カウンターの向こう側で調理された、刺身、白子ポン酢、白えびサラダ、きときとの肴を地酒と合わせて味わう。
今夜は、とりあえずビールはなしで…。
もろこしの天ぷら、カニクリームコロッケ、地だこのすり身揚げは、ボリュームたっぷりで美味しい。
最後に、バイ貝の炊き込みご飯をシメに、残った時間をのんびりと…。
そうだ。骨せんべい(穴子)は、ビールのアテにあってたな。次回もI'd like to make a reservation…で行きたい居酒屋。
やっぱり、この渓に来てしまう。東北自動車道道盛岡ICへのアクセスが良い。開けた渓相もストレスを感じさせない。そして、お昼は焼肉と冷麺を食べることができる都合の良いフィールドなのだが、釣り人が入渓し易いこともあり、時には厳しい釣りをさせられることがあるのが、玉に瑕だ。今回、入渓してすぐに、山女魚の幼魚が反応した。この渓は、確実に世代交代が繰り返され、この先も長く釣りが楽しめるだろう。iwameさんと先頭を交代しながら釣り上がるが、魚の反応は乏しい。堰堤の手前で、ようやく岩魚が毛鉤に出た。やっぱり、禁漁間近の魚は手ごわい。岩魚の顔を見たら、急にお腹が空いた。時計を見ると、既に昼を回っていた。口の中に爽やかな辛さの冷麺の味が蘇ってきた。
ちび山女魚が、元気に励ましてくれたが…。
倒木の流れの中から、今日の一番良い岩魚が出てくれた。
この魚を最後に退渓し、楽しみの冷麺と焼き肉が待つ盛岡の街へ…。
林道を歩くiwameさんの後ろ姿。
焼き肉のロースターの熱で火照った身体を冷麺が冷ましてくれる。こんな釣りメシも良いもんだ。
秋晴れの乾いた空気、そして、日差しを浴びて黄金色に染まった稲穂が、輝いていた。稲刈りが待ち遠しい季節だ。入漁券を買うため、立ち寄った旅館の人から、今夏は渇水状態が続いて、釣りにならなかったとのこと、数日前に恵みの雨が降って、釣りができるようになったらしい。渓に沿って続いている道には、車が数台止まっていた。退渓後に会った釣り人から、禁漁間近の土曜日なのに、釣り人の車が少ないと聞かされた。先週、雨が降った翌日は、この道沿いに連なって車が止まっていて、停める場所がなくて、釣りを諦めて帰ったと言うのだ。今日の釣りが厳しかったのは、雨で水位が上がり、魚の活性を待ち侘びた、多くの太公望が魚と愉しんだ、夢の跡だったからかも知れない。でも、釣れないのは、釣りが下手だからなんだろうな。乾いた秋の空気の渓を遡行しからだろう、急にビールが恋しくなった。
こんなによい日和なのに魚の気配が感じられない。
秋の草花が目につく。間もなく、この渓も禁漁をむかえる。
iwameさんも苦戦しているようだ。
今日の釣りメシは、冷やし中華とおにぎりにきんぴらでさっぱりと…。
頑張って、釣り上がって来たが、そろそろ退渓の時間が来た。帰りは、かってあった道の踏み跡をたどり、藪をこいで車に戻ってきた。空を見上げると秋空が広がっていた。
ススキの穂を揺らしながら、爽やかな秋風が頬を撫でていった。今日は中秋の名月、十五夜だ。海釣りでは、満月の時は、釣れないという。渓流釣りに限っては、そんな事はないだろうと思いたいが、魚信がないと、こんないわれを信じてしまいそうだ。閉伊川の支流のこの溪には、6月にも入渓し、実績があったはずなのに、夏が過ぎ、秋風が吹く禁漁直近の季節なのか、流れは静かなものだ。それでも、小さな流れ込みで岩魚が毛鉤に反応してくれた。その後は、ここぞという場所に毛鉤を流しても、水面は何も変わることなく、毛鉤だけが流れ、出るのはため息だけだった。川辺に腰を下ろし、爽やかな風を感じたら、お腹が空いた。食欲の秋…。
清らかな水面は秋の日差しにキラキラと輝いていた。渓にいるだけで心地良いが、小さい岩魚がかまってくれたら、なお嬉しい。
今日の釣りメシは、いつもの鶏そぼろ弁当とポテトサラダとレタスのサラダでヘルシーに。
大堰堤の落ち込みを釣るiwameさん。
このポイントならと狙いをつけて、毛鉤を落とすと、精悍な雄山女魚が…。
中央の白い泡の脇から毛鉤に食いついた。今日はこの辺りで納竿としよう。あとは、今宵の宿に向かうだけだ。
今宵も東北の日本酒にめぐり合い、美味い肴に舌鼓をうつ。ほろ酔い気分で、夜空を見上げると、十五夜の月が明るく帰り道を照らしてくれていた。