、言語能力を活かし、日本社会の需要にマッチしたプロフェッショナルなサービスを提供します。 中央ヨーロッパと日本の人々が共に力を合わせることにより、日本のエネルギーシフトを加速、実現していくことを目指します。
 www.mit-energy-vision.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする