滝川薫の未来日記

スイスより、持続可能な未来づくりに関わる出来事を、興味がおもむくままにお伝えしていきます

「都市エネルギー公社の新設と再公有化」レポートがダウンロードできるようになりました

2015-12-30 23:59:27 | お知らせ

●ドイツの都市公社レポートの日本語版ダウンロードリンク

スイスに来てから15年が経ちましたが、これほど温暖な12月は未だかつて体験したことがありません。気温はまるで関東の冬のように温暖で、標高840mの集落が霧の上ということもあり、毎日のように晴れた青空の日が続いています。実際に150年の観測史上、最も暖かい12月だったそうです。土も凍りませんから、造園業の現場のシーズンも長引き、12月中旬まで工事・植栽の現場が続く有様でした。

 

一年前に越してきた山の上の集落では、ようやく自家菜園のベリー類と観賞用ボーダーの植え付けが終わり、あとは無暖房の温室の建設を残すのみとなりました。標高が高くても、通年して葉物やハーブを収穫できるようにすることが狙いです。こうして12月に入っても視察に庭、締切に追われるという毎日の中、あっという間に大晦日になってしまいました・・。

 

前回のブログで予告しましたが、「都市エネルギー公社の新設と再公有化」レポートの日本語版が、下記のヴッパータール研究所のリンクから無料でダウンロードできるようになりました。

ダウンロードページ(右端のアイコン)

http://epub.wupperinst.org/frontdoor/index/index/docId/6075

電力・ガス市場の完全自由化を迎える日本で、自治体によるエネルギー公社の新設を考えている人びとに是非読んで頂きたい、ドイツの自治体の経験がまとめられた一冊です。翻訳は、ミット・エナジー・ヴィジョンのチームで行いました。

  

●スイスの総選挙結果:脱原発の終わりの始まり?

10月中旬にはスイスの議会の総選挙がありました。本来はテーマになるべきエネルギー大転換と脱原発ですが、残念ながら全く話題にならず、メディア全体が「難民の波」というテーマ一色で塗りつくされていました。こういったタイミングにより、下院では移民に厳しい(そして原発に優しい)スイス国民党が大勝する結果となりました。

 

下院の200議席中、スイス国民党が65議席を、さらに自由民主党が33議席を獲得。後者もエネルギー大転換に消極的な政党です。これにより下院では議席の半数近くを、素早い脱原発を望まない勢力が占めることになりました。原発の新設を目指す動きはありませんが、骨太のエネルギー戦略2050の実現や、スムーズな原発運転終了にとっては、ますます厳しい議会構成になりました。

 

11月末頃になると、毎週のようにターゲスアンツァイガー新聞の誌面に、「電力不足」や「ブラックアウト(大停電)の恐れ」という言葉を盛り込んだ記事が見られるようになりました。この言葉は昔(2011年に国が脱原発が決まる前)、原発の新設・建替えを求める原発推進勢力が良く使ってきたものです。ヨーロッパ電力市場で、安い電力が余りに余っているこの時代に、再登場してきたのでびっくりしました。

 

新聞記事の背景には、スイスの高齢原発であるベッツナウ原発1号機と2号機が止まっており(2号機は再稼働しましたが)、雨が少ない夏と秋のせいで電力供給の主体を担う水力の水量が今年は少ない上に、秋にヨーロッパの電力市場価格が上がった際にダム水力を多く輸出してしまったためダムの水位が例年よりも低いため、国内の従来電源の容量が一時的に減っているという事情があります。

 

新聞紙面では、高圧系統運営会社のスイスグリッドが、ヨーロッパから十分な電力を輸入することはできるが、輸入電力を国内向けの高圧系統に変圧する変電所のキャパシティがぎりぎりなので、気温が下がって電力需要が高まると電力不足になるかもしれない、と懸念を表明しています。

 

スイスグリッドは、系統運営者としての中立的な立場からの警告であるとしていますが、同社の株主は原発の運営会社の大手電力です。本音は、既存の古い原発を長く動かし続けるためのキャンペーンであってもおかしくありません。特に運転46年目を迎えるベッツナウ1号機は、圧力容器の壁に1000近くの穴が発見され、今年の春から来年の夏まで止まったままです。「電力不足」キャンペーンにより、この原発の存在意義を強調したいようです。

 

2016年には、緑の党の「脱原発イニシアティブ案」が国民投票に掛けられる予定です。運転40年を超える危険な高齢原発が3基もあるスイスで、原発の寿命を45年に制限する法律を求めるものです。上記の警告や報道は、この国民イニシアティブ案に反対する原発ロビーの戦いのはじまりのように思われます。

 

2015年は、スイスやドイツのエネルギー大転換においては、地域では着実に小さな進展が重ねられながらも、国のレベルでは発展の先行きが見えにくい1年でした。新年が、スイスや日本、世界のエネルギーヴェンデにとってより良い1年となることを願っています。また、来年も非常にマイペースな更新を続けて行きますので、時折このブログをご訪問下さい。

 

 

小特集:ヨーロッパソーラー大賞2015を受賞したスイスのプロジェクト

2015年11月23日に、プラハでヨーロッパソーラー大賞が授賞されました。EU各国から応募された52プロジェクトのうち、12プロジェクトが入賞。そのうち3つがスイスからのプロジェクトでした。今回は、この3つのプロジェクトを短く紹介します。

 

★ソーラー建築・都市開発部門:カヴィジェッリ・エンジニア社のプラスエネルギー社屋

グラウビュンデン州イランツ市にあるこの新築ビルは、238%のプラスエネルギー度を達成している。建物は3階建て、床面積は706㎡。ミネルギー基準の躯体と省エネ型設備により、24人の従業員が働く建物の総エネルギー消費量は、年12600kWh に抑えられている。対して、平屋根に乗せられた東西向きの太陽光発電が年3万kWhを発電。デザインが特徴的なカラマツの木のルーバーが、冬の日差しを室内に通し、夏の日差しを遮る。設備は地中熱ヒートポンプ、熱回収式の換気設備、A++家電、LED照明。建物デザインにおいても評価が高く、スイスでは今年度のノーマン・フォスター・ソーラーアワードを受賞した。



Bilder : Quelle :Schweizer Solarpreis 2015

 

★再エネ設備所有者部門:集合住宅ハルデッガー邸のプラスエネルギー改修

国会議員のトーマス・ハルデッガー氏は、チューリッヒ市近郊にある4世帯集合住宅をミネルギー・P・エコ基準に省エネ改修した。築60年の建物の改修前のエネルギー消費量は、年66800kWh。断熱強化により、外皮はU値を0.1以下、窓は0.6に下げた。改修後の消費量は-72%の18800kWh。南北向きの切妻屋根には、31.3kWの屋根材一体型の太陽光発電を設置し、年24500kWh を生産。131%のプラスエネルギー度を達成した。北向きの屋根にも太陽光発電を設置している所が興味深い。建材一体型設備の太陽光発電の美しい収まりは、村の旧市街の景観保全にも寄与している。

Bilder: Quelle:Schweizer Solarpreis 2015

 

★輸送システム部門:ソーラーシャベルカーSUNCAR

ルツェルン州アルトビューロン村に拠点を置く建設会社アッフェントランガー社は、ブクス国際技術専門大学や建設機材メーカと共に、電気駆動による16トン級のソーラーシャベルカーを開発した。ソーラーシャベルカーは、非常に静かで、有害排気もなく、75~167kWの出力を発揮する。一般のシャベルカーの出力(70kW)と比べても大きな出力だ。バッテリーのキャパシティは190kWhで、1日9時間運用することが可能だ。

ソーラーシャベルカーのエネルギー消費量は、ディーゼル駆動のシャベルカーの5分の1で、年3万kWh 。年40トンのCO2削減と21000スイスフランの燃料費削減に繋がっている。アッフェントランガー社では、社屋の屋根に設置した大きな太陽光発電からの電力で充電を行う。ソーラーシャベルカーの投資回収期間は8.5年であるという。

Bilder: Quelle:Schweizer Solarpreis 2015

参照:Erneuerbare Energien Nr.6, 2015、Schweizer Solarpreis 2015

 

 

ニュース

 

●スイス初のオフグリッドの集合住宅

スイスでは再エネのパイオニアと知られる企業家のヴァルター・シュミード氏。ゼネコンの社長でありながら、生ゴミからバイオガスを作るコンポガス技術を製品化し、近年ではチューリッヒ市近郊に環境技術の常設展示場である環境アリーナを環境建築により実現してきた(www.umweltarena.ch)。そのシュミード氏の新プロジェクトが、自治体ブリュッテンで建設が進むオフグリッドの集合住宅だ。設計デザインは息子で建築家のルネ・シュミード氏である。 

9世帯が入るこの集合住宅は、電力や熱の系統に接続していないため、建物の内部や表面で得られるエネルギーにより、電力と熱を自給自足しなければならない。アクティブなエネルギー源となるのは、外壁材と屋根材として使われている太陽光発電パネル。反射しない、マットな質感のこげ茶色のパネルを採用した。ミネルギーレベルのコンパクトな躯体と日射取得のための窓、省エネ家電と節水ノズル、シャワーからの排熱回収、省エネ制御型の機械換気設備等により、建物消費を最小限に抑えつつ、スマートな制御装置で電力需給を管理する。低温床暖房と給湯の熱源には、地中熱ヒートポンプと排熱を利用する。

 

Bild:www.umweltarena.ch

オフグリッドのための蓄電対策には、短期的なものと長期的なものがある。短期的な蓄電は約3日分の容量を持つバッテリーが担う。長期的な蓄電は水素と燃料電池の組み合わせで行う。水素は、余剰の太陽光を用いて電気分解装置で生産、地下タンクに貯蔵しておく。燃料電池により電熱併給を行うが、冬の熱需要には地中熱も併用する。夏には、余剰熱を用いて地中熱を回復させる。基本的に、建物が1日に必要とするエネルギー量は、1時間日射が照れば得られるという。
 

この集合住宅は賃貸住宅であり、多様な人が暮らすことになる。高度な省エネ建築でも、住み手の生活スタイルによって消費量は大きく異なってくる。そのため、この集合住宅ではエネルギー消費の見える化を行い、また各世帯に「エネルギー予算」を割り当てるという。家賃はエネルギー代込みであるが、「予算」に対して消費量の多い世帯に対してマルス(罰則金)を、少ない家庭に対してボーナスを課す仕組みが考えられているという。

参照:Umweltarenaプレスリリース

 

 

●スイスの建物省エネ規制、新築は二アリーパッシブが義務に

2015年の頭に、建物省エネ規制雛形法の改訂版が決定した。現行の新築建築の、熱需要(暖房・換気・給湯・空調)に関する規制値は48kWh/m2年であるが、改訂法規ではこれが35kWh/m2年になる。暖房熱需要だけを取り出すと、住宅建築では16kWh/m2年とパッシブハウス基準やミネルギー・P基準に近い性能が義務基準になる。法律を満たし、建設許可を得るためには、個別計算を提出する方法と、簡易計算の方法がある。後者では、熱橋計算証明付の場合には、U値について壁は0.17、窓1.0、ドア1.2以下が求められる。暖房・給湯については、ほぼすべて再エネで供給することが求められ、二アリーゼロエナジーとなる。電力についても太陽光発電の設置が義務付けられた。

これとは別に、既存の生電気による暖房・給湯器に対しては、15年以内に交換しなければならないことも義務化された。同法は、今後2017年~2020年までに各州で施行されていく。同時に、今回の改訂で義務基準がミネルギー基準を追い抜いたため、2017年からは改訂版のミネルギー、ミネルギー・P、ミネルギー・A基準が施行される。

参照:ENDK州エネルギー大臣会議

 

 

●CO2課徴金が2016年から40%の引き上げ

スイスは、2020年までに1990年比でCO2排出量を国内で20%減らすことを、政策目標に掲げている。これまでの削減量ではこの目標を達成できないため、暖房用オイルとガスへのCO2課徴金が2016年1月より再度値上げされる。CO2・1トンあたりの課徴金は、60から84スイスフランに40%引き上げられる。具体的には、暖房用オイル1リットルあたり22ラッペン(約25円)、ガス1立方メートルあたり17ラッペン(約20円)が課せられる。国はCO2課徴金からの収入を、国民保険経由経由で全住民に、養老遺族保険経由ですべての企業に還付している。また収入の3分1は、建物の省エネ改修の助成資金として用いている。

参照:Holzenergie Schweiz Bulletin59, Pusch Gemeinde-News

 

 

●省エネ改修プログラム、2014年は2億3900万フランを助成

スイスでは、上記のCO2課徴金からの収入の3分1を用いて建物の省エネ改修への助成が行われている。助成金は、躯体の断熱改修と熱源改修の2つの分野で出されている。国と州が共同で運用している国家的省エネ改修プログラムの統計によると、2014年には合計2億3900万フラン(約300億円)の助成金が省エネ改修の分野で支払われた。これらの対策により、実現された省エネ対策により400万トンのCO2を削減することに繋がった。これは、同プログラムの中でこれまでに達成された最も大きな記録になっている。また、今後CO2課徴金の引き上げに伴い、こういった効果はより大きくなっていくものと考えられる。

参照:www.dasgebäudeprogramm.ch

 

 

●チューリッヒ市:2000W社会へ目標路線

チューリッヒ市では、2008年に住民投票により2000W社会を目指すことが決められた。以来、横断的な政策の大目標として2000W社会が掲げられている。チューリッヒ市では、この実践状況を定期的なモニタリングによりチェックしている。 

チューリッヒ市の環境保健局のエネルギー統計によると、2020年までの中間目標である4000W社会の達成にかなり近づいている。過去5年の平均で、チューリッヒ市の住民の1次エネルギー消費は1人当たり4200Wとなっている。これは1990年比で、一人当たり1000W少ない。総一次エネルギー消費に占める再エネの割合は11%から19%に増えた。対して2020年までの温暖化ガス排出量の削減目標に関しては、より努力が必要である。目標が1人あたり1年4トンであるのに対して、実際は4.7トンになっている。しかし、25年前と比べると1.5トンの削減が達成されている。 

チューリッヒ市では、2000W社会の目標を達成するために、市の所有する建物の省エネ化に熱心に取り組んでいる。省エネ型のトリエムリ病院の病棟の新築や、緑化部の温室の省エネ対策、ヴィティコンの高齢者介護施設の省エネ改修などの例がある。

参照:チューリッヒ市プレスリリース

 

 

●職業教育でソーラーと風力の勉強が義務に

スイス電気施工企業連合VSEIは、職業学校の電気施工職人国家資格のカリキュラムにおいて、2017/2018年から風力と太陽光発電を3・4年生の必須テーマに取り入れた。建設設備施工者連盟Suisstecでも、同分野の手工業(暖房、水回り、板金職人)の国家資格を改訂中である。そこでは太陽熱温水器の基礎知識が2018年から大幅に強化される予定だ。これにより職人見習い生に対して、ソーラーエネルギーのセオリーと実践的な知識が教育されるようになる。

出典:Swissolarニュースレター

 

 

●スイス各地で生まれる2000W社会対応型の新開発地区

現在、スイス各地の都市で、2000W社会対応型の新開発や再開発地区が進行中だ。建物単体の省エネやエコロジー性能だけでなく、地区全体として2000W社会に対応した性能を満たすような地区開発のことだ。例えば、チューリッヒ市近郊に昨年竣工したジールボーゲン地区。建設協働組合ツアリンデンが開発した同地区は、今年、「2000W社会地区」の認証を受けた。認証はエネルギー都市連盟が行っている。 

ジールボーゲン地区は、3棟の建物から成り、220世帯分の住宅と商業施設、高齢者介護施設、オフィスなどが入った複合建築になっている。コンパクトな躯体デザイン、建物の建設や運営にかかるエネルギーや資源消費、温暖化ガス排出量の少なさ、公共交通の利用コンセプトなどが高く評価された。3棟のうちの2棟は、新手法による木造7階建ての大型集合住宅になっている(写真参照)。エネルギー源には、ペレットボイラーとヒートポンプ、太陽光発電、排熱、バイオガス等が利用されている。 

ジールボーゲン住宅地の目の前に近郊線鉄道の駅があり、公共交通の接続は大変良好だ。木造住宅棟についてはカーフリーとなっており、車を持たない世帯には建設協働組合より公共交通の定期券が配布される。また敷地にはカーシェアリングも設置されている。余暇の場所と生活の場所、仕事の場所が近いのも特徴だ。建物の立地やデザインによる交通エネルギーの削減は、2000W社会型の地区では重視されている点である。

現在、スイスの8カ所で、類似の2000W地区の開発が進行している。

(写真はこちらのリンクから見られます)

https://www.google.ch/search?q=Bilder+Sihlbogen&biw=1366&bih=599&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwjs8KG6poTKAhVHPhQKHRrwDk4QsAQIGw#imgrc=7klf2DAUu787OM%3A

参照:建設協働組合ツアリンデン プレスリリース

 

 

●レマン湖の湖水で地域暖房

フライブルク州の地域電力会社であるGroupe Eでは、レマン湖の湖水熱を利用した新しい地域暖房網の運転を開始した。設備が実現されたのはレマン湖の東北岸の自治体La Tour-de-Peilz。CAD La Tour-de-Peilzと名付けられたこの地域暖房網は、長期的には3000世帯分の暖房・給湯熱を供給していく予定である。設備は湖水のポンプステーション、低温水の地域暖房網、そして建物ごとに設置されたヒートポンプから成る。

特徴は、低温水の地域暖房であるという点だ。第一工期では、高等学校や2つの新興地区、そして住宅建築に熱供給を行っている。熱利用している湖水は、湖岸から500m離れた場所で水深70mの場所から汲み上げている。年末までに15棟の建物の熱供給を開始するが、徐々に拡張し、最終的には300棟(3000世帯相当)の建物に熱を供給する予定である。湖水熱を利用した地域暖房は、チューリヒ市やローザンヌ市、サンモリッツ市でも行われている。

出典:Groupe E AGプレスリリース

 

 

●オーストリア:ニーダーエスターライヒ州100%再エネ電力に

オーストリア北東部のニーダーエスターライヒ州では、州内で消費するのと同じ電力量を再エネで生産するようになった。その26%は風力である。ニーダーエスターライヒ州は、2011年に決議されたエネルギー運行計画2030の中で、2015年までに「電力を100%再エネで生産すること」を中間目標として掲げていた。 

同州で初めて風車が送電を開始したのは21年前のこと。現在は610基、1262MWの風車が立っている。
「ニーダーエスターライヒはもちろん風況も非常に良好です。ただそれだけでなく、エネルギーヴェンデには政治的な意思が必要です。そして、そこから導き出された目標と適した枠組み条件の中での実践が欠かせません。」と、オーストリアの風力振興協会代表のシュテファン・モイドル氏は語る。 

ニーダーエスターライヒ州では、風車の運営会社の4分3が州内の会社である。中でも最も大きな風力の運転会社は州営エネルギー会社EVNになっている。これにより風力から得られる経済的なメリットが地域に還元される。こうして風力業界だけでも、同州では過去5年間だけでも4800人の雇用が創出され、700MW以上の風車の建設により12億ユーロが投資された。 

オーストリアでは同州の他にも、ブルゲンラント州が100%再エネ電力への転換を、風力を中心としながら10年あまりで達成している。

出典:IG Windkraft Österreich


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