スカーレット手帖

機嫌のいい観客

鯨井康介くんのこと

2016-07-20 | この人のこと

まんまとお誕生日です

鯨井 康介(くじらい こうすけ)
生年月日:1987年7月20日
身長:178cm
血液型:B型
出身:埼玉県
所属:プロダクション尾木
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(2016年7月時点)


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例えばわかりやすく対比するならば、
彼と同時期にテニミュにて同じ青学をやっていた城田優という俳優は、今帝国劇場でメインを張っていたりするのだが、
彼が舞台上手から現れ下手に向かってゆるりと歩みを進めながら客席を見つめるのに応じて、
その視界の範囲に捉えた最上手席から下手席に向かって座っている客がドミノだおし式に順番に死んでいく、
という、一網打尽方式の狩猟スタイルを持つ色男である。
加えてウインクなどした場合には、一族郎党がただちに安らかな眠りにつけるほどだ。

それに比べて鯨井氏は、
「1階E列24番」を狙い撃ちにするタイプのスナイパーである。
彼はまず、登場した瞬間に、「1階E列24番」の額の中心にパチンコ玉を当ててくる。
その後、同じ場所にとどめのごとくダーツの矢をすごい勢いでぶっ刺す。
そのようにして「1階E列24番」の視点を『鯨井固定』させたのち、
「1階E列24番」の肩口をトカレフでパンパンと打ってゆさぶり、
脛に長槍で傷をつけて立ち上がること能わず状態にした上で、
いよいよクライマックス、「1階E列24番」の心臓めがけて至近距離から短刀を差し込む。
そして最後の仕上げに腹のなかに時限爆弾をぶち込まれた状態で
「1階E列24番」は帰宅することになる。
嗚呼「1階E列24番」のダメージいかほどか。
帰宅後も弾け続ける鯨井爆弾、おそろしいことである。
その比類なき恐怖と力を周りに語らずにはいられない。
しかし周りにはその攻撃は行われておらず、彼女ひとりがその真髄を知るのみである。
そして繰り返される彼女の熱烈かつ迫真の解説によってひたひたじわじわと広がる鯨井殺法…

こわいな〜やだな〜こわいな〜



のっけから客席の殺し方のお話で失礼つかまつる。
あるいは長年の鯨井ファンからはこの見方、大きな「NO」をくらう可能性も高いが、
大変申し訳ない。鯨井康介氏、私は2016年に突入するまで、彼のことがざっくりとしか見えていなかった。
ただやはり名前は特徴的であるため、
若手俳優オタクの基礎練習としてのWikipedia巡り・WEBパトロールは過去に幾度も行い、
しかもなんなら何作か出演作は見ていたし、脇役で渋い演技をするのも見届けていたのだ。

それでもミーハーな私らしく、ようやく鯨井くん単焦点でカチリと視点があったのは、
この春の「舞台弱虫ペダル」のことだった。
ちなみに、「この人のこと」をいろいろ書いてきたが、
弱ペダを通じて唯一無二の部分が見えてくる人というのはとても多い気がする。
「舞台弱虫ペダル」、あらゆる若手俳優の魅力解像度向上装置としてものすごい威力を果たしているコンテンツだと思うぞ。
私自分の思い入れも相当強いからという気も存分にするが。
今後もテニミュと両輪で、極力シリーズの進行を見つめ続けさせていただく。


で、鯨井康介に焦点が合ってしまった私だが、
その感想としては、ひとことで集約すると「てえへんだ」である。
とてもやばいことになる、と思った。

しかもそのやばさといったら、
「南部鉄器最後の後継者」とか「江戸流和金の平成唯一の飼育者」とかに
惚れてしまったときのようなタチの悪さを感じたのであった。
すなわち、何かと言うと、「職人」に惚れる心境である。
※職人の例はめっちゃくちゃイメージです。

職人は厄介だよ。
職人に惚れると、彼と私が主体−客体の存在ではなく、
どちらかというとその職人が何を極めようとしているのか、寄り添いたい気持ちになる。
なぜならば、彼が興味があるのは私ではなく研究対象物だからである。
俗なものを持ち込んではいけない気持ちになる。
道を極めようとしている人はその求道の精神が美しいのであるからして、
俗人が邪魔をしてはいけないではないか。
そして、職人が極めようとしている対象物を後方から一生懸命眺めるような、
最終的に誰よりも尊い修行者のようになってしまう。


さて、例えにつぐ例えで、自分が一体何を言いたいのかどんどん分からなくなってきているのだが、
とにかくスナイパー俳優職人にロックオンされた私のビジョンにはこの春以降鯨井ズームが搭載された。
弱虫ペダルの次作「ナミヤ雑貨店の奇蹟」そして次次作「bare」をまんまと見に行ったのだが、これはやばい。

舞台上の彼は際立って美しいではないか。

この人はまず、頭身がおかしい。
まあそのことには弱虫ペダルの時に気がついていたのだが、頭が小さく脚が美しすぎる。
スタイルに見とれてしまう。でも決して非現実的なたたずまいではなく、ちゃんと生きている人間を感じる。
そして発声がとてもしっかりしているので、身動きするたびに光を振りまくかのごとくである。
直近のbareでは学校一のイケメンという設定であったが、
舞台に出てきた瞬間、制服を着崩して尚決まるその容姿のフォルムと振る舞いの完璧さに、本当に
「ハアァ〜どんな女も一旦は惚れる」という気持ちでブンブンと首肯したほどである。
いや逆にこの華をどうやって隠していたのか、そちらの技法を小一時間ほど問いただしたい気持ちでいっぱいである。
脇のときにはスッと引けるのだし、前に出るときには風呂敷をこれでもか、どひゃーと広げられるのだし、このバランス感覚は本当に職人だ。
鯨井くんは日本舞踊の素養があるということで、そうか、こういうところからもなんだか職人性を感じるのだろうな、と思う。
あとは、声優などの仕事のイメージも職人感を強めている気がする。
そして、本領は芝居だ。すごくうまい。ここまでの3本、作風がどれも違う中で、とりあえず毎回泣かされている。
しかもあまり意識していない時代もデスティニーの役とかよかったなという記憶があるくらいだ。
そして本人が芝居を好きなのはよくわかる。
ただ啖呵を切る際の音色に若干、平泉成を感じることもある。おもしろい。
彼は多分、このキャリアの長さからいうとまあ本当に数々のいろんな仕事をやってきたので
何を今更だと思うが、私はことごとく見逃しているので、朗読劇などでじっくり見せていただきたい。

あと特筆すべきは文章がうまい。
若いときからのブログの痕跡が残っているが、読み込んでしまう。
最近のSNSでも簡潔におもしろい。無駄なことを書いていないのにユーモアがある。
おそらくとても頭がいいんだろうと思う。
そしてそれと関連するのか、人との距離感がすばらしくよい気がする。
男性はもちろん、女性共演者とも自然な距離感で慕われている様子がよくわかる。
人生経験が同世代の1.8倍ぐらいあるのではないか。
職人かつ溢れ出る人間味。恐ろしいハイブリット機能の持ち主だ。このやろう、今後も見るしかない人ではないか。



ちなみに、毎回思うのだが、
このようにいきなり魅力に気づくとなぜ前回まで自分の視野に靄がかかっていたのか、
その時に戻って己を全力で張り倒したい気持ちになる。
ほんとうにまあ、このことについてはオタクの道を分け入り進めば進むほどに
毎度デジャヴのように起こる事象である。
「いきなり恋してしまったよ 夏の日の君に」(夏の日の1993)といったような
突然の助平丸出しになるよ。

しかし人生とは総じてそういうことなのかもしれず、実はほとんどのことには靄がかかっているのだろう。
今見えているものも、そのうちに靄がかかってしまうかもしれないのだ。
そして、視界だけではなくて記憶にもどんどん靄は立ち込める。
今見えているものも今感じて考えているものも、絶対にこれは重要だと思っているものも、
だいたい気づけばうっかり遠く、靄の中にある。
このまとめの段階に入って突然の文学的表現はなにゆえ、といった感じだが、
これは最近会社の引越しで重要書類をダンボールに詰めたら、蓋を開けないまま数ヶ月難なく乗り切ったことがあり、
「ああ、人間は見えないといらなくなるんだな」としみじみ思ったわけである。
そういうわけで、是非焦点があっているうちに、好きな自覚があるうちに、
むしろ意識のあるうちに、様々なものを見届けに行く必要がある。
見つけたその日が見に行くべき日ということであろう。

ということで、鯨井康介さん29歳のお誕生日おめでとうございます。

太田基裕くんのこと

2016-07-14 | この人のこと

太田の時代がくるぞ

太田 基裕(おおた もとひろ)
生年月日:1987年1月29日
身長:178cm
血液型:A型
出身:東京都
所属:株式会社アバンセ
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(2016年7月時点)


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女子の15歳のピチピチフレッシュ感は男子の20歳に通ずるものあり。
女子の20歳の無敵感は男子の25歳に通ずるものあり。
女子の25歳のピーク感は男子の30歳に通ずるものあり。

女は早熟だが、その勢いに乗って、心身ともにあらゆる過渡期は早めにやってくる。
25を超えた女子は、ゆるやかな世の中の強制力で「おとな(女)」というものにシフトしていって、
仕事、結婚、出産、生活、それぞれ
「やりようと目的は人それぞれだけど、なんかそろそろマジでかからねばならない」
というフェーズに入っていく。(と実体験も交えて思う。)

男はもう少しあとだ。問題は30だ。
女より5年「遅い」のか、5年「猶予がある」のか。そこらへんものは言いようという感じだが、
まあまあとにかく男子は30まではいかようにしていてもヨシ、少年でいてもやむなし、ざっくりそのような認識だ。

逆に、30からどのようにブーストをかけて本格的にふかしていくのか、男の生きざまを見たくなる。
見てどうするのか、と言われるだろうが見たいのだ。私はまあまあ暇なのだ。
30過ぎて男の人が自分の人生のハンドルを握っていなさそうな様を感じるとやや幻滅する、とも言える。


そんな勝手にキー年齢・30歳を目前に、
地道に用意してきたパズルが突如として揃いだす予感がするのが太田基裕だ。
2016年夏、リーチがいっぱい揃ったビンゴカードを握りしめる男、
今回はそんな太田くんについて、考えを述べたいと思います。

私が初めて太田くんの存在を認知したのは弱虫ペダル初演時のお知らせだったと思うが、
当時(2012年冒頭)の私はまだ舞台系若手俳優の世界の扉を開いたばかりで、
若い男子の個体識別能力が著しく低く、
とりあえず現役テニミュメンバーを覚えることで必死だったため、直近のOBである彼については
実のところ、特徴がよくわかっていなかった。
その後、2013年4月〜「あまちゃん」の北三陸観光協会に置いてあるうちわの人、として
顔面イメージだけを結構な頻度で接触した後(※)、
その夏から劇場で観始めたペダステインハイ編以降、定期的に活躍をチェックする中の一人になった。
※NHKのバラエティ番組「祝女」の中のユニット「無限男子」のうちわが小道具として置いてあったのです 
 暇と録画がある人はご覧ください 結構映っています

それから3年。
弱虫ペダルシリーズをはじめとして、つかず離れず彼の活躍の様子を観てきた。

正直に言うと、彼、太田基裕は、当初このような印象の人であった。

・綺麗で感じのいいお兄さん、だが整いすぎて味がみえない
・背は高くて小顔だけど線が細い
・モデルでもない、ダンサーでもない、演技めちゃうまなわけでもない、歌手でもない
・ただし『特に欠けたところもない』

この、突出したところはないけど平均点は高め、というパーソナリティ、
フレッシュさの中にもキラリと光る一点突破の魅力、または
ある種の「未熟さ」を愛でたくなるのが主流の若手俳優のファンの中では、
幾分か地味な立ち位置な気がしていた。
好きな人は好き、な「閉じた」タイプの人気といいますかね。

ただ、そんな太田氏、若手俳優の中でもSNS支持率が高い。
積極的に共演者とのやりとりを発信しては、ファンにがっつり刺さっている。
ただ、あまり強いポリシーや抱負を述べてファンを引きつけたり、ヒヤヒヤさせたりするタイプではなく、
たわいもない、日常的なふわふわしたことをつぶやいている。
そして、そんなふわふわした姿勢を含めて潜在ファンがそこそこついている。

そんな言動をしばらく見つめているうちに、だんだんわかってきた。
彼の魅力のコアは、「目元から薫るタイプの、隠しきれない育ちの良さ」である。
表情や立ち居振る舞いからも、本来的に育ちがいいのが隠せていないように思う。
笑顔でできる目尻のシワの中に、「品」が幾重にも織り込まれている。
金持ち!とかそういうのじゃなくて、ふつうに、しっかりした家庭で大事に育てられたタイプの、育ちの良さである。
言動が多少不明な時があったとしても、基本的には満たされた、安定した、そして真面目な人格なのだろうことが窺い知れる。
実際、舞台の上でも育ちのよさそうな役との合致感がすごくいい。本人に近い物があるからだろう。
この「にじみ出る、育ちの良さ」は、地味ながらも今後長年にわたって生きる強力な武器になるだろう。

そしてもう一つのギフトは、「ナチュラルに綺麗」である。
綺麗で特徴がない、を逆手にとった、「ひたすらに綺麗」な男性であるということ。
顔が小さく手足が長く、化粧も映える女顔なので女形もいける。
この分野では、割と同世代の中でも無双なのではないか。
マグダラなマリアシリーズなどで女性の格好をした際のSNSの拡散力は素晴らしかった。
本人もよくわかっているのだろう。

その一方、毎度新しく作品を観に行くたびにどんどん声が出るようになっているのは、
実務の中での地道な訓練の積み重ねを感じる。
根本的に、訓練して会得するのが身についているタイプの人間なのだろう。
ここにも教育が行き届いている家庭の存在を感じずにはいられない。

2.5次元ジャンルの隆盛の中、波に乗っていろんな作品を実体化させ、
細々とした客演もこなし、月1回レベルの勢いで新しい作品に出続け、
そのようにここ数年せっせと貯めたリーチがここにきてビンゴ待ち状態になってきた2016年夏、太田基裕は辿り着いた。
東宝作品「ジャージーボーイズ」日本初演キャスト。場所はシアタークリエであります。
しかも、何気に番手が準主役級である。
品の良さとしなやかさ、その2大魅力がハイブリッドで迫り来て、舞台上で連日確変を起こしている。
スパークする魅力。すばらしい。
歌も芝居も、芯が見えてきて、そのまっすぐさが心地よい人である。


冒頭で男は30だという話をしたのだが、なんだろう、太田くんを見ていると、
「若手社会人の、会社での戦い抜き方」みたいなものを感じる気もするのだ。
いつもの俳優陣を応援する気持ちとは、似ているようで少し違う。
同世代として発奮させられる気分になる、ということだ。彼の生き方は、大いに参考になる。

大博打は打たない(いや打ってるのかもしんない、ほんとはオーディションとか受けてるのかもしれない わからんけども)ながら、
自分が求められる場にはしっかり細かく応え、とにかく打席に出て行く、そしてバットを振っていく、
その中で経験を積んで人脈を広げて、能力を少しずつ開花させていく。
多分、くさりたくなる仕事もタイミングもあっただろうが、一個ずつ片付けていく。
そうして数をこなすうちにいつのまにか少しずつ、仕事のボトムラインをあげて行く。
自分の魅力を生かせる可能性の糸を、どんどん太い綱に練り上げていく。
いやはや、そのような着々としたところがすごい。そのような働き方ができるのも、育ちがいいからだろう。
(何を言っても今回はこの結論に結びつける予定だということがひしひしと伝わっているでしょうがその通りだ)

真面目である。顔の綺麗な人というのは基本的にあまり人情を感じられないものだが(ひどい)、
情の有無はともかく、努力の積み上げの姿勢に人間味を感じるひとだな、というふうに思う。


芸能は水物、人気は株式市場動向みたいなところがあると思うが、
太田基裕、彼は完全に今「買い」でしかない男である。
この後は梅芸作品、そして新国立での主演も控える。
いま見つめ始めたら最後、
ここから先しばらく連発されるであろう爽快なビンゴを、身内の気持ちで寄り添いながら見届けることができるだろう。
You can't take your eyes off of Motohiro Ota.


ということで、
そんな太田くんは2016年7月いっぱいシアタークリエの舞台でお待ちになっているので、
とにかくみんな、一刻も早く有楽町に行ってほしい。ジャストナウ。

高杉真宙くんのこと

2014-11-11 | この人のこと

これ+1才ぐらいの時に演じてほしい

高杉 真宙(たかすぎ まひろ)
生年月日:1996年7月4日
身長:170cm
血液型:A型
出身:福岡県
所属:スパイスパワー
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(2014年11月時点)


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久しぶりに書きます。
2014年活躍著しい18才の彼、高杉真宙くんのことです。
ほんとうは里見八犬伝観に行く前に書きたかったのですが、顔がぬれて力が出なかったので今になったよ、アンパンマン。
彼については、ネット上の言い回しを借りるなら、
「まひろキュンに実写版天沢聖司くんを演ってほしいだけの人生だった」
まさにこれですね。

私が高杉真宙くんに気づいたのは、2012年のことでした。
マイフェイバリット大河ドラマこと「平清盛」に出演されていたのが初見でした。
加藤浩次演じる、松ケン清盛の竹馬の友の海賊・兎丸の愛息「子兎丸」の役で、最終回ラストシーンでは
清盛の原点である冒険心を受け継ぐものとして、船に乗り雄叫びをあげている彼の姿でお話が締めくくられていたような気がします。
(うろ覚え←せめて確認してから書いた方がいいけどもういいや書いちゃうこういうの思い込みが大事だとアタシ思うの)

大河での出番はさほどなかったような気がしますが、少ないシーンでも清廉なたたずまいは印象的で、
キュルルン可愛い前髪系ティーン男子が大勢の中、雰囲気のある、明らかな差別化が出来る子がでてきたなぁ
と思った次第でした。
と、それと同時くらいのタイミングで、初演の日テレ系「里見八犬伝」に村井くんの弟役で出演しているのを見届けました。
特徴的な名前ですぐ目に入り、
おっ、この子は舞台もやるんだなあ、改めて見るとスッとした顔しているなあと思ったりしました。
房八、なんですぐに死んでしもたん…

その後、ファブリーズのCMでおなじみになりつつ、
なんといっても仮面ライダー鎧武での1年間に及ぶ屈折した弟分「ミッチ」(呉島光実)役で
我々の心をつかんで離さない人物になったのではないでしょうか。
ミッチ、良い役でしたね。

兄さんスゴい、マジでヤバい、小僧の愛憎日々是倍増
マジ抜け出したい兄さんの支配
狂い出してるぜ俺らの世界
先輩メーン突然変身 興味津々俺もまた変身
いつか掴むぜ女と果実
だけどヤツに勝てないそうこれ事実
仲間も家族も雲散霧消
今こそ名乗らん俺が悪の大将 YEAH~~~ MEEEEEN


と、なぜかラップ調で説明してしまいましたが、
すったもんだまみれのかわいそうなミッチを、1年にわたってすばらしい一重まぶたのまなざしで演じてくれました。
鎧武、面白かったです。

余談ですが、羽生結弦くんにどうしたって似ているよなあ、と思いながら観ていたのですが、
イケメン誌のインタビューで、兄役を演じていた久保田悠来さんが
(ちょうどオリンピックの時期だったので)「真宙に羽生くんのマネをさせて楽しんでいた」
というトークを繰り広げているのを聞いて、
さもありなん、さすが兄さん私たちのほしがりポイントを把握していらっしゃるなあ と思った次第でした。

10代の、「子役」とも「俳優」ともつかぬゆらぎの時期を生々しく見せつけてくれる演者さんは本当にすてきだ。
そして、その不安定な若さだけで十分に魅力的だというのに、やっぱり高杉くん、いいえ、まひろキュンは際立った清々しさを見せつけてくる。
自分も女子中学生になったような気分で見つめられるというものです。
そこで、本日の本題なのです。
はい、
「まひろキュンに実写版天沢聖司くんを演ってほしいだけの人生だった」

演ってほしいなあ。「耳をすませば」天沢聖司くん。
図書館ストーカーのバイオリン弾き。
朝の坂道を自転車こいで二人乗りでのぼって、「俺と結婚してくれないか?」
いいねえ~~~
ぜったい似合うよ~~
嫌み無く似合うよ~~~~
私、別に「耳をすませば」の原作やアニメの強烈なファンでもなんでもない、単なるミーハーなんだけど、
ここ数年、なぜかずっと芸能界における「天沢聖司くんにふさわしい男」を探しておりました。
目的はないんだ。余暇としての捜索活動なんだ。
なぜなら、天沢聖司には10代男子の美しさのすべてが詰まっていると思うから。
体現するには、様々な要素を必要とすると思う。
「制服が似合う」「さわやか」「甘過ぎない」「日本男児らしさ」「刹那感」「意志」
「ちょっとした粘着感」「文科系とも言いきれない謎の活発さ」

それより何より「リアルティーンである」。等身大でない人がやると、ほんとにストーカーですからね。

そんなときに出てきたのが高杉真宙くんだったんですよね。
2012年から今年にかけて、真宙くんを見れば見るほど天沢聖司くん役をやってほしいと思うだけの人生であった。
もしも万一実現したならば、全国の女子中学生および、かつて女子中学生だった者たちの心を鷲掴みにしたであろうことを思う。

でもな、もう間に合わないんだよな。

先日八犬伝で観た14年11月時点の「まひろキュン」は、もはやジュニア感がなかった。
ジュニア王座を手にしたのち、今シーズンからシニアデビューした顔していた。(フィギュア?)立派な俳優さんでした。
ショウビズの観点からいうと、今からバンバン高校生をやれるぐらいのタイムラグがあると思うのですが
(福士蒼汰くんが去年から今年にかけて高校生役やりまくったみたいなもん)、
個人的には、こんなに安定した目と骨格の感じになってしまうと、天沢聖司くんは出来ないような気がする。
子兎丸ぐらいのタイミングでやれたならば。われわれは名作に出会えていたかもしれぬ。
返すがえすも悔しいものである。
(まあ単にアニメ版の声優をやっていた高橋一生にふつうに顔が似ている、ということからの連想なのかもしれませんがね。)
ただ、これからの彼の飛躍は間違いないと思うので、今後も末永く見守っていきたい。


ということでここまで高杉くんについて考えてきたのだが、
…ちょっとまて、否、考えてないんじゃないの。
 むしろ耳にすませばの話とか羽生くんの話ばっかりではないか。

もしかして本質的な課題としては、
私は高杉真宙をみて、本人のパーソナリティに迫ろうとする作業の前に、
夢を押し付けてしまうはなぜなのか
 
ということなのかもしれない。
普段は、「かっこいい男子にキャーキャー言う自分をおもしろがっている」というか、
俳優単体の持ち味のどこがすごいのか、またはどこにエアポケットがあるのか、ということは割と客観的に見ている方だ
(まあこれも思い込みで、端から見たら狂乱の極みかもしれないが)というつもりなのだが、
高杉くんについては、見ていると純粋に「夢女子」になってしまうのである。
それも、自分を女子中学~高校生として見立てた上で、ほわ~とした夢想を行ってしまう。
あまりに理想的すぎて、存在としてキャラクター的に仕上がってる状態なのだと思う。

翻って本人を見れば、
オタクらしさも堂々醸し出すわ、ブログでファッションを載せるときにはGUのTシャツも着こなしているわ、
そんな感じで身の丈そのまま、かっこつけたりしない自然なところもなんともイマドキの子だな~と思うのですが、
リアル生態をぐいぐい知るよりは、理想像の体現者としてたたずんでいてほしい、というところがあるので、
もはや敢えて情報を耳に入れる気にならないほどだ。
私の思うところの像を描き続けてほしいと思うばかりだ。

理想と妄想を載せて走る存在、これぞ「アイドル」で、
平たく言えば「王子様的存在」ということなのかもしれないが、
自分の感情を腑分けしていくと、どうやら上記のような構造になっているようである。

それにしてもこう毎回若手芸能人について考えていくと、
見る側と見られる側はひどい妄想で成り立っている(こともある)関係だし、
前に出てる人も出てる人で、
それを受け止める・もしくは受け流す強靭な器が必要なんだという気がしてくる。
私が異常なのか。
そんでもってその間で金銭が発生している、エンタテイメントって最高だよね。

ううむ、、、
なんだかまとまらないが、終わります。


<「高杉真宙」これまでの鑑賞歴(舞台)>
■里見八犬伝 ←2014年版で活躍していたので、これから書きます。

志尊淳くんのこと

2014-08-27 | この人のこと

魔性の表情

志尊 淳(しそん じゅん)
生年月日:1995年3月5日
身長:178cm
血液型:A型
出身:東京都
所属:ワタナベエンターテインメント
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(2014年8月時点)


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テニミュではじめて志尊淳くんを見たとき、
アッ、「有望株」シールがデコに貼り付いてる子が出て来た! と思いました。
彼を見ていると、「芸能人」という感じが、ものすごくする。
正直、今まで「この人のこと」として書いてきた人の中で、ポテンシャルも含めて、いちばん芸能人っぽいと思う。
今回は、志尊淳くんのどんなあたりが芸能人なのかを考えていきたいと思う。

芸能人ぽさその1:名前
これはもう恵まれたと言っていいのではないかと思いますが、
名前が最高にイイと思います。
志尊淳。
芸名だったら名付けた人天才だし、本名だったら「ああ、やっぱりそういう星の元に生まれたんだな…」と思わせる名前。
姓名判断とかはしていませんが、個人的な感覚ですが、芸能人としてこの名前のよさは
私のテレビウォッチング人生の中で、かなり上位のところに来ると思います。
文字面のよさでは、「由美かおる」とか「西郷輝彦」とかと並んでも全然負けないと思います。
華があるというとちょっと違うのかな。とにかく存在感があります。
「淳」という名前は昔からある名前で浮ついた感じはしないのに、
「ジュン」という響きが若々しく中性的なので、現代的な雰囲気もあります。
そして、なんといっても「志尊」という苗字の唯一無二さ。
「志」も「尊」も良い意味を持つ漢字である上に、それぞれ音読みにしたら読めない音でもないのに、
最初に聞いた時の響きが独特。「シソン」ですよ。
名前を聞かれて「シソンジュンです」と答えたら、たいていの人は「えっ、何て?」と言うと思いますよ。聞き直すと思います。
それで、もう1回確認して
「へえ、そういう漢字でシソンって読むんだ。シソンジュンくんね。漢字で書くと志尊淳くんね。」
ということで、かなりインパクトを持って憶えてもらえると思います。
あと、この苗字のすばらしいところは、「誰ともかぶらない」ということです。
これは、今後もっと有名になっていってメディアにもっと出るようになったときに有効で、
特に限られた紙面(テレビ欄など)で紹介されるときに素敵にはたらきます。
「志尊登場」。ほら、これだけで伝わるでしょ。
あ、これは「志尊淳」くんのことだ。とみんながわかります。
4文字で、志尊淳くんが何をした、ということまで説明がつきます。

「志尊赤面」。ああ、恥ずかしかったんだなあ。
「志尊活躍」。ああ、目立った働きをしたんだなあ。
「志尊暴走」。どうした、なにがあった。
「志尊爆笑」。あれ、「志村」じゃないんだ。

これは「佐藤○○」だったり「田中○○」だったりすると全然だめです。フルネーム分の文字数が要ります。
ダウンタウンの松ちゃんだって、最短が「DT松本」なんじゃないか。
SMAPの木村拓哉も、「キムタク」ですから。
省エネ、だけど伝わるし、誰ともかぶらない上にインパクトのある、イメージの良い名前。
3文字の漢字でここまで良い組み合わせを目の当たりに出来ることは、
日本語オタクとしてちょっと胸にこみ上げるものがあるくらいです。
名付け親の方に(ご両親でしょうか)、個人的に表彰状を贈りたい。センスがよすぎます。
そしてなんといっても、これらの要素を踏まえて本人の雰囲気にぴったりなのです。
名前負けしていない。ここがいちばんすばらしいところかもしれない。

芸能人ぽさその2:ビジュアル
名前について熱く語りすぎてしまいましたが、そんなシソンジュンの名に恥じない風貌だと思います。
ポイントとして、
顔面の印象深さ、小顔、意外に身長が高い、金髪に違和感がない
という4点をあげたいと思います。
正直、ものすごい美形かというとそうでもないでしょう。ただし、印象的な顔をしています。
ポカンとした顔で写真に映っていることが多いですが、何か言いたそうな表情にも、不遜な感じにも見え、
なんとも気になる顔のつくりです。
メイクもしていると思いますが、唇が赤いです。唇の赤さで戦隊レッドに選ばれたのではないかと思うくらいです。(嘘です)
あと、テニミュ映画祭で現物(本人)を見ましたが、小顔で足長高身長です。
これはもう現代っ子の体格として目を引くところです。
そして金髪への違和感のなさ。見慣れるかどうかということもあると思いますが、似合ってると思います。
「ソンジュン」呼ばわりされて本当は韓国アイドルです、と言われても「そうだったのか」と思ってしまうくらいです。

芸能人ぽさその3:若い
芸能人にとって若さは大きな武器の一つであると言っても過言ではない。
幼いときからファンに愛でてもらうことの功罪はいろいろあると思うけれど、
その中で若くても光る才覚を見せつけていくことで、まぎれもなく「この人は、ふつうの人とは違う」ということを
厳然たる事実として知らしめることができる。
なんか意味不明の話になりましたが、とにかく若いという武器。すばらしい。
この仕上がり具合で19才ですよ。可能性を感じる。今後男性ホルモンがどれくらい出てくるのか。
3月生まれというのもなんというか、個人的にグッときます。

芸能人ぽさその4:動じない
元来、芸能人というものは、ずうずうしいくらいが良いのだと思う。
ただでさえ、SNSなどで距離感が近くなりがちで、正直芸能人と一般人の差もボーダレス化しまくっている
2010年代においては、冷酷なまでに線引きをするぐらいのほうが心地よいこともある。
彼はいちどスキャンダル的なものが出たこともあったが、発言しなかった。
(といっても別に大した話ではなくて、夜遊びしてたねっていうやつだったけど)
事務所が大きいので、そのへんの統制の取れ方に由緒正しき箱入り感を感じることもあるが、
本人自身も、なんというか、いろいろあってもあまり動じないような強さを持っている気がする。
出てきたときから、テニミュの中でもD-BOYS(D2)でも
「かわいい末っ子的ポジション」みたいなものを演出されがちだったような気もするが、
本人から感じるのは、「利発さ」と「負けん気」である。割ときっぱりとしていると思う。
メンタルが強いのかもしれない。

ということで4点あげてみたけれど、
こう考えてくると、ざっくり「芸能人ぽい」というよりは、
本人自体に「お茶の間アイドル的な特性が強い」ということなのかもしれない気がしてきた。
ここ何十年の間、連綿とジャニーズ事務所がやってきたような、男性アイドルの売り方
――若手男性芸能人本人の(「役」じゃなくて、本人自身のね)魅力の見せ方、ファンの付け方、
そういった既存の枠組みにハマりやすいキャラクターの持ち主に感じる。
俳優というよりは、素を含めて勝負する、タレント・アイドルとしての強みを出していけそうだ。
というかD-BOYS自体が、
そういうJ系等に対峙する第二勢力的な存在を意図して作られた男子集団のような気もするので、
まんまとその意図にハマっているだけなのかもしれないが。
でも、ざっと見ている限りでは、D-BOYS(というかD2)のメンバーも、
志尊くんみたいに素の芸能人ポテンシャルがめちゃくちゃ高い雰囲気の子ばかりではないような気がするんだよな。
(※私は、旧D2のメンバーについては、「TV局中法度をぜんぶ見たよ!」という程度の理解度です)

ということで、現役戦隊レッド(トッキュウ1号)でありつつ
今後の高いポテンシャルを感じる、志尊淳くんについて、考えてみました。

ていうか常々こんな長文を書きながら、
よくもまあ検証もせずに思いこみでここまで文章を書くよなあ
と、自分にあきれることがある。
でも芸能人というのは、私にとってそういうものらしい。


<「志尊淳」これまでの鑑賞歴(舞台)>
・テニミュ全国氷帝
・テニミュ映画祭
・テニミュ運動会2014

廣瀬智紀くんのこと

2014-08-20 | この人のこと

化身っぽいんだよね

廣瀬 智紀(ひろせ ともき)
生年月日:1987年2月14日
身長:179cm
血液型:A型
出身:埼玉県
所属:スターダストプロモーション芸能3部
google検索件数:約 124,000 件
(2014年8月時点)

事務所プロフィール
本人ブログ


どうしたことでしょう。
最近、気づくと自分の携帯の画像フォルダが廣瀬智紀の写真でいっぱいになっている。
キメ顔の廣瀬智紀、ナチュラルな廣瀬智紀、食事中の廣瀬智紀、ニヤケた廣瀬智紀、舞台の鏡前で自撮りした廣瀬智紀、
ターバンめいたものを頭につけた廣瀬智紀、寝る直前の廣瀬智紀、巻ちゃんメイクの廣瀬智紀、ホストの廣瀬智紀、
アメスタ終わりの廣瀬智紀、若いころの廣瀬智紀、共演者と飲んでる廣瀬智紀、甥と戯れる人妻のような表情の廣瀬智紀…

おいおい、どう~なっちゃってんだよ。(c岡村ちゃん)
正直、いまどのイケメン俳優よりも私がいっぱい画像データをもっているのが廣瀬智紀かもしれない。
大外枠からの驚きの伸び率である。

何故この廣瀬智紀という人が短期間でここまで自分の心をつかむに至ったか、今回は少し考えてみたいと思う。

そもそも、この人を知ったのはちょうど1年前である。
「弱虫ペダル」インハイ1日目(大阪公演)を見に行くことになったときのことだった。
当時はコンテンツに先走った思い入れのない状態だった(モードとしては「村井くんが主演の、話題の舞台を見に行く」)ため、
共演者もかる~くチェックしていた程度だったと思う。
なんかよくわかんないけど緑髪の「巻島」の役はそういえば前はばばりょがやってたよなあ。てか緑髪てなんだよ(笑)今回は? 廣瀬智紀くん?
ふ~ん、聞いたことないな。どういう人だっけか?? wikiにあんま出演作載ってないな。新人??
ということで開いたブログがこの日のものだった。おー、この人か。綺麗な顔だな~と思いました。
で、翌日大阪公演を見ました。その時の感想は書きましたが、東堂VS巻島のすばらしいクライム対決に、すなおに涙しました。
(感想にチェックすべき人としてあげているあたりが笑える)
そんで次に見たのブログが初日終了後のこれ。足、なっげ!!と思いました。
それで翌日のこれだ。おおっ、やっぱりかなり頑張ってたんだなと思いました。
そしてね、みんな読んでください。これが心臓を打ち抜いた弾丸です。→

なにこの人!!
熱い!!!
クールなツラしてめちゃくちゃ熱い男やんけ!!!!


あと!
ちょっと初見のときから思ってたけど!!
ブログの最後に毎回「またメールするね」ってこれ、どゆこと!!??
なにメールて!?
ドキドキなんですけど!!?? わし、男子に「メールするね」とか言われると商売でもドキドキするんですけど!!!???
(今でもいまひとつよくわかってないんだけど、これどういう意図なのですか?
 読者登録していると更新のお知らせがメールでくるから「メールするね」ってことですか?
 アメブロじゃないし読者登録してないからわかんないのよね)


ということで、はい、これは見事な「ギャップ戦法」と言えるのかもしれないのですが、
この見つけたばかりのイケメンの意のままに、文字面ひとつでまんまと操られはじめている自分を止めることができませんでした。
廣瀬智紀には、まずブログでいったん撃ち落とされたというのが、わかりやすい入り口でございます。

で、そんなこんなで一躍自分の中でのGⅠレース出走候補馬となった廣瀬智紀くんを、
次の作品もたまたま連続で見てしまったあたりが運の尽きだったかもしれない。
自転車ロードレースの次作は、「ホスト」でした。
これは、感想でも書いたけど恐ろしい舞台です。
本当にハマってしまうと、歌舞伎町で金を使うのと結果的にはあまり違いがない感じのことになる、
金を吸い込むブラックホール的なシステムになっているやつです。
まあ、私は課金には参加していないのですが、
おぞましいことに、観劇したその日に「ハイタッチ会」があったのです。
狙って行ったわけではなかったのにも関わらず、まんまと私は廣瀬智紀とハイタッチしてしまいました。
緑髪でピッチピチのウエア着て汗振り絞りながら走っていた蜘蛛男・巻ちゃんとは全く違う、
ふわふわのファーを首回りに巻いて若干冷酷そうでいながらもあでやかな笑みを浮かべる廣瀬智紀、もとい夕妃(役名)が
そこにいました。(ここでもう既に「ホストでいたら、私は彼にいちばん貢ぐと思います。」て言ってるな。私よ。)

袖振り合うも他生の縁ということで、こう短期間で頻繁に間近で見てしまうと、とりあえずその後は追ってみるしかない。
事務所のパワーなのか、彼は出演作が相次いでいたため、
同時期にやっていたどうしようもない深夜ドラマにレギュラー出演しているのも見届ける羽目になってしまいました。
わけわかんねーだのなんだかんだ文句を言いながらも、ちょっとした出演シーンを目撃するために、毎週録画したのです。
その中で彼はわりととぼけた感じの役をやっていたような気がするんだけど、ごめん、あんまり覚えてないわ。
それで翻ってふと思ったのです。
あれだけ熱のこもった文章を書けるということは、廣瀬くんは毎回自分がやる役についてそこそこ考えているはずだ。
そして、何を吐露すべきか、すべきでないか、周りからの見え方も相当計算しているのではないだろうか。
では、今、この人は実際のところ何を考えているのか? いいと思っているのか? どうなんだろう??
そういうことを考えさせられながら見るモードが出来てしまいました。
ここから、私の「廣瀬智紀さがし」が始まりました。

で、それからはブログをチェックしたり、共演者のTwitterをチェックしたり、
画像を集めたりしながら今日に至ります。
ペダステは2日目も見に行きましたが、引き続き関心は高まる一方です。生写真買っちまったじゃねえか。

要はこの人も「とらえどころがない」のです。
なんとなく、鈴木拡樹くんへの目線に近いものがあるような気もするのだけど、
違うのは、本人がより積極的な情報発信をしている方だ(と思う)という点。
本人名義の文章も写真もどんどん供給されてくるのに、まるで本体が掴めないような感覚。
本人の顔の雰囲気と、あとは見ている私の心理的な劣等感が成せるものなのかもしれないけど、
うーん、こんな風に客を惹きつけながらも、裏ではあざ笑っているんだよなーきっと という気が、わりと常にしている。
なんかあきらめながら、疑いながら、検証もできないのに、好きなのだ。


ここで突然個人的な思い出話を入れますが、
高校時代、私は彼氏がいなかったんですが、3年間同じクラスに居た男子のことがほのかに好きでした。
(1クラスしかない理数科だったので、男子多めの構成で3年間固定メンバーだった)
ただその男子は、うちのクラスの別の女子、すなわち私の友達と付き合っていたのですね。
彼は、田舎のガリ勉男子の吹きだまりみたいなクラスの中では若干浮いた存在の、いわゆるモテ系の男でしたから
友達という彼女がありながらも他の女子の先輩と遊んだりして、割と気軽に傷つけたりしていました。
でもそんなときもけっこう悪びれずにへらっとしていて、しかもあろうことか、
クラスの女子のひとりとして、私なんかにも気軽に声をかけてきたりするわけです。(まあ、これは普通のことですよね)
なんやかやと軽口を叩いてきたり、
でも、いちばん聞かれることといえば「テスト何点だった?」

見てない!!
女として見ていないだろ!!!
ゲームの雑魚として蹴散らすヤツ扱いか!!!
見られるのも腹立つけど!!!!
見られないのも腹立つ!!!!!
(だって本当は好きだから!!でも言えないけど!!)

自分は彼とは恋愛ヒエラルキーが全く異なる、だからその俎上に上がれるとは思っていない
でもその目線がいかにも侮られているのが悔しいような、
でも本当はもっと見てほしいような、あああああ~~~嫌だ~~~~~~~~
でも……好きだ~~~~~~くそ~~~~くやしいいいい~~~~~うううう~~ん、もっと頂戴!!!


みたいなかんじで、3年間頭の中で私はもだえていました。コワイ。

実は、高校を卒業したあとの春休みに、どう話が転んだのか、その彼と映画デートをしたのです。
肉体接触はまったくございませんでしたが、恋愛チャンスの少ない身としては、デート処女を奪われた男として執拗に記憶しております。
でも結局、その時にも、彼が実際のところどのように思っていたのかは聞けずじまいでした。
問い詰めるにしても、まあ、むこうにしても意味不明の圧力だし、知ってどうすんだということもあります。
悶々としながら終わったその謎デート後は、その人とはいっぺんも会っていない上に
もはや連絡先も住所も知りません。
そんなこんなでいつのまにやら干支が一周してしまいましたけれど。


ということで青春エピソードをおおいに語ってしまったわけなのですが、
つまり言いたいこととしては、
ちゃんとも、もとい廣瀬智紀くんを見ていると、
あの彼のへらっとしたたたずまいを、軽口を、ぜったい侮っていたあの目線を、思い出すのです。
(ゲームの雑魚扱いじゃなくて、「どうせATM扱いしてるんだろう」という感じですが)
当時、最後のチャンスを前にしながら、どうにもつかみきれなかった、目の前の男子の本心。
疑い、ひねくれた防御線を張りながら、自分を丸出しに出来なかったころの自分が、頭の片隅に浮かびます。
なんとかあの頃できなかったことを取り戻したいような、いいえ、取り戻すんじゃなくて
あの頃の自分のぐちゃぐちゃだった未熟な気持ちをぐちゃぐちゃなまま追体験したいような。
(どんな遊びだよ)

青春のイメージの、再生産。
ああ、それが私にとっての廣瀬智紀なのかもしれない。
そのイメージにあと一ミリでも近いイメージを見つけるために、私はこれからも廣瀬智紀探しをしてしまうのかなと思います。
最初は本人の秘めたる熱さに惹かれた、というところから始まった純粋なファン心だったのに、
いつのまにやら邪悪で個人的な思い入れが加わり、脈絡不明な意味付けを動機に、見つめ続けているような感じがあります。
ちゃんともさんには本当に、こんなよりどころにされて迷惑な話だよなあと思うわけですが、
しかるべき時に、適度に課金するという形で、補わせて頂ければ幸いに存じます。

ま、でも正直こう30になって思うのは、
「男の人というのは、意外となんにも考えていない」
ということなので、怨念を込めて思い返す高校時代のあの彼も、もちろんちゃんともさんも、
ふつうに日々前向きに生きてるだけなんじゃないか、という気もしています。
女の取り越し苦労というのは、多いものだよ。


今回はなんか私的な話になって、ごめんね。

<「廣瀬智紀」これまでの鑑賞歴(舞台)>
・舞台弱虫ペダル インハイ篇1日目
・私のホストちゃん
・舞台弱虫ペダル インハイ篇2日目

小林豊くんのこと

2014-08-19 | この人のこと

いろんな意味で見た目を裏切る感じがするよな

小林 豊(こばやし ゆたか)
生年月日:1989年3月19日
身長:174cm
血液型:B型
出身:滋賀県
所属:フォーチュンエンターテイメント
google検索件数:約 443,000 件
(2014年8月時点)

事務所プロフィール
本人ブログ

テレビを眺めていると、時に「同姓同名(同音)」の人があらわれることがある。
「なかむらしゅんすけ」と聞いて、「中村俊輔」を浮かべるか 「中村俊介」を浮かべるかは、人によるところが大きいだろう。
「岩崎宏美」がいるところで出て来た「岩崎ひろみ」は、当初年配層を中心に混乱を招いたようにも見えたものの、
宏美との活動時期とジャンルの違いということで、女優としての地位を確立している。
逆に、先輩に「宮川大助」がいる中で芸人ジャンルというか同じ会社の後輩として「宮川大輔」があらわれた時には
ビックリした。どう住み分けるのかと思ったものだ。しかし、支持層の年代が違えば思い浮かべるものも違うということで、
さほど混乱もせずに「みやがわだいすけ」問題はふんわりと解決している感がある。
ちなみに、話はそれるがニックネームのかぶりというものもある。
「マツケン」といえば「松平健」だったのが、いつの間にやら「松山ケンイチ」のことも表すようになったりしている。
「ミキティ」は、藤本美貴と安藤美姫、いまはどちらの領分なのか。
このように、有名人の同姓同名(同音)問題は、イメージの住み分けもしくは取りあいというパワーバランスの中で、
それぞれの形として着地する。
ただ、一般的に言って、後発で出てくるその名前の持ち主には、それなりのパワーが必要だということだけは考えられる。
(名前を変えることはいくらだってできるのだから)

彼についてもそうだ。
「小林豊」といえば、ちょっと前まではTBSアナウンサーのあの人だった。
だが今は違う。「小林豊」といえば、仮面ライダーなのである。
漢字までまったく同じで登場したのに、
この1年ですっかり「小林豊」の領分を自分に引き寄せた、新・小林豊とは何者か。
(この認識、私の周りだけかもしれませんがね。)

小林豊を認識したのはテニミュが最初だったか、それとも名古屋を中心に活動するBOYS AND MENのメンバーだと、
地元で宣伝されているのを見たのが先だったか。同時期ぐらいだったような気もする。
ちなみに舞台で見たことはない。テニミュのDVDは持ってます。

小林豊は、びっくりするぐらいのアイドル男子である。
もしも性別が女で出てきたら、AKBでもけっこうな上位に食い込んでいるのではないだろうかというメンタリティを感じる。
誤解を恐れずに言うのであれば、物事へのアプローチが女性っぽい感じがする。
背は高いが、わりともっさりしたところも残る「地元のお兄ちゃん」感の強いボイメンの他のメンバーたち(ごめんね)が
揃いの学ランと前髪で可愛げをなんとか演出している中、地で完璧なアイドル力を持っているのは、
彼ぐらいなのではないか。

ちなみに彼には一度名古屋の街で遭遇したことがある。2年ぐらい前か。街中でフリーライブのチラシを配っていたのだ。
その時の私ったら、そりゃあびっくりしましたよね。
たいそうおどろいたとさ。と昔話口調で言ってしまうぐらい。
キラキラしていました。他のメンバーがレフ板に見えたような気がしたのは、気のせいだっただろうか。

東海圏で放送されているボイメンの番組で見かける小林豊は、
自転車で激坂を登らされて、一人だけ登りきれなくてふがいなくて泣いたり、
単独ライブの開始時間に(前の仕事が押して)間に合わなかったからといって悔しくて泣いたりする。
なんせあだ名が「ゆーちゃむ」である。ちょっと正気の沙汰ではない。
それが、仮面ライダー鎧武ではパッとしない主人公ライダーの「シンメ」のポジションにいる、
意志の強いライダーを、ジャケットをなびかせながら演じているのだ。
私は日曜日に鎧武小林を見て、その後火曜夜にボイメン小林を見ている格好なのだが、この差分に毎回驚愕する。
この落差、底が知れない。
元パティシエというほんわかとした(ように見える)経歴もあいまって、
この人の魅力はギャップ萌えです、といった主旨の記事もちょくちょく見かける気がする。
(クックパッドにレシピ公開企画が公開されてた)

さらっとしか知らない自分が言うのもなんだけど、
見ていると、この人は自己暗示力が強いのかなという気がする。
いや、なんというか、「化け力」が非常に強いのだと思う。
自分が思う自分になりきってしまえるのだ。
俳優としての演技力なのか、といわれるとうーん、なんかそれともちょっと違う気がしていて、
自分のことがすごく好きそうだし、アイドル然としている時がすごく水を得た魚みたいな感じに見えるので、
小林くんよ、この世に男子アイドルという職業があってよかったね。という気がする。
なんというか、芸能界が救った人の一人なのかもしれない。と思っている。(勝手に)

とかなんとか、知った口でいろいろ語っている私だが、ボイメンファンのサイドから見ると
またいろいろと思うところがあるのかもしれないです。
まだボイメンの現場に行ったことがないので、なんとも言えないのですが。

あーでもね、アイドルっぽいことはもちろんなのだけど、
何か微妙に忘れがたい「コク」のようなものを、全般にわたってうっすら感じるのも
この人の面白いところな気がするんだよな。
なんせ、こんなことを言いながら私が彼が似ていると思っている芸能人は「山崎邦正」なのであるからして。


滝口幸広くんのこと

2014-08-18 | この人のこと

写真がでかい

滝口 幸広(たきぐち ゆきひろ)
生年月日:1985年5月29日
身長:179cm
血液型:AB型
出身:千葉県
所属:スターダストプロモーション芸能3部
google検索件数:約 334,000 件
(2014年8月時点)


事務所プロフィール
本人ブログ


先週は夏休みでした。
さて、久しぶりにこの人シリーズをやってみたい。

今回は滝口幸広くんである。
彼については、私の中でも、認識したタイミングはかなり早いほうだったと思う。
なぜなら、戦国鍋テレビに出ていたから。徳川15代のやつでしたかね。あれが初見でした。
年末の生類アワレンジャーのときもよかったですね。
その後、鍋の後番組の「戦国男士」で主役をやっていたり、NHKのあさイチにワンクールにいっぺんレギュラー出演したり
(最近出てないな)、あとは東海圏在住者としては「ハマインの人」(浜名湖自動車学校のCMキャラクター)
という感じがものすごくある。ハマイン、今年も新CMが出来ていてよかったね。

こんなふうに、主に、映像で見かけることが多い滝口くんなのだが、いろいろ見ていて思うのは、
彼の魅力は「健康的なリア充」の香りがするところだということである。

わかりやすく好青年の風貌なのと、本人の気質が体育会系なので、とりあえずどこでもかわいがられるタイプではある。
ただし、素直そうというか隠れた野心があるタイプには見えないので、俳優というよりは、
もっと彼自身のパーソナリティを愛でてもらえる場を活用していったほうがいいのではないだろうか。(えらそう)

彼がいちばんのびのびしているように見えるのが「モテ福」なのである。
同年代の仲間内のだべっとした感じの雰囲気の中で、自分も楽しそうにしながら話を盛り上げてまわしていくのは
彼の得意領域だと思う。なんだか、放課後の教室で話を取りしきるこういう男子がいたような、
そんな青春時代の記憶を呼び起こすものがある。
「あんたすげーよ」の名言が出たのもニコニコ生放送の番組だったよなと思うし、
俳優なのに、ダラダラと話をしていても嫌味が一切ないというのは、これはものすごい武器であると思うのだが。
(逆に、何か小難しそうなことをしようとして力が入っているのを見ると、
「あんまり合ってないよなぁ」という気になるのだ)

滝口くんを見ていると、正統派のイケメンというものの売り出し方の難しさを感じる。
高身長で美形なので、一見インテリ系かと思いきや、やはり基本的には体育会系の滝口くん。
ちょっと佐野岳くんと近いものも感じる。ただ佐野くんは見るからに体育バカという感じなのでわかりやすくていいのだが、
滝口くんの場合はなんか、ちょっと見方によっては賢そうに見えるところもあるので(頭の回転は速いと思う)、
若干複雑ではある。
(「調理師免許所持者」という差別化ポイントはあるのだが)
パッと見の欠点が特にないからどこにでも馴染みそうだけど、逆にパッと見でわかるクセがないので、
思い入れのない人にとっては目線を向けるべき理由がないという面もある。
でも、ちょっと掘ってみると本人の素材のよさがわかるものなのだ。
春頃に、ニコ生の「トリプルゾーン」にゲスト出演をしていたのだが、29才の抱負として
「もう一回、本気で頑張ってみる」みたいなことを言っていたのに感銘を受けた。
というか、そういうことを、皆が見ている前でさらって言ってしまえるところも魅力である。

彼はいい意味で、『男の子』なのだ。
個人的には、彼はいまひとつパッと売れないとしても、仕事の充実というよりは生活が充実しているといいなあと思う。
ブログから垣間見える私生活の広がり(芸能界だけではなく、地元の先輩後輩などの仲間や友達がいっぱいいる)は、
頼もしい限りだ。
超個人的な希望で言えば、運動部のマネージャーみたいな感じの、ちょっと生活感のある彼女がいてほしい。
(いや、べつに生活感必須じゃないけど、彼女がいてほしい。いるだろうけど)
そして、その暮らしの充実からにじみ出る、素の素材の良さを活かした人物として、ポジション取りをしていってほしい。
舞台メイクよりは、日焼けと水しぶきが似合う滝口君だ(サーファーらしい)。
ちなみに、どんなに短文でも、基本的には毎日ブログを更新しているというところも偉いなあと思う。
いまやブログなんて全然ツールとして活用していない若手俳優さん、多いんですよね。
アメブロが似合うヤツである、という点も含めて、なんというか、まっすぐ生きている感じがある。

滝口くんには、

あちーし腹減ったから、庭に大きい鍋出してカレー作ることにしたぜ!
みんな、食べに来いよ!


みたいな存在感でいてほしい。

限りなく「陽」の属性を持つ、釣り上げて素揚げにして食べるのが一番おいしい川魚のような存在、
それこそが、私が認識するところの滝口幸広像である。

毎回言いたい放題ですみません。

<「滝口幸広」これまでの鑑賞歴(舞台)>
・赤レンガライブ
・るフェア

鈴木拡樹くんのこと

2014-07-09 | この人のこと

タレント名鑑の写真が見つけられませんでしたので
ブログの写真をお借りしました。
髪型がヘッドフォンが「あざとい」


鈴木 拡樹(すずき ひろき)
生年月日:1985年6月4日
身長:173cm
血液型:AB型
出身:大阪府
所属:オウサム
google検索件数:約 4,310,000 件
(2014年7月時点)


事務所プロフィール
本人ブログ


先日、小越くんについて書いたところ、ちょうどテニミュ前の時期だったこともあってか
これまでにない勢いでブログを見ていただいたようで、本当にビビりました。
みんな小越くんが大好きなんだね。もはや教祖様というか、ご本尊というか…
テニミュ、土曜日からですね! 本当に楽しみです。

それにつづく5人目、ということでどうしようかなーといろいろ考えていましたが、
今回は、鈴木拡樹くんについて書いてみようと思います。
D-BOYSの鈴木裕樹くんではございません。
拡大に樹木と書く、変わった名前のほうのすずきひろきくんについてです。
うーん、この人も熱狂的なファンが多数だ。というか、私の見渡せる範囲(かたよってはいるけどね)、
舞台系若手俳優に対して何かしら腕に覚えのある人(むしろ脛に傷持つ?)たちの間で、
彼を好かんという話をあまり聞いたことがない。それどころか、

“全然それまでこういった若手俳優を見たことなくて、
 たまたま連れられて観に行った友達が「最近好きな俳優ができた」と言い出したんで、
 誰かと聞いたら鈴木拡樹くんだったんですよ~”

と知り合いから聞くぐらいの殺傷能力の高さを誇る。
(ていうかなぜ私にその報告をしてくるのだろう)
メジャーな映像作品にほとんど出たことがないにも関わらず、彼がメインどころを張るチケットは大人気。
本人のSNS上でのパワーも凄まじいものを持っている。
写真付きのツイートをすればものすごい数のリツイートがされているのをよく見る。
2014年舞台系若手界きっての集客力を持つ、世に知られざる「売れっ子俳優」と言っても過言ではなかろう。

そんなわけでとにかく、市場からの飢餓感が強い感じがある鈴木拡樹くんなのだが、
彼のいったい何がそうさせるのだろう。
個人的に感じる彼の魅力は、「非現実感」これに尽きると思う。

鈴木くんは、先日29才になった男性なのだが、そのことがどうやっても信じられないような独特の雰囲気を持っている。
平たく言うと
「絵に描いたような、というか最近のアニメに出てくるような中世的な男性」そのものである。
とりあえずは見た目が、

「前髪をヘアピンで止めて、ゆるゆるのシャツにカーディガンをはおりスキニーパンツを履いている、眠そうな男」
「にっこり笑いながら『殺すよ?』という感じのセリフを言う細身の男」

などの妄想絵から飛び出してきたような風情で、ビックリする。というか、そのものだと思う。
ふつう、この年齢になってそういうものになりきろうとするとムリが出る。コスプレ感がある。
しかし彼の場合はまったくそういった雰囲気を感じない。ナチュラルである。
顔は図抜けてかっこいいとかものすごくハッキリしているとかいうのはないが、中性的で整っている。
そこはかとなく、歌舞伎の女形的な雰囲気がある。
ツボにハマる人には本当に、理想像が肉体をもってこの世にあらわれた、ぐらいの衝撃なのではないだろうか。

出演経歴を見ると、わりとアニメや漫画などの「原作もの」のキャラクターを演じて来た人である。
私の初見はこれもまた『戦国鍋TV』“信長と蘭丸”の蘭丸役で、若干不器用な踊りを見せつけつつ、
小姓役という女形的ポジションをそつなくこなしていた。
ただ、単に役にハマっているだけでは、ここまで人気は広がらなかったように思う。

ここがなにより大きいのだが、本人のパーソナリティとしても、なんだか全体的に浮遊感があるのだ。
写真ではつねに微笑んでいるし、集団でインタビューやトークがある時も、後ろのほうでいつもニコニコしている。
「俺が俺が」という感じはない。ホンワカとしている。
俳優仲間のインタビューでも「拡樹くんはよくわからない」と言っている人が多く、
ものすごく走り込む舞台の稽古時に、「一人だけ涼しい顔をして袖でカフェラテを飲んでた」という逸話が頭から離れない。
しかし飄々としすぎてクールなのかと言われればそうでもなく、まじめで熱いメッセージを語っているのもよく見かける。
一方、ツイートの定型フォーマットとして、上下にたくさん☆★マークをつける という謎のテンション感もある。

さらに正体不明さに拍車をかけるのが、「大阪出身なのに関西弁が出ない」という点。
大阪も堺市という、めちゃくちゃベタなところからやって来ているはずなのに。

『方言を使って親近感を得ようというのがもうダサい、姑息であると思っている』
『大阪弁を話す人=ぶっちゃける、やや下品、オモロいことを言う などといった
 ステレオタイプのイメージから一線を画したい』
『大阪弁を話した瞬間から、同様のキャラを持つ同世代同業者とのイメージ獲得争いになるので、それを避けたい』
『とくに何も考えていないが、大阪弁が出ない』


どれなんでしょうか。
(なんとなく、わたしは「とくに考えていないが」説を取りたいけど。)
このように、「お里が知れる」的なアプローチもなかなか難しい人物である。
そしてそんななか際立つ、「前歴が美容師だった」というエピソード。
これもこれで、ドリーム感をふくらませる要因になっていると思う。
あとはなんといっても、事務所のページの写真の写り方である。
外国人・子供タレントが数多くいる中で、突如現れる白いシャツの鈴木くん。この突然感が本当に面白い。
彼はどこから来たのか、どこへ行くつもりなのか。謎が膨らむ。
あらゆるもののなんともいえないアンバランスさも含めて、
人間というかキャラクターとして絶妙なバランスで現存しているように思われる。

そんなわけで、このように『リアルを感じさせない人物』として軽やかに存在する彼に、
我々は惑わされ翻弄されているのだろう。
いつほころびが見られるのか、いや、ある意味では常にダダモレだと言えるのかもしれないけれど、本当にそれしかないのか。
もっと何か、ドロドロしたものがあるのではないか。きっとあるはず!人間だもの!でもいったいどこに?
そのようにやや意地悪そうな目線のまま、気づけば見続けてしまうのだと思う。

こういう、「意味のない深読み」をさせる対象には、なろうと思ってもなれるものではないので、貴重である。
意図してやり続けると、「イタイ」「ぶりっ子」になってしまい、軽い嘲笑の対象となる。
人気も出ない。そのギリギリのラインをみごとに体現していると思う。
事務所の戦略なのか本人の特性なのか、たまたまそういうふうに進んできたキャリアのたまものなのかは不明だが、
鈴木くんが心の扉を開いているのかあんまり開いていないのかさえ、今ひとつよくわからない。
もちろん舞台俳優なので、舞台を下りたあとのことまで見せつける必要はないのだが、
好きで見ている方としては、自分なりに解釈してわかりたいと思うものだ。でもわからない。
わからないがゆえに、見に行ってしまう。
できるだけ、最新版を観察しようとしてしまう。
そしてまた、見れば見るほどにわからなくなっていく。
これがザ・「ハマる」というやつだと思う。技巧如何ではどうにもならないような、
こういう「とっかかり」を妙に感じさせる部分があるということで、大きな魅力のある人だと思う。

ちなみに、イケメン好き友達で、イケメンがプライベートで飲み食いしている画像を集めてばらまく
非常にフェチズムあふれるツイッターアカウントを運営している人がいる。
これもまた、本能に直結する「食」というものを通して、
隠されたパーソナリティが無意識のうちに食卓の上にこぼれ出していないか、
その瞬間を探ろうとする行動だと思われる。興味深い。(彼女は鈴木くんのファン)

で、面白いなと思っているのが、この現実味のない鈴木くんが、いま
「弱虫ペダル」という、身体性の極みみたいな舞台に出ていることである。
原作マンガの弱虫ペダルという作品自体にものすごいパワーがあるのももちろんなのだが、この舞台版は単体としてすごい。
演出があきらかに独特で、それ自体めちゃくちゃ面白く見る事ができる。
たぶんイケメン舞台という縛りで敬遠していると、本当に損をする演劇作品だと思う。
私も原作ぜんぜん読んでないまま何作かみて、ふつうに毎回演出に度肝を抜かれた上に感動して泣いている。
(その後我慢出来ずに全巻読んでしまったが。)

漫画原作のため、やはり結局デフォルメされた人物を演じているのだが、1点違うのが、
ピッチピチの服を着せ、自転車を漕ぐマイムをやらせ続けるところだ。汗をふりみだしながら走らせるのだ。
このギャップ。
触れられなかったリアルな側面に、ようやく到達したような気になる。「あー、生きてるなこの人も」という感じというか。
この舞台に出演している俳優はみんなこの恩恵を受けているのかもしれないけれど。
より「肉体」と「男性性」を感じさせる方向に向けて彼をキャスティングした人は天才だと思う。
ここで彼の新しい魅力が発揮されているのではないだろうか。
先ごろ発表になったが、秋には彼の主演版での最新作が上演されるそうで、これまたチケット争奪大戦争の予感である。
こうやって褒めてまわることでより一層激しい争奪戦になるような気もするが、まあいっか。

ということで、
こんなに文章を書いてみたのに、何か違う、まだいまいち迫りきれなかった気がするところが鈴木拡樹トラップである。
気づいたときにはかかっている。ご注意ください。


<「鈴木拡樹」これまでの鑑賞歴(舞台)>
・赤レンガライブ
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小越勇輝くんのこと

2014-07-03 | この人のこと

ホクロがチャームポイント

小越 勇輝(おごえ ゆうき)
生年月日:1994年4月8日
身長:168cm
血液型:O型
出身:東京都
所属:ATプロダクション
google検索件数:約 1,670,000 件
(2014年7月時点)


事務所プロフィール
本人ブログ

さて、来週からはいよいよ夏のテニミュですね。セカンドシーズン、ラストの公演。
私も、必死こいてかきあつめたチケットの束を握りしめて、もうすでにちょっと泣きながら開幕を心待ちにしています。
第4回目は、データによれば今この人を語りたい率100%、満を持しての現役王子様について語ってみたいと思います。

小越勇輝20才、職業俳優。
10歳も年が違うので、イケメンでときめくというよりは、すでに「すごい親戚の子の活躍を見に行く」のに近い感覚と言える。

私の初見はテニミュセカンドシーズンの六角戦 名古屋公演でした。
私はここが「テニミュ」との初接触だったわけで、やっぱりなんとなく「イロモノ」として観に行ったという部分もあり、
気持ち的にはじゃっかん引き気味なところもあったわけです。
まずこんなに客層が若い(若くないのもいるけど←私も)女の子ばっかりの演目に来たことがなかったし、
テニミュの演出のお約束も、そもそも原作自体も訳がわからず観に行っていたので。
テニミュ独特の世界観に終始圧倒されながらもその日は終演したのですが、舞台上で印象に残ったのが、主役の彼・小越くんでした。
細っこくて背もそれほど大きくないのに、センターに堂々と立ち、すごくピシッとしたキレのある動きをしてる!
そしてめちゃくちゃしっかりした(というか、えらく慣れた感じで)挨拶をしている!
どう見ても高校生ぐらいなかんじなのに… 
いや、もしかして若く見えるけど実年齢はめちゃくちゃ年いった妖怪俳優みたいなやつか!?とも一瞬思った。
パンフレットを見てみるも、地味にこれもびっくりしたんだけど、テニミュのパンフレットって誕生日は載ってるんだけど
生年はわかんないようになってるんです。(役のイメージもあるからかな)ますます高まる妖怪俳優疑惑。
あの謎の説得力のあるたたずまいが返す返すも印象的で、帰途「結局何者だったの!?」とすぐ携帯で調べたのを覚えております。
(そうか、やっぱ高校生か(当時)。。と納得した。
 でもあまりネット上に昔の情報がないんだ、この人… テニミュが主な出演作だから。)
というか、落ち着いて振り返ってみたらあの動きはわりと尋常じゃない感じがするんだけど、みんな(観客)これ普通に受け止めてる!?
マジか!すごくない!!? テニミュやべ!!意外すぎるけどレベル高!!!まじエンタメ!!!となって、その後私はテニミュ沼にハマっていきました。合掌。

小越くんの魅力といえば、とにかく「入れ物っぽさ」というところにあると思う。
彼は、16歳からテニスの王子様の主役をやっているのだが、
そもそもキャリアのスタートが子役だったりすることもあり、成長過程をすべて世の中に晒して生きている。
おそらく、もう物心ついたころから見られることが前提で生きているので、
露出することに対してスイッチの切り替えもくそもないし、黒歴史だ思春期だなんだかんだと、
中途半端に隠しだてするようなこともない。見たい人は見てくださいよろしく、といったような泰然自若としたものを感じる。
これって子役から出てる子を見てるときに、ちょいちょいある感覚です。

だって、ふつうはそんなことないものだと思うのです。
ある程度大きくなってから自分の意志で芸能人になるのって、人前に立って何かをやるのって、
もっと自己顕示欲とか、見栄とか、企てとか、優越感とか、なんかそういった人間味のある
ギラギラしたものを内包しているものだろうと思うんです。
いくら最近は有名人のハードルが下がったと言ったって、やっぱり芸能事務所に自分の身柄を登録するというのは
「ふつう」の人生ではありえない事態なので。
その過程がぜんぶ素っ飛ばされた状態で、気が付けば「前に出ている人」である。
「役を演じる」ことが、生活の中に自然にある幼少期。
これは面白いです。自分だったらどう思うだろうな。

そんな、自意識が無の状態から人前に出るような生活をしてきたとして、年頃になったら人間どうなるのか。
まぁもうきっぱり辞めるのか、なんとなく流されながらその状態に甘んじて適度にやるのか、自意識をもって挑戦していくのかという選択肢があると思いますが、
このあたりは、20才記念のフォトブックにインタビューが載ってたので、読んで「ほほぉ」と思ったのですが、
彼はある時点で自覚し、挑戦し続けていくことにしたわけです。仮面ライダーも決まり、そしてテニミュへ。

こうと決まれば、あとはもうこの無意識でやってきたということを地道に続けていくだけ、ということで
余計なものを削ぎ落して、役になりきることを考え続けて、ここまで主役を張ってきたわけです。(たぶんね。)
ひたすら同じ役をやり続けられるストイックさ、全力投球する秘めた負けん気、確実に磨かれていっている技術、
そして舞台上ではもう、出て来た瞬間に光るカリスマ性。すばらしい。
彼が演じ続けている「テニスの王子様」の主役・越前リョーマというのは、テニスの天才少年で
中学1年生ながらもあらゆる技を次々に会得し、迫り来る強敵を倒しまくっていく生意気野郎なのですが、
最終的に「天衣無縫の極み」という、テニスを自然体で楽しむ という基本にして至高の境地にたどり着きます。
この姿に、彼のイメージがほぼシンクロしてくる。
子供の頃から慣れ親しんだお芝居の世界で、ひたすら誰よりもやりこむことで輝きを増していく姿。
リョーマという役の入れ物として、小越勇輝という器は非常に相似形を感じさせます。
(後から意味付けしてストーリー化しているようで我ながらじゃっかん気持ち悪いですが、神話ってそういうものだぜ。)

ここまでの歴代リョーマ役の人たちの就任期間を見てみると、

<初代> 柳浩太郎/Kimeru/遠藤雄弥:約1年10ヶ月
<2代目>柳浩太郎/遠藤雄弥:約1年3ヶ月  …柳くんは休養の時期も含め足掛け3年ほどつとめている。リョーマの基盤を作ったんですね。
<3代目>桜田通:約1年
<4代目>阪本奨悟:約1年半
<5代目>高橋龍輝:約1年10ヶ月
※重なっている期間もあると思うので細かいことについては間違ってたらごめんなさいね。

ということで、2011年1月~2014年9月(そして多分その後なにかイベントもあるでしょう)で3年8ヶ月以上同役をつとめた経歴は圧巻。
さらに、昨年の氷帝公演中には、それまで最高出演回数を誇っていた兼崎健太郎くん(ファーストシーズンで、真田玄一郎役を演じた)
を抜いて「テニミュ最多出演俳優」となり、現在も継続出演中。“プリンスオブテニミュ”という称号をもらったようですが、
もう言うなれば「テニミュセカンドシーズン」というものの具現化、化身とも言えるわけで、
たとえそれが他の出演者推しの人であっても何十万人の観客が自分のテニミュの思い出を作っているのは小越くん越しの世界であり、
そういう意味でもすっごく「入れ物っぽい。」と思う次第です。器のでかい入れ物です。
どこまでたどり着くかわからないまま進んできたであろうファーストシーズンの成功と反省を踏まえて、
ゴールを見据えた上で計画的にスタートしたであろうセカンドシーズン。観客にとって、その一貫した姿勢の体現者であるのは間違いなく、小越くんです。
テニミュセカンドファンのすべてが、この夏の公演の最終日(千秋楽はもちろんプラチナチケットもいいところで、入手できませんでしたが)、
この長い道のりを完璧に走り終えた座長・小越勇輝をたたえ、その青春を捧げてくれたことへの惜しみない喝采を送ることを切に願っていると思う。
うっ、もうほんとに今から想像するだけで泣ける。

ただし、そんな状況の中でも本人は基本的に淡々としすぎているように見えるので、もはやちょっと不気味ですらある。
プレッシャーを感じさせない。ブラックホールみたいです。
ブログはあまり更新してくれないのと、するときはするけど内容は気まぐれ、アイドルのような写真が上がったり、
かと思いきや全身個性的なハイブランドで決めたご近所ショットが上がったり、と、なかなかに振り乱してくれる。
ちなみに彼は、自我を発散する方向を全力でファッションに向けているのかなという感じもする。服オタもよいところだ。
そうだとすれば、そこらへんは年齢に相応するものというか、執着という意味でのある種の「人間味」を感じて、良いなと思います。
恋愛したり遊んだり、人間生活も楽しんでくれているともっといいなと思うのですが。(ババア目線)

そういった、彼の謎の生態を上手くレポートしつつ、素の魅力を引き出して紹介してくれているのが
テニミュキャストの周辺の面々で、特に多和田くんや松岡くんの「小越大好き感」「果敢に小越アプローチ話」
見ているこっちも「ア…お金を払ったほうがいいかな…」とすら思うくらい、臨場感と新鮮な驚きを与えてくれるものです。
こいつらはほんとによく出来た奴らだな~ と思いながら、目頭を押さえつつブログ巡回をしている日々でございます。
本当に、親戚のオバハンが、
「勇輝くん、お友達とうまくやれてるのかしら」
という超どうでもいいお節介を焼いているのに対して、別に応えなくてもいいのに、
「おばちゃん、だいじょうぶやで。ぼくらきょうゆうきくんとかんけりしてあそんだんや。おもしろかった。ほらしゃしんもとったよ。」
とニコニコしながら教えてくれる、みたいな感覚です。
うーん、重症だ☆


今書いておきたいこととしては、
きっと彼のブログのヘッダー写真は、テニスの王子様が終わったのを区切りとしてリニューアルすると思う。
今の風貌とあまりにも違いすぎているし、さりとて切り替えるタイミングってなかなか他にないじゃないですか。
個人的には、20歳のバースデーのタイミングで変更するかなと思ってたけどもそれはなかったので、とすると次のタイミングはテニミュ卒業だ。
そんなわけで、幼さの残る小越くんを見たい方は画像をキャプチャしておくのが良いと思います。
(これ↓)



<「小越勇輝」これまでの鑑賞歴(舞台)>
この「テニミュ」のところに書きちらしまくってあります。

矢崎広くんのこと

2014-07-02 | この人のこと

髪型で顔まで変わってくるこの人

矢崎 広(やざき ひろし)
生年月日:1987年7月10日
身長:178cm
血液型:O型
出身:山形県
所属:トライストーン・エンタテイメント
google検索結果:約 147,000 件
(2014年7月時点)


事務所プロフィール
本人twitter

ランダムにいきます。超個人的・イケメン俳優列伝。でも今のとこ全員テニミュ経験者だなぁ。
今回は矢崎広くんです。
愛称は「ぴろし」。
彼は、いまこの人を主力推しとして追いかけるのも、すごく楽しめるのではと思わせる「役者」だ。

彼の所属事務所は「トライストーン・エンタテイメント」。
先輩に小栗旬、田中圭、綾野剛。後輩に間宮祥太朗、坂口健太郎
という、ピンポイントで時代を捉えた感じの若者を揃えたセンスを感じさせる事務所だ。
この字面の並びだけをじっと見ながらひとりずつの顔を思い浮かべるだけでも、
採用している人のビジョンが感じられる(気になってるだけかもしれんが)ところがすごい。
全員、パッと見は地味だけどポリシーが強くて、顔というよりスタイルやたたずまいがよい。
ブリブリとしたアイドル売りはしないながらも、本音言います的な秘めた男気演出に長けており、
草食っぽいんだけどガッツリ男な感じのところが共通点だと思う。うーん、トレンドっぽい。
(ここで、あっ、そうか、綾野剛がこないだBAILA(集英社)のCM出てたのって
 坂口健太郎がメンズノンノ(集英社)専属だったりするつながりもあるからかな…
 みたいな妄想をしてあそぶ私)
そんな中にいる矢崎広である。
彼には枠を設けない方がいいと思う。
「イケメン俳優」みたいな枠に置かず、自由にしてあげればあげるほどに羽ばたいていくような風情を感じる。

彼も初見は「戦国鍋」だった。シズガタケの七本槍(初代)の「ひらくん」なので、何気に初回から出ているのが、
最初のころの印象はあんまりなかった。
そして当時はまだ私もイケメン見分け技術が浅かったので、個体識別ができていなかった。
どこでこの人にはじめて「おっ」と思ったかと聞かれれば、「大江戸鍋祭」である。
この人、意外と愛嬌があるぞ?と。そして、「歌、うまくね?」(「松の廊下走り隊7」キラキラ KIRA Killersという歌を歌っていた)
あと、このときあたりではじめて金髪にしたのを見たような気がするのだが、
あれ?意外と、っていうかよく見たらめちゃくちゃ綺麗な顔してない? と。「あれ? あれ?」がたくさん生まれた2011年末。
そして「横浜赤レンガライブ」。横浜を武道館に仕立て上げたのはこの男の声だった。
さらに「イケメン八犬伝」。あれ?いちばん声出てない?そして美人じゃない??
「早乙女太一公演」。脇を固めてる!芝居で脇を固めてるわ!!キュン!!
そんなわけで、もはや見事ウォッチ対象の一軍メンバーである。

矢崎くんのプロフィールで感じ入るところとしては、「山形県出身」である。
私は「北から来た男」というフォルダをなんとなく、頭の中で作っている。
その中に入れておきたい者としては

・松山ケンイチ(青森県)
・三津谷亮(青森県)
・和田琢磨(山形県)
・渡部秀(秋田県)

などが挙げられる。古くは、ギバちゃん(柳葉敏郎)などがいる。
ちなみに、仙台がある宮城はちょっと都会なので、北国から来た男ジャンルから除外しておきたい。(本郷奏多くんなど。)
北海道も北国なんだけど、ちょっともうここは別の国扱い。どさんこはまたちょっと違った味わいがあるじゃないの。
似たようなカテゴリに「九州男児」というものもあるのだが、これもできれば福岡勢を除いておきたい。

要は『周辺部』ということだ。
こうしたところからエンタメ業界にやってくる人に興味がある。
なぜなら、絶対的な人数が少ないはずだからだ。
そして、こういう田舎から上京して人気者になる、というのは、なんだかんだ言って、結構なハードルである。
矢崎くんは、wikipedia情報によれば、高校を出ずに、芸能界に入るために上京してきたのだという。
実際のところどのような状況だったかはわからないので文字面だけ見て判断になるが、ものすごいハングリー精神だと思う。
15才の少年と、15才の少女がいたときに、すぐに商品になりやすいのは少女の方だろう。女は花開く時期が早いのだ。
それに対して男子はどうかな。アイドル以外のやり方で、どこまで売れるか。
矢崎くんはよく見ればとってもかっこいいけど、テニミュの役も「地味’s」だった。地味の役だ。
10代後半の時期にどんな仕事をやっていたのかはわからないけど、世の中には気づかれていなかっただろう。
でも、早めに気づかれて、消費されなくてよかったんじゃないかと思う。
その時期になにか、雌伏しつつも積み上げていたものがあったのではないだろうか。

そんなわけで、若竹のように、という時期はもはや逸しているかもしれないけれど、
彼は最近、いろんなものが一気に有機的につながって枝葉をバッサァと広げ、茂ろうとしているような転換の気配を感じる。
先日、デヴィッド・ルヴォーという有名海外演出家がやってきたときにあったワークショップ。
この公開ワークショップを受ける若手俳優の中に、矢崎くんの名前があった。
「こういうところに出てくるのか」と思った。本気だ。(ぜひ見たかった。)
そしていま、界隈で話題の演劇ユニット「なかやざき」。
「柿喰う客」の中屋敷法仁とのコラボレーションだ。
ちなみに、中屋敷くん(勝手にくんづけ。彼も同い年なので親近感を持っています。ごめんよ。)は、
バランス感覚のいい『翻訳者』的存在であると思う。
挑戦的なことをやるかと思えば、先輩作家たちと協業して、昔の名作を手がけたりする。
よく勉強しているんだと思う。
そして、もはやイケメン狂いとバカにはできないほど大きな財布を持ち、
演劇界をたしかにささえるわれら観客の“腐女子的”な感覚もどうやら、わかっている。
ということは、この池に投げた石がものすごい宝石になって戻ってくることは保証されているでしょう。

そんなわけで、ここからの矢崎広には、正直、期待しかない。
実はあまり生で見たことがないのだけど、単体の魅力として、私の中でものすごく高い俳優なのがこのぴろし氏なのだ。
これから出来るだけ見に行ってみたいと思っている。
とりあえずは「ジャンヌダルク」に行きたいなと思っています。秋だな。

<「矢崎広」これまでの鑑賞歴(舞台)>
■大江戸鍋祭
赤レンガライブ
里見八犬伝
神州天馬峡(早乙女太一公演)
る・フェア