宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

三島喜美代 未来への記憶展  @練馬区立美術館

2024-06-23 16:14:20 | 美術
 
NHK日美アートシーンで紹介された展覧会。新聞紙や缶を陶土で作るというユニークな作品展です。1932年生まれの女性芸術家です。
インタビューもとても好感が持てる方でした。
とても興味を持ちましたので雨の日にも拘らず、早速出かけました。

初期の作品は抽象画やコラージュ油彩画の作品が多かったです。

60歳ころにシルクスクリーンで印刷物の文字を陶に転写して焼成する立体作品を作られるようになりました。全く新しい発想です。

陶土による新聞や空き缶、広告チラシ、段ボール箱などが並べられています。ゴミ箱内の空き缶は圧巻です。リアルなのですがよく見ると陶製なのです。つまりこれらはすべて割れる作品。

実際に空き缶作品に触ってみられる所もありましたが、ちゃんと陶土の重みがありました。飲み口を覗くと空っぽです。正に空き缶。
新聞紙も折り曲げられていますが陶製・・・そして段ボール箱にもびっくりしました。
これ等の作品は海外でも評判になったそうです。


そして最後にはこれまたすごいインスタレーション作品があります。「20世紀の記憶」と題して、部屋いっぱいに耐火煉瓦ブロックがぎっしり並べられていてそのレンガ一つ一つに100年間のおもだった新聞記事が転写されています。


このような作品群を今まで見たことがありませんでした。どうやって作るのか想像もできません。
三島氏は美術学校を出た方でもなく、発想力で次々に素晴らしい作品が出来上がったのです。
とにかく初めて見るびっくりするものばかりで、実物を見られて本当によかったです。
コメント
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