好決算・上方修正含みの日本株、シクリカルグロース優位に-BofA
我妻綾
2023年11月16日 16:52 JST ブルームバーグ
日本企業の第2四半期決算は好調だったと評価したBofA証券では、進捗(しんちょく)率の高さや為替想定から判断すると会社側の通期計画は保守的で、上方修正含みとみている。製造業サイクルに底打ち感も見える中、当面の日本株市場では景気に敏感な成長株「シクリカルグロース」が優位となり、外部環境次第では年末ラリーもあり得ると予想した。
業績
ストラテジストの圷正嗣氏とトニー・リン氏は15日のリポートで、東証株価指数(TOPIX)2、3月決算企業の2Q純利益は16.5%増(ソフトバンクグループ除く)と2桁増益を達成し、価格転嫁、円安、原材料安によりマージンも全般的に改善したと分析した
供給制約が解消されつつある輸送用機器、銀行など金融業が全体をけん引
通期会社計画は純利益で7.1%上方修正されたが、依然保守的な公算、進捗(しんちょく)率も51.9%と50%を超過
為替想定の1ドル=136.8円、1ユーロ=146円は実勢に対し大幅に円高(16日午後4時30分時点では151円40銭、164円09銭)
バリュエーション・外部環境
業績予想リビジョンに連動する株価収益率(PER)はレンジ中央の14倍を下回り、復元余地がある
外部環境では、決算悪化業種は主に中国経済の悪化に由来しているが、中国経済の短期サイクルは底打ち局面のように見える
米国は10月の消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、「逆CPIショック」が発生、ここまでの米金利上昇はターププレミアム急騰により説明され、日本株PERの抑圧要因となってきたが、今後は好調な業績を織り込みやすくなろう
投資戦略
PERが今年のピークである14.5倍に上昇した場合、同証の年末ターゲットであるTOPIX2500ポイント、日経平均株価3万4500円が視野に入り、外部環境次第で年末ラリーもあり得る
バリュー株だけでなく、シクリカルグロース銘柄をポートフォリオに加えるのが順当、製造業サイクルに底打ち感が台頭していることも追い風
当面は大型外需株が優位、内需銘柄や中小型株は来年の春闘前後からパフォーマンスが改善すると想定
自社株買い件数は2009年度以降の最高水準を記録、日本取引所グループの株価純資産倍率(PBR)改革やインフレが企業の意識改革につながっている
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