孫が小学校に入った。桜が満開。
その時より一か月後、今度は、里桜が満開。
今日は、風が強いので、清掃の人は「掃いても掃いても桜の花びらが散るよ。」と笑いながら言った。その時、強い風が吹いて来て、大きな花びらが、たくさん散ってきた。まるで、宙に浮いているような、幻想的な感じ。
『放列』(Batterie)ジャン・コクトー[堀口大學 訳]
太陽よ、僕は君を崇める、
野蛮人のように、海岸に腹ばって。
太陽よ、君は自分の三色版(クロモ)に、
自分の果物籠に、自分の動物たちに、光沢をつける。
僕の肉体を鞣してくれ、塩漬にしてくれ、
僕の大きな苦悩を追い出してくれ。
歯の光るあの黒奴は、
外側は黒く、内側はばら色だ。
僕は内側が黒く、外側がばら色だ、
逆にしてくれ。
僕の体臭を、肌いろを変えてくれ、
ヒヤシンスを君が花に変えた流儀で。
蝉を松の木のてっぺんで怒鳴らせ、
僕にパン窯の匂いをつけてくれ。
正午、夜で一ぱいな立木は
夕暮、夜をあたりにこぼす。
太陽よ、アダムとイヴの蠎蛇よ、
僕に自分の悪夢をこぼさせてくれ。
僕を少しは慣らしてくれ、
可哀そうな友人ジャンが殺されてしまったことに。
富籤よ、賞品を陳列しろ、
花瓶だの、球だの、庖丁だの。
お前は自分のがらくたを、
野獣の上に、西インド諸島(アンチーユ)の上におっぴろげる。
当地では、最上等の品物を出してくれ、
僕らの目が悪くなっては困るから。
大口女の見世物小屋、びろうどと、
鏡とアルペジオ造りの曲芸館。
黄金車駆る藪医者奴、
荒療治、僕の悩みを抜いてくれ。
ああ、暑い! 正午だからさ。
自分でももう言う事の意味が解らぬ。
太陽よ! 月々の動物園よ、
僕の影はすでに僕の周囲にないぞ、
太陽よ、バファロー・ビルよ、バーノムよ、
阿片以上にお前は酔わせる。
お前は道化だ、闘牛士だ、
お前の時計の鎖は金だ。
お前は、赤道を、彼岸を相手に
拳闘する青い黒奴だ。
太陽よ、僕はお前のパンチを怺える。
僕の首へのお前の強打。
そのくせ僕はお前は好きだ、
太陽よ、気持のいい地獄よ。