旧暦の六月を水無月(みなづき)と呼んでいたが、現在も六月の別名として用いている。
水無月の由来には諸説あるが、梅雨時の新暦の六月の異称として用いられるようになってからは「梅雨
で天に水が無くなる月」 「田植えで水が必要となる月(水月:すいげつ)」といった解釈もされる。
旧暦の六月は新暦の七月にあたり梅雨明けの暑い頃である。
暑い日が続くことから常夏月(とこなつづき)、照りつける夏の太陽或いは夏のことを炎陽(えんよう)とい
うことから炎陽の別称もある。 旦月(たんげつ)の別称は旦(昇る太陽)が由来か。
また暑い気候ともなれば風が待ち遠しいことから風待月(かぜまちづき)と呼ばれる。
また「かぜまちづき」の順番を入れ替え「まちかぜづき」から松風月(まつかぜづき)とも呼ばれる。
弥涼暮月(いすずくれづき)、涼暮月(すずくれづき)の由来は定かではないが、日中の暑さから暮れな
ずむころ涼を求める様が連想される呼び名である。
梅雨明けの頃は雷様がつきもの。よって鳴雷月・鳴神月(なるかみづき)の別名もある。
蝉の大合唱が聞かれる頃で、蝉羽月(せみのはづき)と呼ばれる。
春から初夏の間、稲作に関する田んぼの作業が無いので田無月(たなしづき)と呼ばれる。
建未月(けんびげつ)と呼ばれるが、その由来は「建」は北斗七星の柄のことで旧暦の六月は「未」
の方角に向くことである。未月(びげつ)とも呼ばれるが、関連がありそう。
ところで「未」の方角は南南西のこと。蛇足であるが「建」は「おざす」と読み尾指すの意味である。
また尾は北斗七星の柄の部分を意味し、柄の方の3つの星を「斗柄}と呼ぶ。
夏至の頃この斗柄がさす方角は時刻を午前零時に固定すると真上つまり真南である。
伏月(ふくげつ)の別称もあるが、「伏」は夏の最も暑い時期を意味する。
4月から6月が夏であり、初・盛・晩の3番目の月から晩月(ばんげつ)と呼ばれる。また晩夏(ばんか)
とも呼ばれる。