宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

雪村展 奇想の誕生 @東京芸大美術館

2017-03-30 12:28:02 | 美術
展覧会のチラシには「ゆきむら」でなく「せっそん」です・・・・というただし書きがあります。

雪が付く画家というと雪舟・・・雪村は雪舟の弟子ではなさそうです。雪舟は1420年生まれ、雪村はそれから70年ほど後に生まれていますし、雪舟は西国で、雪村は東国で活躍。接点はないようです。しかし雪村は雪舟を強く意識していたそうです。

天の龍に向かって水瓶から龍の子を吹き出す呂洞賓仙人、3本足の蝦蟇と向き合っている蝦蟇仙人、空を飛ぶ列子仙人、眠りから覚めて欠伸をしているような布袋様など、奇想を感じさせる画です。

そのほか、山水図・瀟湘八景図、植物・虫、鳥。猿・虎の絵もあります。殆どが墨絵ですが色彩があるものもほんの僅かあります。

そしてお釜も一つ展示されていました。

《古天明十王口釜》です。口造りが十王様の帽子の形で、釜正面には「方丈」裏には「得月 雪村筆」という文字があるお釜です。

中国の絵画を真似した題材が多く、以後雪村の画を真似して尾形光琳や狩野派の画家が同じ題材で絵を描いています。

雪村は仙人になりたかったようで、仙人の画は動的で、ユーモアのある面白みのある絵でした。
コメント
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