今日娘と一緒に見に行きました。娘は茶道はしていませんが、私は映画館に一人で行くのも嫌だったので誘いました。ウィークデイにもかかわらず大勢見に来ておられましたが、年配の女性が大部分です。かく言う私もそうですけど。なんだか研究会の集まりの感じです。
茶道をしている人にとっては話題作です。原作もだいぶ前に面白く読みました。
映画では表流で、帛紗の捌き方や、茶筅通し、歩数など裏流とは違っていて初めはその違いに興味津々で、抹茶の点て方も違うのでお点前に注目しながら見ていました。
入門したての主人公役も流石女優さん、だんだん上手になっていきます。
先生役の樹木希林さんはどっしりと落ち着いた茶道の先生。風格があります。指導する姿も本当の稽古場のようです。新入りの生徒さんから度々「何故こうするのですか」との質問も「あらどうかしら?そう決まっているからそうするのよ」「頭で点てるのではなく、手で点てるの」と困った表情が自然で、流石大女優です。話される時心なしか ちょっと息がはずんで苦しそうな気もしました。多分この頃は体調もあまりよくなかったのでは…でも着物をキチンと着て、背筋も伸ばしてお濃茶を点てるシーンなどはそんなことを微塵も感じさせなく感動しました。
お茶事の時に先生は「一期一会の気持ちでやりましょう」と生徒さんに云われます。
優秀な生徒さんが主人公に「利休さんの時代は戦で明日をも知れぬ命なので一期一会だったのね」と言います。
主人公はその言葉をかみしめていたのに、折角お父さんが電話で「近くに来たから寄っても良いか」と聞いてきた時「今から出かけるから」と断ってしまいました。なんとそのお父さんがその後割とすぐに急逝してしまいます。
後悔しますが、まさに一期一会を逸してしまった・・・
大学生から何となく茶道を習い始めた主人公もいろいろ人生をしながらもずっと茶道を続けていきます。
その都度その都度茶道に救われていたのでは・・・・
四季の移り変わりの自然描写、点前道具の変化なども織り交ぜて、あの原作をうまく映画化されていると思いました。
茶道をしている私にはとっても楽しかった映画です。