白雲去来

蜷川正大の日々是口実

山頭火と漬物。

2014-10-28 11:17:11 | インポート

十月二十七(月)晴れ。

考えてみると、いや考えなくても最近歩いていない。先週、一日だけ一時間ほど歩いただけで、今月はその一回だけだと思い、朝食後に意を決して、いやそれほど大げさなことではないがジョギングシューズに履き替えて街へ出た。商店街が好きなので京急の弘明寺商店街を通るコースを選んだ。

月曜日の昼間とあって、商店街もまだのんびりとした空気が漂っている。惣菜のお店に美味しそうな白菜漬けがあったので一瞬、買おうかとも思ったが、おしんこを下げてのウォーキングもダサイのであきらめた。そのまま歩いて事務所まで行こうと思ったがさすがに往復の歩きはキツイので、ぴったり一時間歩いた所で、ちょうど自宅の近くを通るバスがきたので、それに乗って帰宅。

漬物と言えば、先日購入した嵐山光三郎の「文人御馳走帖」(新潮文庫)の中に、山頭火の「漬物の味」という文章があった。「私は長いあいだ漬物の味を知らなかった。ようやく近頃になって漬物はうまいなあとしみじみ味うている。清新そのものともいいたい白菜の塩漬もうれしいが、鼈甲のような大根の味噌漬もわるくない。辛子菜の香味、茄子の色彩、胡瓜の快活、糸菜の優美、しかし私はどちらかといえば、粕漬の濃厚よりも浅漬の淡白を好いている。
 よい女房は亭主の膳にうまい潰物を絶やさない。私は断言しよう、まずい漬物を食べさせる彼女は必らずよくない妻君だ!山のもの海のもの、どんな御馳走があっても、最後の点晴はおいしい漬物の一皿でなければならない。漬物の味が解らないかぎり、彼は全き日本人ではあり得ないと思う。そしてまた私は考える。漬物と俳句との間には一味相通ずるところの或る物があることを」。山頭火がまだ放浪の旅に出る前の時代の話だ。

夜は、月に一度の町内の人たちとの懇親会をラーメン店の「たつ屋」にて行った。新しいご夫妻を交えて一時間ほど飲んでから解散。

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