四月二十七日(日)晴れ。
週刊新潮の五月一日号の数学者、藤原正彦さんのコラム「管言妄語」が出色である。「西欧の壮大な失敗」と題した文章は、東北復興や東京オリンピックがらみで、労働力の不足から、政府は外国人労働者の大幅受け入れ拡大を決めたことを痛烈に批判している。要点を挙げると、
①、単純労働者の移入は、国内の非熟練労働者の職をいずれ奪うことになる。そうならないために、また人権上の見地から移民に対する労働条件や社会保障を整えようとすれば、財政負担が増える。
②、彼らの滞在が長引けば家族を呼び寄せ、住宅問題や、日本語の出来ない子供たちが通う学校の問題もある。
③、稼いだ金の多くは本国に送金するから、経済の活性化にはつながらない。また日本の労働者の賃金も需要と供給の関係で低下するのでデフレ要因となる。
④、ヨーロッパに例をとっても、移民は、やがて家族を呼び寄せ、様々な手段を用いて帰国せずに定着した。言語、宗教、習慣などの違いから特定地域に固まる。景気が悪くなればまっさきにクビになるから社会的底辺層を形成し、居住地はスラム化し犯罪も多くなる。
差別への鬱憤から、2005年のロンドン同時爆破やパリ郊外暴動など大規模な騒乱を起こしたことは記憶に新しい。ドイツのメルケル首相はじめ各国の首脳が、これまでの移民政策は「誤り」とほぼ異口同音に言っている。移民を受け入れることよりも、現在、260万人の完全失業者や1900万人の非正規雇用者への対策が必要。その人たちに適正な賃金さへ支払えば若者を中心として多くが土木建設業や介護に向かうだろう。結果、安心して結婚して子育てにも取り組めるので少子化へのブレーキにもなる。藤原氏は、「移民政策」とは、とどのつまり、財界主導の「経費節減対策」とまで言っている。まだ書店にあるのなら、是非、ご一読をお願いしたい。
夕方に、家族で松原商店街へ夕食の買い物。割合に良い「カツオ」があったので即購入。夜が待ちどおしい私でした。