2007年にロスアンジェルス現代美術館(LA MOCA)にて予定されている村上隆の回顧展は、かつての「スーパーフラット展」の時のような美術館付属のギャラリー(at the Pacific Design Center)ではなく、本館(GRAND AVENUE)での開催となる(はず)である。それは本当の意味で「回顧展」と呼ぶのに相応しい展観となるだろう。その本館で現在回顧されているジャン=ミシェル・バスキアのように、また村上隆もこれからはアート・ヒストリーの中で生き続けることになるのだ。それを「成功」と言わずして何と言うのだろうか。
なのにどうして今の村上隆は元気が無いのだろうか。彼は最近「もう終わった」とか「やっと消えてゆける」とか、そんなことばかり呟いているようだ。いったいどうしたというのだろうか。しかも「今は作品作る気ない」とまでアナウンスしているのである(『美術手帖』誌7月号)。これはただ事ではない。村上隆の中でいま、何かが終わろうとしているのだ。ゲームは終わり、もうリングには立てない。あたかもそれは『あしたのジョー』の最終回で、真っ白に燃え尽きていこうとする矢吹ジョーの姿を思わせるのだが...。
なのにどうして今の村上隆は元気が無いのだろうか。彼は最近「もう終わった」とか「やっと消えてゆける」とか、そんなことばかり呟いているようだ。いったいどうしたというのだろうか。しかも「今は作品作る気ない」とまでアナウンスしているのである(『美術手帖』誌7月号)。これはただ事ではない。村上隆の中でいま、何かが終わろうとしているのだ。ゲームは終わり、もうリングには立てない。あたかもそれは『あしたのジョー』の最終回で、真っ白に燃え尽きていこうとする矢吹ジョーの姿を思わせるのだが...。