先の藤枝教授の非難を受けていた作品「タイムボカン」について、村上隆は以上のような解説をしている。最後の言葉を、最後の言葉の一つ前の言葉の反復、その単調な繰り返しに貶めるメカニズムについて、もっと考えなければならないだろう。たとえばChim↑Pomが広島の上空に描いた「ピカッ」という文字は、その次に来るはずの「ドン」という最後の言葉の一つ前の言葉である(ピカドン)。しかし来たのは「ドン(死)」ではなく、周知のとおりの騒動である。ここで「ドン(死)」は二つに分割され、Chim↑Pomは、そのもう一つの意味で「ドン」されるほかなかったのである。
先の藤枝教授の非難を受けていた作品「タイムボカン」について、村上隆は以上のような解説をしている。最後の言葉を、最後の言葉の一つ前の言葉の反復、その単調な繰り返しに貶めるメカニズムについて、もっと考えなければならないだろう。たとえばChim↑Pomが広島の上空に描いた「ピカッ」という文字は、その次に来るはずの「ドン」という最後の言葉の一つ前の言葉である(ピカドン)。しかし来たのは「ドン(死)」ではなく、周知のとおりの騒動である。ここで「ドン(死)」は二つに分割され、Chim↑Pomは、そのもう一つの意味で「ドン」されるほかなかったのである。