スカーレット手帖

機嫌のいい観客

【今更】2016年の観劇まとめ

2017-03-14 | 観劇ライブ記
■2016年 観劇記録
12/28 RENT 来日版
12/25 テニミュ六角(東京楽)
12/22 テニミュ六角(東京初日)
12/17 プリシラ
12/11 パタリロ!
12/10 チア男子
12/8  雪組新人公演「ケイレブ・ハント」
12/6  雪組本公演「ケイレブ・ハント」
11/26 あずみ
11/23 マーダーバラッド
11/19 星組本公演「桜華に舞え」
11/12 四季 壁抜け男
10/29 リトグリ 立教大学学園祭
10/19 スカーレット・ピンパーネル
10/14 恋するブロードウェイ♬
9/22 テニミュ氷帝
9/10 リトグリ 清水公演
9/6  インフェルノ
9/4  瞑るおおかみ黒き鴨
9/3  リトグリ 日比谷野音
8/28 テニミュ氷帝(名古屋・マチソワ)
8/6  アイワズライト
7/30 ブリーチ
7/25 三人どころじゃない吉三
7/23 テニミュ氷帝(東京・マチソワ)
7/15 テニミュ氷帝
7/12 エリザベート(帝劇)
7/7  ジャージーボーイズ・白
7/2  bare
7/1  ジャージーボーイズ・赤
6/18 ラディアントベイビー(マチネ)+極上文学「春琴抄」(ソワレ)
6/11 トーテム(シルクドゥソレイユ)
6/8  ラディアントベイビー(RENTコラボ回)
6/7  また逢おうと竜馬は言った
6/5  曇天に笑う
5/21 ドリライ
5/10 1789
5/8  1789
5/4  雪組本公演「るろうに剣心」
4/23 ナミヤ雑貨店の奇蹟
4/17 1789
4/1  Show る・リアン
3/27 弱虫ペダル総北再始動篇(KAAT)
3/21 弱虫ぺダル総北再始動篇(オリックス劇場)
3/19 さよならソルシエ
3/4  四季 ライオンキング
2/14 テニミュ山吹
2/13 テニミュ山吹
2/6  The Love Bugs
1/31 The Love Bugs
1/23 ロボ・ロボ
1/17 真夜中の弥次さん喜多さん

出動52回、大体週1回は何らか観に出かけているような感じであった。
欲を言えばきりは無いけど、2015年の分も含めて、とりあえず当面観たいものは観散らかした、ということかもしれない。
なんとなく自分の好みもわかってチケット取るようになったので、これは大ハズシ、という演目はなかったかなあ。
(あずみぐらいか?予測はついてたけども)
ホントに、観劇はある程度鑑賞の場数をかましてこないと面白みがわからない。
出てる人は基本マイナーだし、かといってメジャーな芸能人が出てるからその演目が面白いわけでもないし、
自分のコンディションもある。人が薦めても、自分がいいと思えないと無駄だったような気になるし、
ルールを作ってもその通りにもいかないし。こればかりはもう自分の嗅覚でやるしかないのだ。
そんなことを思ったので、去年は、好きな俳優が出ているからといって必ず観に行く、という形はやめてみた。
さらに、当初から複数回チケットを取っておくのもやめてみた。
そうすると逆に、行ってみて現場で感動してリピートをかました演目が多かったので
(1789とか、ジャージーとか、ラディアントベイビーとか)、見方としては上々だったかなあと思う。

さらに、思いがけず、
神席(5列目センター)で神というか黄泉の国にひきずりこまれて昇天のエリザベート、
前楽1列目で目が溶ける勢いで泣き続けた星組北翔海莉卒業公演、
というか最前ドセン・カメラ(撮影用)横で興奮し帰りに即発熱して寝込んだ地球ゴージャス、
など、
異常な経験をしてしまうこともしばしばあり、こういう5億円みたいな価値の時間が体感出来ることがあるのでやめられない。ほんとに非日常きわまりない。

ベストオブを決めろと言われると、
まあどの演目もとってもいいんだけど、敢えて私は「パタリロ!」を挙げたい。敢えての。
話全体のバカバカしさがすさまじく、原作の世界を守りながら変態、演者はノリノリで会場もピッタリ、
さらに物販グッズのデザインがすさまじくイケていた。最&高でした。
その他、主演女優:花總まり、主演俳優:中川晃教、新人賞:三浦宏規
というあたりですね。王道中の王道じゃねえか。
あとは鯨井康介の地力を目の当たりにしたり、ライオンキングはやっぱすげえなって言って泣いたり、
リトグリの全員の名前と個性を聞き分けられるようになったりした1年でした。

あとは正直まあこれだけの回数出歩けたのも、環境として

・職場が都心(平日夜が何かと動きやすい)
・東京駅まで定期通してある(有楽町は我が庭)
・重めの残業がストレスとチケット代に化けた(観劇予定をむりやりねじ込んで最悪の場合タクシーで駆けつけてた)

この3点があったことに尽きると思います。
2017年に入って、会社は同じだけど残業のない部門へジョブチェンジしたので
資金の面からまず駄目になっていくと思うのと、
逆にストレスもないので「何がなんでも今これ観ないと心が死ぬ」
みたいなこともなくなるかなという気がしてる。
今後は、あぶりスルメのように1コンテンツを舐め回すようになると思います。


■2016年 その他イベントなど
12/17 雪組橘幸お茶会
11/3  テニミュドリライDVDイベント
10/30 村井ハロウィンイベント
10/1 テニミュ山吹DVDイベント
9/25 テニミュ氷帝千秋楽LV
9/3  ペダステ総北再始動DVDイベント
4/23 雪組橘幸お茶会
3/26  テニミュルドルフDVDイベント

まあほとんどテニミュのDVD関連だけど、イベントも楽しかった。
出演者のみんなおつかれさまです。
毎度毎度言っているが、テニミュはどう考えてもコスパがよすぎる感動演目なので、
ほんとにこれからの生活の中にも自然に組み込んでいきたい。

お茶会は誘われて初めて参加したのだがこれまた独特の世界です。
宝塚の綺麗さで距離感めちゃくちゃ近すぎてもうドギマギする。「うわっ」て言ってしまうよ。
橘幸ちゃんめちゃくちゃかわいい。舞台では芸達者系だけど。
これまたリピートをかましたタイプの世界です。こわいね。


なぜこのタイミングで2016年を今更振り返ったのか、といわれると
「暇だったから」と、「もったいない精神」としか言いようがないのですが、
もし同じような演目を観に行った人がいたら、うれしいです。

ラ・ラ・ランド

2017-03-01 | 映画ドラマまんが
初めて買ったシングルCDは大黒摩季「ら・ら・ら」でした。

それはそうとして、話題作「ラ・ラ・ランド」を封切り翌日にさっそく見た。

この作品、
「ララランド」ではなく
「ラ・ラ・ランド」ということが重要である。

つまり、
「ラララ~♪
ではなく、
「ら・ら・ら(哀)」
であるということを強く申し上げたい。


これは相当なイメージの違いであり、
CMの打ち出し方などを見ていると、興行側も意図的にそのようにプロモーションしているとしか思えない。

・「アカデミー大本命」
 ※アカデミー初・「アカデミー作品賞を覆された作品」になっちゃったけどなんだかんだで6冠受賞
・「踊り出すカラフルな衣装の男女」
・「気鋭の若手監督渾身の1作」

とか言われたら、観客は結構な圧で「ラララ~♪♫♪♬!!!」が来ると思うではないか。
それが、メインは哀感である。
この読後感、みんな、打ちのめされて出てくるのではないか。
ミュージカルという形態を取った、夢と青春の日々を描いた恋愛ムービーだった。

ロサンゼルスで夢を追う男と女。
男・セブはピアノ弾き。こだわりのオールドスタイルジャズメンで、商業主義と相いれない。
かつての名店が「サンバとタパスの店になり下がった」と言って怒り、看板をバキバキに壊す。勝手に自分の曲を弾く。
自分のジャズハウスを持ちたいが、尊敬するチャーリーパーカーの愛称にちなんで店名は「チキンスティック」にするんだと譲らない。
ちなみに当方、大学時代はジャズ研である。
いろいろとよみがえる。
やったよな、ベイシー、クインシー、アートブレイキー。
いたよな、こういう人。
いろいろあったよな。
うんやめよう、もう思い出すのはやめよう。

女・ミアは女優を目指すカフェ店員。
オーディションを受けまくるが落ちまくり、渋滞から出られない、業界のパーティーでよくわからない付き合いに巻き込まれる。
ジャズは好きではない。
車はプリウス。

この二人が、わりとトレンディドラマ的な展開で出会い、記号のように引き寄せあって、また理のように離れていく、という時間の経過を追った、ただそんなひとときの話なのだが、感想としてはこれに尽きる。

ラスト10分、思いがけぬ再会からの展開に
なんだかとにかくびっくりするぐらい泣いてしまった。


「ラララ~♪♫♪♬!!!」を期待して何か物足りない気になっていたそれまでの2時間がふきとばされた気分であった。
「人生は一度」ということを、こういう表現で叩き込まれたのは初めてかもしれない。
今、上手に渋滞を抜けて分岐できた道は、今だからなのだった。
あの時は出来なかった。
あの時はこう生きるしかなかった。
タラレバは無いのであった。
This is real. That is la la land. ということなのだった。

「la la land」というタイトルがすばらしいのは、
あまりこの俗語の意味が分からない日本人にも、なんとなくイメージが伝わってくることだ。
ネットの辞書を引くと、


la-la land

1.〈米俗〉〔麻薬や酒に酔ったときに味わう〕陶酔境、恍惚、我を忘れた境地◆La-La Landとも表記される。
2.〈米俗〉ハリウッド、ロサンゼルス◆ロサンゼルス全体を指すこともあるが、特にハリウッドについて使われる場合が多い。


とのこと。

でも、「la la land」の境地というのはどういうことか、なんかわかるでしょう。
「ら・ら・らんど」。すばらしい哀感。
ところで一緒に見に行った夫が、時々「ド・ド・ドリランド」と小さな声で口ずさんでいる。