桜乃記-さくらのき-

九州に住む、しがない若手サラリーマンが書きつらねた現代の随筆。
日本名刺研究会(会員数2名)の代表でもあります。

十人組手

2007-04-23 | スポーツ
十人組手。

それはフルコンタクトの空手家が黒帯になるのに、避けて通れない試練です。
昇段試験の一部として課され、最大の鬼門となります。

うちの流派の場合は、昇段受験者は1分×10ラウンドの組手を行います。

条件がよければ、相手役の黒帯、茶帯も10人揃います。
つまり受験者は、生きのよい10人と1分ずつ連続して闘わなければならないのです。

当然のことですが、後の方になるとスタミナも切れてくる上に、ダメージも蓄積するので動けなくなってきます。


今回僕は、昇級、昇段を受験する選手達の応援に行ってきたのです。


さて、昇段には他支部の若い女性も挑戦していました。
さすがに茶帯、体も柔らかくて蹴りがメチャクチャに上手い。

「始めー!」
審判の号令でついに十人組手スタートです。

3人目...
4人目...
5人目...

人数を重ねるごとに、彼女の動きがだんだん落ちてきます。
それに対し、怒濤の攻めを見せる相手選手達。

「まだ大丈夫だ、がんばれー!!」
僕は心の中で必死に叫びました。

声に出すと、それと同時に涙までこぼれ落ちそうだったからです。

8人目...
9人目...

明らかに苦悶の表情で、もう見ていられません。

そしてラスト10人目。
気力を振り絞り、前蹴り、ハイキックなどで見事に応戦します。

ここでタイムアップ。
見事に十人組手を成し遂げました!

よ、よかった~(T_T)


さて、休む間もなく次はうちの道場の男の先輩が挑戦でした。

やはり重量級の闘いだけあって、迫力がすごい。

バシバシ!
ゴフゴフ!

しかしやはり、人数を経るごとに動けなくなってきます。
相手役の茶帯、黒帯も猛者ばかり。

「ファ、ファイト~!!」
また泣き出しそうになりながらも、僕は応援していました。

そして10人目も闘い、見事完遂!
汗まみれの道着が、闘いの激しさを物語っていました。


いやはや、無事に済んで本当に良かったです。


黒帯の重さを実感した一日となりました。


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