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スカーレット手帖

機嫌のいい観客

ラ・ラ・ランド

2017-03-01 | 映画ドラマまんが
初めて買ったシングルCDは大黒摩季「ら・ら・ら」でした。

それはそうとして、話題作「ラ・ラ・ランド」を封切り翌日にさっそく見た。

この作品、
「ララランド」ではなく
「ラ・ラ・ランド」ということが重要である。

つまり、
「ラララ~♪
ではなく、
「ら・ら・ら(哀)」
であるということを強く申し上げたい。


これは相当なイメージの違いであり、
CMの打ち出し方などを見ていると、興行側も意図的にそのようにプロモーションしているとしか思えない。

・「アカデミー大本命」
 ※アカデミー初・「アカデミー作品賞を覆された作品」になっちゃったけどなんだかんだで6冠受賞
・「踊り出すカラフルな衣装の男女」
・「気鋭の若手監督渾身の1作」

とか言われたら、観客は結構な圧で「ラララ~♪♫♪♬!!!」が来ると思うではないか。
それが、メインは哀感である。
この読後感、みんな、打ちのめされて出てくるのではないか。
ミュージカルという形態を取った、夢と青春の日々を描いた恋愛ムービーだった。

ロサンゼルスで夢を追う男と女。
男・セブはピアノ弾き。こだわりのオールドスタイルジャズメンで、商業主義と相いれない。
かつての名店が「サンバとタパスの店になり下がった」と言って怒り、看板をバキバキに壊す。勝手に自分の曲を弾く。
自分のジャズハウスを持ちたいが、尊敬するチャーリーパーカーの愛称にちなんで店名は「チキンスティック」にするんだと譲らない。
ちなみに当方、大学時代はジャズ研である。
いろいろとよみがえる。
やったよな、ベイシー、クインシー、アートブレイキー。
いたよな、こういう人。
いろいろあったよな。
うんやめよう、もう思い出すのはやめよう。

女・ミアは女優を目指すカフェ店員。
オーディションを受けまくるが落ちまくり、渋滞から出られない、業界のパーティーでよくわからない付き合いに巻き込まれる。
ジャズは好きではない。
車はプリウス。

この二人が、わりとトレンディドラマ的な展開で出会い、記号のように引き寄せあって、また理のように離れていく、という時間の経過を追った、ただそんなひとときの話なのだが、感想としてはこれに尽きる。

ラスト10分、思いがけぬ再会からの展開に
なんだかとにかくびっくりするぐらい泣いてしまった。


「ラララ~♪♫♪♬!!!」を期待して何か物足りない気になっていたそれまでの2時間がふきとばされた気分であった。
「人生は一度」ということを、こういう表現で叩き込まれたのは初めてかもしれない。
今、上手に渋滞を抜けて分岐できた道は、今だからなのだった。
あの時は出来なかった。
あの時はこう生きるしかなかった。
タラレバは無いのであった。
This is real. That is la la land. ということなのだった。

「la la land」というタイトルがすばらしいのは、
あまりこの俗語の意味が分からない日本人にも、なんとなくイメージが伝わってくることだ。
ネットの辞書を引くと、


la-la land

1.〈米俗〉〔麻薬や酒に酔ったときに味わう〕陶酔境、恍惚、我を忘れた境地◆La-La Landとも表記される。
2.〈米俗〉ハリウッド、ロサンゼルス◆ロサンゼルス全体を指すこともあるが、特にハリウッドについて使われる場合が多い。


とのこと。

でも、「la la land」の境地というのはどういうことか、なんかわかるでしょう。
「ら・ら・らんど」。すばらしい哀感。
ところで一緒に見に行った夫が、時々「ド・ド・ドリランド」と小さな声で口ずさんでいる。

『同級生』の何がそんなにすばらしかったのかという話

2016-02-22 | 映画ドラマまんが
恐れ入りました。「同級生」。封切り日に行ってきました。

すばらしい。

私、最近(よくツイッターでぼやいてますが)仕事でまあなんだかわけわからない多忙が極まっており、
今週も明後日から週末までが仕事の佳境。
とにかく細々とした調整に四六時中追われている。
そんな中公開されました本作、封切り初日が 2/20、そして本日2/22。
はやる気持ちを抑えることが出来ず、
恐るべきことに、ランチタイムつぶして仕事の合間に今日2回目観に行ったんですよ私。
だってまあ本当にすばらしかったんだもの。

きょうもまだまだ帰れないので、残業しながら感想をふりかえってみたい。
この作品、精魂籠った名作にも関わらず、いうてもニッチ層狙い撃ち作品なので、
長期間上映はあまり考えられない。
だからちょっとでも気を惹かれた人は
仕事帰りでもいいから洩れなく上映中の映画館にスライディングして頂きたいとの使命感から、
思いのたけを早急に述べて公開したいという思いでつづります。

あらすじはなんということもない。
同じ男子校に通う、タイプの違う同級生男子の交際についての話です。
佐条利人(メガネ秀才)と草壁光(モテ系バンドマン)。
私は原作を知ったのは4~5年前ぐらい。BL界では名作にも関わらず、
あんまり詳しくはなかったので認知が遅いですね。
じつは続編の「空と原」から入りまして、ハラセン(原先生)の報われないおじさんぶりには笑いました。
中村明日美子さんは非BLもよく書かれている漫画家さんで、
ちょっと暗い・凝った作風の人という印象が強かったので、
「同級生」シリーズもそういう感じなのかなと思っていたのですが、違った。
確かに影はあるけど、さわやかな風が吹いている。

そしてこの作品、読めば読むほど、もうこの
「不良×メガネBL」みたいな、
左が攻めで右が受けでキャラが一言でいうとこのタイプで、みたいな、
そういう記号で伝達できる情報以外のところがすごい作品で、
ちょっと別格だと思えてくるんですよ。ホントに文学作品のようなのです。
そんで、その原作の別格感をちゃんと今回の映画が表現している上に、
映画じゃないとできないことも付加している。すごいっすよ。
下記、ネタバレ含め書きますね。


●同級生という設定の「フラットさ」が愛おしい

『同じ制服、同じ靴、同い年で同じクラス。』

原作はこれがまあ丁寧に、リアルに感じられるようにこざっぱり描いてあると思う。
同性の同い年が集まったところでは、
不良もまじめも、バカも内気も、ある意味全員フラットである。
キャラは色々でもお互い否定し合うことはないし、イベントごとになるとわりかし団結する、
という話を女子校出身者からはよく聞くので、
そういう感じが男子校にもあるのではないか、そして男子のほうがより自意識が無い分カラッとしているのではないか。
冒頭、話のきっかけになる合唱祭なんてあんまり想像つかないですけど、
異性がいないことで逆に「ありそう」という気もする。
(いずれにしても私自身は終始一貫公立共学育ちの女なので、適当なこと言ってそこに夢を載せて見てもいるんですがね。)
勉強が出来るクールな佐条くんもバンドやって派手な見た目でモテ系な草壁くんも、
それはそれ、これはこれでフィフティフィフティ。そして二人とも結構素直に生きている。
その素直さには若さを感じるからイイネ。

そしてこの二人が恋愛関係に至っても微妙な均衡を保ちつつ、
思いあう気持ちがフィフティフィフティになるように探っていくようにも見える、
その過程がとても素敵なのでございますよ。
決してどちらかがどちらかを獲得する物語ではなく、どちらかが女の代わりではなく、
ソウルメイトを探すがごとくのお話なので、真摯でときめくのですね。
うまく言えないんですが、数あるBL同級生ものの中でもこの設定をまっすぐに捉えて、
人間関係を丹念に描き込まれているところにグッとくるのかな。


●「萌ゆる若葉」を丹念に描くのが萌える

とにかくモチーフが「萌ゆる若葉」です。
合唱曲も萌ゆる若葉、夏も空も春も、めぐる季節に葉っぱが第3の主役かというぐらいに出てくる。
新緑が紅葉が美しく描かれる。
水分たっぷりの葉っぱが青空に映えたり、雨を受けて葉がはらりと落ちたり、
赤く色づく2枚の葉が強調されたり、月夜を葉越しに映す画が出たりで、
そしていつも人物と背景がきれいに重なって世界観ができている。
まあとにかく絵がすばらしいです。どの場面も一枚絵のように色彩がきれい。
こんだけリフレインで葉っぱを出されると、
「若葉のころ」という往年のキンキキッズ主演ドラマをちょっと思い出しますね。

ていうかこの絵の作りこみには相当手間がかかっているだろうに、
前面に出てくる印象が「技術」ではなくて「気持ち」のところであるところがすごいぞ。
作り手の信念岩をも通す、という感じがすごいありまして、
さっきからもう「なんか」と「すごい」しか言ってないけどもう、
なんかすごい。


●ギター、炭酸 気持ちがはじける小さな効果音が せせせせせせ繊細

せせせせせは誤植でございません。繊細さに対する興奮の心境でございます。
これも同じくリフレインの効果ですね。
草壁と佐条の気持ちが動く瞬間に、いつも甘酸っぱい音がする。

一つはギター。
アルペジオというほどには音階がしっかりしてない、
開放した弦をはじいたあとの「キーン」という残り香ならぬ、残り音。
ギターをやっている草壁を連想もするが、彼が弾いてるエレキではない。
もっと暖かいアコギの音。それの溜息のような些細な音ですよ。

そして炭酸。
このシリーズを通じて主役のふたりが愛飲するのが「KIRIN NUDA」。
これの「しゅわしゅわ」という泡の音、ふたを開けた「ぷしゅ」という音、
ボトルの中で「ことり」と揺れ動く液体の音、
液体がこぼれたところに向かってカラカラカラ…とふたが転がっていって
コンクリの地面から液体に触れたときの「ぱちぱち」という音までも。
そんな繊細な音が聞こえるほどに穏やかで、繊細な関係なんですよ。このふたりは。
かすかな音が、二人の間の「間」を演出している。すごくない? これすごくない?
ていうか今でこそ無味の炭酸飲料てメジャーになったけど、
07~08年の段階でキーアイテムに採用する明日美子先生は本当にハイセンスですね。
そしてまあ漫画の段階では音ナシですけど、その意を汲んで
(ほんとにそんな意があったかわかんないですけどね、ごめんなさいね思い込みで)
10年越しの映像化で完璧なまでに絵と音で表現している制作陣の阿吽の呼吸というか、すごい執念を感じる。

いやー、この効果音とイメージ、
なんというか小学校国語の名作「赤い実はじけた」を彷彿とさせます。
ぜひとも携帯はマストでバイブレーションも切って、耳を澄まして聞いてほしい。
五感を研ぎ澄ますまじめな恋の音が、本当に丁寧に描かれているから。


ちなみに絵と効果音の話ばっかりしているが、
もちろん声優さんのプロのお仕事を見たな、という感もある。
BLだけどそんなにしっかりしたラブシーンはないので
(息を飲む)とか(見つめ合う)とか(セリフの間)という
この声にならない声の表現に全力注がれている感もあった。とくに佐条くん。
佐条くんはボーっとしている部分が強調されると駄目で、
何はなくとも賢そうに聞こえないといけない、
そして静かだが決して押しに弱い男ではない、というこの難しいラインが絶妙に完璧でした。(CV野島健児)

しかしとりわけ、
草壁がよっぱらった佐条を心配するシーンのあわてふためきぶりと、
あとラーメンズのセリフ回しを言うところが好きです。
あれでこの映画の草壁のことを信用したよ。(CV神谷浩史)



という感じでなんだかよくわかりませんが、とりあえずもう文章をリリースするぜ。
同級生、早めに見に行ってください。(最近締めがそればっかりだぜ)

チョコレートドーナツ

2014-06-04 | 映画ドラマまんが
仕事がヒマなので映画見て来たシリーズその2。

ミニシアター系で異例の大ヒット作、ということで気になっていた「チョコレートドーナツ」も観てきました。


ヒマなのよ。本当に。タスケテ。


個人的なこととして、ミニシアター系のタイトルは毎回意図をどうにも汲み取りづらいものが多く、
逆に題名で観に行きたさが削がれる場合も多いんですよ。
「コレ、最高やで!」という感じで作品買いつけてきた会社の人の並々ならぬこだわりが込められてるんだろうな
とは思うんだけど。
で、これもなんか題名覚えづらいなぁと思って観に行ったのでしたが、原題「ANY DAY NOW」ということで、
メッセージはそういうことかと思った。
確かにこれを「いつの日にか」みたいに訳しても逆にふつうすぎてしょうがねーな。
チョコレートドーナツでいいと思います。覚えにくいけど。

ストーリーはざっくり言うと、ゲイカップルがふとしたことから障害児を手元で育てることになり、
満ち足りた暮らしを送りはじめるも、世間の厳しい偏見にさらされ… というかんじ。
テニミュの世界では「明るく楽しい 笑ってナンボ ラララゲイゲイゲ~イ」と、男子が踊り狂い、みんな大盛り上がりなのだが、
こちらの作品はなんだかとてもリアルな話だった。泣いた。普通に暮らしたいだけの3名がとにかく、満身創痍だ。
まあ正直、私はゲイについては、なんだかんだコンテンツに触れてわかっているような気がしているけど、
フィクションでしか見たことないので、本当にあるのかな?と思う。
まあ、これも自分が「普通の人」の立ち位置だからなんだろうけれど。
創作物としてのBLが楽しいのも、単に「いわゆるタブー」な関係における恋愛が生む葛藤と、それを乗り越えて
想いを遂げる恋人たちの気持ちと行動を興味深く見てるだけだし。
この映画のなかで言えば「股間事情に興味がある」それだけだ。
この映画、裁判のシーンがよく出てくるけど、証言したり判決したりする関係者に女性を絡めているのが面白いなと思った。
なんかホモフォビアって男性中心のイメージがあるけど(個人的にか)、そうでもないんだよなとか、
白人で男性で社会的地位のある男性も、同性愛者であるという一点で埒外の扱いを受けるというのがリアルだなぁというか
なんというか。
そしてそうなることで、本来は「弱者」マルコの庇護者になれるはずだったポールも一気に「異常なもの」となり
基盤を失うというのもドラマだ。

ということでなんかもうこれまじめにLGBTとジェンダー論絡めていろいろ考えて語り出すと
一晩酒でも飲みながら喋りたい沼に落ちるパターンなので、これだけ言っておきたい。
主演のアラン・カミングの目の演技がすばらしい。
この人初めて見たけど何この素敵なお姉さまは、と思いました。涙袋から愛情ダダもれ
そして法廷の「ちゃんとしなければいけない」シーンでも、かすかにアイラインとかマスカラが残ってる(?)ところが
いいよね。
完璧にゲイを隠して生きていこうとしている恋人とは対照的に、本当の自分を隠すのに抵抗したい気持ちが
よくあらわれていると思う。
とにかくアラン演じるルディのキャラクターが愛の化身みたいな感じなので、一気に気持ちを持っていかれる。
歌もとてもうまい。情感があふれている。

ってか、よく考えたらばこの恋人の組み合わせって、「きのう何食べた?」と似ているじゃないの。
(あのマンガも、のほほんとした中に時折殺伐とした香りを醸し出すので愛読しております)
マイノリティの立場でも、悩みもご飯食べたらなんかおさまる、というぐらいの世界の方が、
退屈でもぜんぜん素晴らしい。チョコレートドーナツがもう食べられない世界はさみしいね。



★楽しくなるゲイソングはりつけときます★
【テニミュ2nd】ゲイ術的なテニス【一氏ユウジ&金色小春】


醒めながら見る夢

2014-06-04 | 映画ドラマまんが
最近、仕事が暇すぎる。
なんかやれよ、って感じだけど、意欲がわかない。5月病かもしれない。仕事飽きたぜ。
ということで、ぶらぶらとエンタメ消費をしているここ最近です。

村井良大くんのファンを自認するものとしては一応押さえておかねばならない映画「醒めながら見る夢」を観てきました。


舞台も見ていたので、まあ、あんまりおもしろくないだろうなとは思って行きました。期待値30点ぐらい。
でもわりと、その気持ちで行くとそれをだいぶ上回る感じに仕上がったなー、と思いました。45点ぐらい。
ただし、観る人を選ぶ作品ではあると思います。ていうかこりゃほんとに売れねぇだろうなぁ。よく制作のお金が出たよね。

本当にこの作品、なんでわざわざ映画にするんだろうなぁとは思ってました。
舞台版で主演を堂珍くんにしたのは音楽劇だったからで、劇中でいろいろ歌ってたから、というのはわかる。
そしてヒロインの村川絵梨ちゃんが上手かったからまぁいっか、って感じだった。
あと、作品自体が全体的になんというか白昼夢みたいな感じなので、
この浮遊感は舞台だからなんとか保っていられるけれども映像になるとすると…… 
こわいなー、こわいなー、と思いながら公開を待っておりました。

で、ふたを開けてみたら今回は映像になるにも関わらず誰も演技がうまい人がいないのだ。これはビックリだ。
堂珍くんのレベルに周りを合わせていったらこうなったのでしょうか?
ソフィアの松岡くんはともかくとして高橋ひとみさんまでこんなに下手でしたっけ??
と、無駄な八つ当たりをしたくなる次第です。
緊縛師の人とかポールダンサーとかほんとに素人の人もりだくさん。どう見たらよいのか。
そして今回ヒロインになった高梨臨ちゃんと妹役(こっちがヒロイン?)の石橋杏奈ちゃんがなんか似すぎている。
かぶる。こんだけ似てたら姉妹両方手を出したくなる気持ちはなんかわかるわー、…ってこの映画唯一の共感。
村井くんは、なんか難しい役をやってた。作務衣似合うね。
ただ、彼については尺が短すぎてどうキャラクターに共感したらいいのかわかりませんでしたね。
ここのサイドストーリーのほうが深堀りしたほうがいいんじゃない。

最後になんだ、あの川原での石の積み上げ方は。
賽の河原でひとつ積んでは父のため、ふたつ積んでは母のため… というやつを思い出して
悲しくなりかけたのだが、とちゅうから積み上げすぎで笑ってしまった。
雪だるま作ろうじゃないんだから。積みすぎ。

話は崩壊している(想定済み)し、演技はできてない(想定以上に)し、
ほんとに、舞台が京都じゃなかったら全てを投げ捨てて帰るところだったかもしれません。
でもべつに、話的に京都である必要ないんだけどね。

京都のロケーションに40点、村井くんの京都弁に5点、という感じでした。
村井くん、そのうちちゃんとした映画に出れるといいね。

乾杯戦士アフターV -私はパロディでしか満たされない身体になってしまった-

2014-05-14 | 映画ドラマまんが
観劇は基本的に週末のホビーなので、平日は家に帰ってテレビを見ている。
さて、最近自分が定期的に見ている(基本的に録画視聴だけど)テレビ番組のことを振り返ってみると、
下記のようになる。(深夜帯番組は前日にカウント。名古屋地区在住です。)

日曜日:僕らの時間
    烈車戦隊トッキュウジャー
    仮面ライダー鎧武
    ハイキュー!!
    軍師官兵衛 ※ほぼ脱落

月曜日:さんすう刑事ゼロ 
    モテ福

火曜日:乾杯戦士アフターV
    ボイメン★騎士

水曜日:(とくになし)

木曜日:最後から2番目の恋 ※録画消化できてない

金曜日:アリスの棘
    A-studio
    弱虫ペダル

土曜日:DISH//だし!


特撮とアニメとトークとバラエティ。で1週間がおわる。
昔あんなに見ていた連続ドラマは実質いま1本(アリス)しか見ていない。
何故ならぜんぜん入りこめないのだ。医者と刑事ばっかりだし。
(アリスの棘も医者だけど、上野樹里の魅力でなんとか今のところ持ちこたえている)

なんか、昔に比べてテレビへの集中力がなくなってきたのかもしれないと思う。
ほとんどみごとに30分枠のものばかりしか見ていない。
あと、何かこう、「ほころび」の感じられるものを見ようと思うとこういうセレクトになってくる。


そんな中でもやっぱりグッとくるなあこれは、と思っているのが
「乾杯戦士アフターV」である。


ヒーローたちの、戦いの後の飲み会の様子だけを描いたコメディドラマだ。
戦国鍋テレビと同じく、独立局が制作委員会方式でやっているこの番組。(私は三重テレビで見ています)
情報解禁時からの、主要支持層へのアプローチのしかたがずば抜けて上手かった。
SNS駆使しすぎ。
まずこのプロモーションビデオがやる気まんまんすぎる。



主題歌が良いと思う。
「戦いの後のひと時 正義のための集まり
 みなぎるパワーの源 アフターファイブ」
つい口ずさんでしまう。

とにかく全編「戦隊あるある」「そこ突っ込むか」というのでできている。
たとえばさっきのOP曲でもグリーンの敵の倒し方が、『車のドアを開けて閉めるだけ』というのも、
いわゆる赤(熱血)青(クール)黄(お笑い・大食い)ピンク(紅一点)と比べると、レンジャーの中では影が薄くなりがちな
グリーンの人の、適当な仕事ぶり、という感じがして笑う。

悪の組織はすごい技術を持っている、という話をしているときのピンクのセリフでは
「こないだなんかさ、なんでも溶かす胃液吐く怪人と闘ったじゃん?
 あれ、胃液作ったのもすごいけど、それを入れとく容器を作ったってのもすごいよね」
まさにその通りだと思った。

あとは、飲み会でうるさい上司(ラメゴールド)が登場したり、
アフターVを監視するつもりが逆に助けてしまう、悪の軍団(総帥(料理長)と手下(ホール係))がいたり、
リーダーなのに新入りなので熱血が空回りするレッド、イケメンだが何も考えていないブルー など人間ドラマぶりが面白い。
毎回毎回は割と薄味なのだが、連続で見たらけっこうおもしろかった。味わいぶかい。

本編はダラダラとした会話しかなくて、しかも居酒屋(にじゅうまる)とカラオケ屋(カラオケの鉄人)のガッツリとした宣伝でしかないのに
こんなに面白いのがすばらしいと思う。

そもそもやっぱり、パロディというのは頭を使うことだと思う。
二次創作とかもそうだけど。モノマネも。
本人が調子乗ってたりするだけのやつはイカン。
全力で、元ネタをリスペクトした上で、いかに少しずつハズシとツッコミを入れていくかというのが大事だ。
枠組みだけで面白いことがわかっているところの、さらにディティールをどう磨いて、面白くしていくか
というところが力の見せどころだ。
全力でパロディをやっているところに、にじみ出てくるオリジナリティ、クリエーティビティがある。
作っている人が、戦隊モノが好きなんだな~ とわかるところがアフターVのいいところだ。
(そう考えると、テニミュもパロディだな)

そして、パロディだからこそ、そこはかとなく根底を貫くB級感マジック。
『(メジャーなはずの)テレビの電波を使っているはずなのに、なんだかマイナー』
これは最高のポジションだと私は思う。
こういう彗星のような番組がたまに現れて、局地的に輝きを放ちながら消え去っていくのを見るのが楽しい。

アナと雪の女王 -レリゴー(そこそこ金があれば)-

2014-05-09 | 映画ドラマまんが
今更ですが、アナと雪の女王を見ました。(2D字幕)


レリゴーで一躍話題の作品なので、もはや感想としては、
『噂にたがわぬ、よいレリゴーだった』
『おマツさんもうまいが、英語のほうがよりレリゴー感が強かった気がする』
『ところでサヤカはいつのまにあんなにロリータな感じになったのだろう』

などというどうでもいいのが第一に挙がってくるのですが
それ以外でもストーリーでいろいろと思うところもありましたのでメモしておきたいと思います。

ストーリーはもういろんなところで散々出てるんでなんとも言いにくいですが、
ふれたものを氷に出来る能力を秘めた姉の女王エルサと、それを知らない妹の王女アナが
長年のゆき違いでお互いをわかりあえずいったん決別するものの、なんやかんやあって仲直りする姉妹愛のドラマです。
とくにエルサが閉じ込めてきた自我をレリゴーするときの(let it go、ありのままの自分らしさを見せる)
メッセージ性強い!みたいな感じで評判です。

ミュージカルアニメなので、歌がすばらしいし、あとは今回2Dだったけど、氷や雪の表現がすばらしい。
あとは、ディズニーピクサーをみるといつも思う、西洋人の顔筋の動きの豊富さ。イイ!!
あっというまに見終わりましたが、キャラも背景もすごいいろんな技術が詰め込まれてるっぽい動きしてました。

ということで総じて満足度の高い映画ではありましたが、
こと映画・演劇は見終わってからいかに反芻するかというところまでがワンパッケージだと思うので
おおいに反芻していろいろと考えていました。

正月に「かぐや姫の物語」という映画を見ましたが、時代背景と舞台になる国が違うとはいえ
女の生き様の描き方として、違う方向での深め方があるもんだなぁとなんだか感心してしまいました。
ただ、かぐや姫の方は、彼女の生き方をしばるじーさんばーさん(とくにじじいの方)が
「この娘の高貴な方との結婚こそがすばらしいことだ幸せだ」という純粋な眼をして存命な一方で
アナとエルサは保守的な父母が不幸にも居ない(死んでしまった)という状況で、寂しいんだけど物理的に自由になれる状況ではある
というアドバンテージ(?)があるのがいいですね。
親離れあってこその自由だ、自意識発露だ、ということも言えそうです。

あとは、金あってこそのレリゴーだ、という身も蓋もないことも感じました。
レリゴーになる前から、彼女たちは王家の人間なので、単なる秘密を持ったしっかり者の姉と無邪気な妹というだけではありません。
セレブです。
セレブリティなので、山小屋で売られている数少ない冬ものや、氷売りの兄さんが買えなかった人参も買い占められるし、
谷底に落としてダメになったそりも耳揃えてバージョンアップして返してあげられる上に、
王家御用達商売屋としての看板も付けてあげられるし、
国民をいきなり真冬の状態に追い込んだくせに、最終的に氷のリンク作ったからなんかいろいろなかったかのように喜ばれてるし
いろんなことが金と力(魔力というか権力でしょうか)でトントン(プラマイゼロ)になってるのを感じました。

ただ、ここんとこはべつに私は批判してるわけでもなくて、これはこれでいい女性像だな、
というふうに思いました。
ディズニーアニメも、時代は王子様を待つお姫様ではなくて自立するヒロイン像みたいなのを目指してます!ガツガツいく!!
みたいな時期もあったかなと思いますが(そうなるとだいたい野蛮系ヒロインになってしまうが)、そういうのも乗り越えて、
別に王子様に全部をゆだねて救ってもらわなくても(まあけっこう妹は氷売り青年には助けてもらっているが)、
自分たち(女の力)で解決できる問題もあるし、だからってそれが男性に助けてもらうということの対立軸になるわけでもないし、
そしてなんかしてもらったり迷惑をかけたら、ちゃんと自分の身の丈で出来るものでお返ししていく、という姿勢がいいんじゃないでしょうか。
と思ったわけです。
若さと美貌だけで全部チャラになってたり、ヒロインはどう見ても美人なのでとくに何も持ってないけど一人勝ちでなんかお得、
みたいなのは、子供のときは夢があるけども大人になればなるほどに、うーん、って感じですからね。
そして、アナとエルサはたぶん別にめちゃくちゃ美人でもないけど先天的金持ち(もしくは力がある)なので、
いろいろ(傍から見てたら単なる乱心にしか見えないことを)したものの、最終的にはその実力をもって出来る範囲でのギブアンドテイクを実行しており、
それで周りにも認められてるので全体的にハッピーになれたように思います。
けして王子様とか他からもたらされた、降って沸いた資源でギブアンドテイクしたんじゃないとこがポイントだな、
と、感じました。

というのも、女王様というもののナチュラルさについてちょっと驚いたこともあり。
けっこうこれまでのおとぎ話って、「女王様」って悪者になりがちじゃなかったですか?
女だてらに権力持ってて、感情的で、悪だくみで… みたいな潜在的なイメージってけっこうあると思います。
でも今回はべつにそういう描写があったわけでもなく、女系一家だけど婿取り問題が発生せず自然にお姉さんが即位して、
(姉のほうはパワーの抑圧に悩んでいるが、即位に悩むような感じは見受けられない)
ここんとこもまあ洋の東西での文化の違いと思えばそうかもしれませんが、
ふつうに能力があって資格があれば、その仕事をしっかりする、という
自立した女たちの姿が受け入れられているということかなーと思いました。

そんな、ふつうの、自立した、そこそこ金をもった女子たちが、
肩ひじ張りすぎずに、もともと身に備わっていた問題の自己解決力を開花させるという話
かもしれないな、
というふうに超個人的には感じたので、
けっこうへんな解釈だと思いますが、そんな文脈で私にはグッとくるところがありました。

まあ、ここまでくると姉妹(役割)や女(性別)の話というよりも人間力の話かもしれませんけどね。
となれば、要は、愛だよね。
あと雪だるまかわいい。

ということでなんやかんやで普遍的な人間の話になりました。と
すぐれた作品はいつのときも素晴らしいヒューマンドラマである、ということで今回はまとめさせていただこう。

夫婦善哉(やっぱ藤本有紀脚本)

2013-08-27 | 映画ドラマまんが
ご覧になっているだろうか。

NHKの土曜ドラマ、夫婦善哉

先週の土曜日から始まりました。
第1回、見ました。
もうやばいっすこれは絶対に見たほうがいいです。
贅沢な作品です。

大正時代の法善寺界隈からはじまる、芸妓とぼんちが繰り広げるあほな道行。
脚本:藤本有紀!
主演:尾野真千子×森山未来!!!


なんといっても尾野真千子が結い上げ髪が似合いすぎてやばい。
おきゃんで、情の厚い、苦労性だけど笑って乗り越える浪花の女。
んも、ぴっっっっっったり!!
である。
カーネーションの役柄よりも、もちょっとかわいげのある女だと思うので、
そこががっつりかぶらない感じで進んでくれたら個人的には大満足である。

森山未来のダメ男、ぼんちぶりも、「モテキ」で獲得した
演技の幅を活かしている感じでよい。
ただし第1回を見た感じでは、まだオノマチ先生に負けている。
若干若さが出てしまっている。
もうちょっと全力でダメになっていってほしいものである。
ただしこの男の色気はやはり他の人に真似の出来ない感じがするので、見つめていきたい。

とにかくこの演技の上手い主役二人がネイティブ関西の人なので、
自然な大阪弁(と、私は思うんですが。どうかな)の応酬が
美しい旋律のようにもきこえてきて、ステキである。
学生時代、日本語学をかじっていたためこのへん、微妙に方言フェチが登場しますが
関西方言は一語というより、文(文節)全体でイントネーションを作るので、
単語レベルのアクセントのコピーを行っても、それだけでは自然な西の言葉にはならないのである。

そこに絡まる路上のトランペット吹きのジャジーな響きが、
いかにも大正モダンで、じわじわ体温があがりますよ。

第1話は、食道楽の柳吉が、大阪のきどらないおいしいもんを蝶子につぎつぎと紹介して
一緒においしそうに食べながらふたりの距離が詰まっていく様子が、すばらしかった。
卵の乗ったカレーおいしいよね。船場といえばあのカリーですよね。


さらにNHKファンへのサービスシーンも盛り込まれすぎである。

ふたりが立ち寄る高座に上がってる噺家の名前が「徒然亭」である。
→「ちりとてちんか!!」

草刈正雄の背後に「壺」の壁掛け。
→「美の壺か!!!」


役者もツボをくすぐるキャスティングが多く、

・青木宗高/桂吉弥(ちりとてちん・徒然亭のニイサン方)

・火野正平(BSで毎週自転車乗って日本中走り回っているオッサン)

・田畑智子(私の太陽の主役。この人もほんとに脇役で輝く人ですわ)

・佐藤江梨子(その街のこども で森山くんと一緒に出てましたわ)

他にも山村紅葉さんやら麻生祐未さんやらオール阪神さんやら
HP見てたらまだまだどんどん出てくるらしいけどもうなんか…たまらんね。


という、NHKフリークにはたまらない仕込みがいろいろとあるのである。
いやぁ、正直半沢直樹より、個人的には今季のベストヒットはこのドラマになるな。
暫定1位、夫婦善哉。2位はFree!だ。(←アニメやんけ)


それにしても「ちりとてちん」しかり「清盛」しかり、
藤本有紀さんの脚本作品はとにかくやっぱり世界観が出来あがっていて、
演出も細部までネタが詰まっていて、とにかく粋なものが多い。
おそらく脚本だけの力ではなくて、NHKの制作チーム自体が
妙にここだけ気合いが入っているような気が私はしてしまうのである。
このNHKのやり口に私は大賛成なので、
もっともっと、こちら(見る側)の文化熱を刺激しまくるような映像作品を
これからも作っていってほしいことを声を大にして(ブログではあるが)お伝えする次第である。

キス -ピアノ男子の魔力

2013-07-16 | 映画ドラマまんが
中学生のときに読んで衝撃を受け、
以来絶妙に影響を受けながら齢29を迎えようとしている今年、
「キス」(マツモトトモ作)を、改めてデータで買い直して読みはじめた。
いやほんとに急に読みたくなったものでして。
単行本も全巻あるんだけど、実家に置いてあるんすよ。




このマンガは、端的に申しますと

「ツンデレピアノ講師とその生徒(女子高生)の恋や日常やあれこれを
 印象的な楽曲のイメージでつなぐスタイリッシュラブストーリー」

です。
いや、でもそれだけじゃないんだよー

作者の乾いた独特の美意識が、他にはない稀有な魅力を醸している。
最初の方とか、絵はさほどうまくないのだけど、
余白の使いかた、間のとりかた、やら

基本的に全員美女と美男で、生身な感じがしないのに
なぜかはさみこまれるギャグに生活感があって、
虚構だけど虚構でない感じ、憧れを抱かせる感じ とかが

たまらん。

16才(女子高生)と24才(ピアノ講師)の関係性も面白く、
カエちゃん(女子高生)が先生(ごしまくん)に追いつこうと必死になっているうちに、
先生がいつのまにか振り回されているんだなぁ。
大人っぽさのなかに若造感があって、たまらん。
ゴシちゃん、かっこいい。


ピアノ講師:五嶋

でも、
アマゾンのレビューにもありましたが、
これが学校の先生と生徒だったら成立しない話だったのでしょう。
単なる生々しい年の差ものがたりになってしまうんだ。
でもそうじゃなくて、先生の「ピアノ」という、『才能』に惹きつけられる少女という、
そこらへんのかぐわしい感じが、
他にないえもいわれぬおもしろさを醸しているのです。
「キス」というあけすけな題名を持ってきてもぜんぜんいやらしさはない、
むしろ様式美のようにも見えるわけです。
(大絶賛)


この「キス」が単行本として出はじめたのが96年、
折しもこの96年というのは、日本恋愛ドラマ史上における金字塔作品、
「ロング・バケーション」が世に放たれ大ブームを巻き起こした年でもあり、
不器用なピアノ講師を演じる木村拓哉当時23才の発する
はにかみ気味なセクシービームにやられてしまった人続出、
ひいては「ピアノを弾く妙齢の男子」に対する女子の目線が一気に
「おぼっちゃまくん」から
「あらまぁこの人ステキかもしんない」に転化した時期である。
(と、自分では思っています。てか妙齢の男子ってなんだそれ)


ローングバケイショーンby南

当時、多感な12才の私もロンバケにはだだハマりし、毎週ビデオに録画、
後に社会人になり財力を身につけた際にはDVDボックスを購入するほどの
好みぶりであった。


「中学生時代に身につけた感覚を人は一生引きずる」
なんて言いますが、

楽器が弾ける男は、情緒の理解が発達していてロマンチック

という刷り込み(妄想?)を「ロンバケ」と「キス」でされてしまった私は
「ピアノ弾ける男性かっけー」という感覚を胸に少女期を過ごした。
(じぶんも10年近く習っていたくせにハ調の曲しか弾けません)
長じて後、そんな男子と付き合ったこともありました。
イヤ、実際中身うっすかったけどね(人のこといえねー)。
まあしかし、ピアノを弾ける男性というのはすんごくセクシーで
自分の中の惚れメーターも大いに下駄を履かされてしまうのです。
いいよなぁ、楽器が弾ける男子。



そんなことをつらつらと考えてしまう。

それにしてもkindleはいろいろと思い出を連れてくるもんだなぁ。

箱入り息子の恋

2013-06-14 | 映画ドラマまんが
映画を観るの自体がなんだか久しぶりでした。
前にみたの何だっけ。「レ・ミゼラブル」だったっけ。
前は毎週2本ぐらい観てた時期もあったのに、
観劇が趣味になってから、映画館から足が遠のいてました。
あまり観たいのもなかったし。
こうしてわかる、時間の有限さ。





映画「箱入り息子の恋」をみました。


星野源が好きだからというのもありますね。
いや、星野源が好きだからです。だから行きました。

夏帆も好きですし、
そこに平泉成(ついこないだ「僕らの時間」にも出ており、田中健のケーナを作っているという
不思議な趣味も披露。一気に親近感が沸いた)、
森山良子、大杉蓮、黒木瞳(4月に舞台という名の黒木瞳ショーを見た、さらにそのあと
ネットで「下流の宴」を見てこの人はやっぱ手だれだと感じた)
という惹かれるフォーメーション。
輪をかけてやっぱり星野源も好きなので、行きました。


(理由がしつこい)


平日でしたが、結構こんでる。木曜日、女性1000円DAYだから?

内容は、おもしろかったです。
タイトル通り「恋」の映画でしたが、「家族」の要素もある人間ドラマ という感じ。
泣きながら笑える作品でした。

不器用な人間も恋をするとみなぎるんだな、というこっけいさと、
恋する男と女がロミオとジュリエットになってしまうベタさとそれゆえの感動と、
恋とか結婚とかにも周囲をとりまく人の居るという現実感のバランスがよかった。

とにかく主人公とヒロインが「恋」に向かう部分にフェイクがなくて、
その成就への歩み方をちゃんと演技と脚本で細かく描いているのが好感です。
ドラマの型(セオリー)どおりにみえる部分もあるけど、
ストレスと解放、盛り上がりからのずっこけ という流れがおもろかった。
両家が向き合う場面なんかは、自分の顔合わせのときを思い出してどきどきしてしまった。
にしても、大杉蓮の役は勝手だよね…
森山良子の役がよかった。というか、それぞれのお父さん・お母さん役が
ぜんぶよかったです。
あと、蛙は好き嫌いあるかも。


個人的に見る前から、星野源効果による底上げ点が気持ちとして入るかな と思っていたけど、
星野源を抜いても、人にお勧めしていきたい映画 という感じです。
それにしても、彼のめがねをかけているときの絶妙な気持ちわるさ(しぐさ込み)と、
コンタクトにした場面の妙にこざっぱりしてよい男を醸し出せる対比は、
もとが「すっごくみるからにかっこいい男」でないからこその芸当というか、リアリティというか。
最近、必要以上にカッコよくなっているんじゃないか と思っていたので、
映画を観て「やっぱこの人役者だ よかった」と思いました。

あと、夏帆の役名が(漢字はちがうけど)わたしの名前と一緒なので、
むやみに星野源に名前呼ばれてちょっとおもしろかったです。


あまちゃん

2013-06-04 | 映画ドラマまんが
あまちゃん、見てますか。
見てますよね。

クドカンのドラマに『マンハッタンラブストーリー』からはまった身としては、
逃すわけにはいかないドラマ ということで、
制作発表のときから首を長くして待っていました。

赤いスイートピーを唄う小泉今日子(マンハッタン・ラブストーリーから)

あまちゃんにもイボリーが出てくれてうれしいです


始まってみたら、思った以上にクドカン好きなことやりすぎわろた… て感じでした。


今日(6/4)の放送でも、

・リフォームの場面で「劇的・ビフォーアフターの音楽と『っぽい』ナレーション」
・足立ヒロシ(小池徹平)登場シーンで「ヒロシです…」の音楽(前からあったけど)


など… 

このレベルのくすぐりは毎日毎日入ってくるんでほんとにびっくりします。
脚本でそこまで書いてないかもしれないんで
完全にスタッフ含めて「クドカン体制」で全力わるふざけですね。めっちゃおもろい。
それにしても、このノリが通ってるってことは、
クドカン世代のスタッフが制作の中枢ってことは、
年は重ねるもんですね。と、なんだかよくわからない感想。
でも、「面白い」が正義ですね!

なぜなら視聴率も獲りまくっている!
みんながあさ、あまちゃんを見るために茶の間に集っている!
学校や会社で、あまちゃんの話をしまくっている!
これってすごいと思います。テレビの力ってやつなのか。

つか千倉先生(マンハッタンラブストーリー)も言っていたじゃない。
「テレビは娯楽の王様なの!牙をむきなさい牙を!ガオーッ!!」
むいてますね、キバ。



ところで出演者のことについて言えば、


正直私は、今、知名度が急上昇している主役・能年玲奈ちゃんよりも、

いや、しかしめっちゃくちゃかわいーよね。目玉がまるっ
そして、なかなか演技派…!



やはり橋本愛ちゃんに注目していた人間でございました。

ちょっと若いときかしら。すさまじい美少女。


なんといっても映画「告白」で出て来たときの美少女ぷり!
まじであの時はびっくりしました。
美少女すぎ。
この人は格がちがうべ、と思っていました。

ちょっととっつきにくいミステリアス美少女、
というところが王道で人を引き付ける魅力を持った存在ですね。


彼女のキャラクターがとっても生かされているところが、
今回のドラマはすばらしい。


ユイちゃんがいてこそのアキちゃん、
という語られ方はもうドラマの中で出まくってますが、

やっぱこう、『陰と陽』といか『月と太陽』というか、
女性ペアの場合はこの組み合わせがとてもこころに響くのだなぁ
と思わされます。

そしてこう対照にすることで、

天使なんかじゃない でいうところの『翠じゃなくてマミリン』
Wink でいうところの『翔子じゃなくてサッチン』

的な魅力をユイちゃんから感じられるところがよいです。
じょじょに影響を受けて人間味が出てくるところが面白い。

と、思っていたところ、

このインタビューを読みまして、
私はさらに感銘を受けました。

愛ちゃんは、ユイちゃんのことをよくわかっているんだなぁ。(当たり前だ)
「橋本愛のパブリックイメージごと遊ばれている」
と感じているところに、冷静な分析と女優魂を感じました。
でもそれも楽しい挑戦だからきっといいよね。演じていても楽しそうで、いいなと思います。


そんなわけであまちゃんおもしろい(小並感)。
そしてわたしは
感化されたわけではないけれど、最近ユイちゃんヘアーにしてます。
(肩までの長さで毛先をちょっと巻く)(ぜったい感化されてる)
女子高生と同じ髪型にしてちょっとテンションがあがるワタシ、28才。