さいしょにゲームのCMかなんかでビジュアルを見た時からなんなんだこれは、というのはずっと思っていた。
去年アニメも数回チラ見したんだけどやっぱりなんだかなこれは、と思って、
年末に舞台をやるって聞いて「えっ、まじか」と思いながらなんだろうなー と思い、
話題盛況で幕を閉じて早くも再演と聞いたときには、「ほんとに!?なんなのいったい」
との気持ちが止められなくなっており、
ええい、なんなのよ幕末Rockって!! 一体!!!
という強い気持ちで、ようやく今回「超★超歌劇 幕末Rock」を観劇してきました。
(「ちょう・ウルトラミュージカル・ばくまつろっく」 だそうです)
==
「幕末の有名な志士」
「江戸幕府」
「新撰組」
「アイドル」
「さまざまなタイプの美青年(美少年)だらけ※もちろん男だけ」
「音楽(ロック)」
「イメージカラー」
「男の友情(反発からの理解による)」
「戦い(それぞれの正義のぶつかりあい的な)」
「個の成長」
「新たなる仲間の獲得」
「人気声優」
「キャラソン」
「ペンライト」
「音ゲー」
とかいう、今熱い・鉄板で売れる(そして私たちの大好きな)要素の数々を
ぜんぶアリアリでぶっこんで豪快にミキサーにかけた、
とっても無節操なコンテンツ = 幕末Rock
それを舞台化。若手俳優か。
ジャニーズ東宝四季無双の人を主役に持ってきているのには注目だが、
あとはテニスの人とテニスの人と、テニスの人とテニスの人と
テニスの人とテニスの人とテニスの人!!!
と、劇団の人とアンサンブルの人たち。
テニスも幕末も好きだけど、
元コンテンツの全部乗せ加減も相まって
ハンドリングを間違うと大暴発を起こすだろうなあ~ という
おネガな気持ちをもっていた時代が私にもありました。
が、ただただ幸せの大花火大会として真夏の空に大輪の花を咲かせていました。超歌劇。
「ポペペ…ピピペ…プペポォォォォ―――ッ!!」
(燃えて…散って…花火ーーーーー!!)(参考:新テニプリ「ツベ共和国」の人の技)
話としては、ざっくり、
「志のあるやつ集まってバンドやろうぜ!」
っていうことなんだと思うんだけど(めっちゃざっくりすぎ)
そこに江戸幕府と幕末志士の戦いの構造があったり、
上に「アイドル」という見立てがかぶさってきたりと(「天歌」(ヘブンズソング)て…)
微妙に設定が入り組んでいる。
けど、なんかよく見てたら、
倒幕VS佐幕
の違いとしてのrockというわけではないところがすごいなー、というところで、
今に不満を持っていて、新しい時代への希望がある人がRockの心を
を持っているということになっているようだ。(個人的解釈によると)
そんなわけで坂本龍馬(単体ヒーロー型偉人)も新撰組(体制お抱えグループ)も
桂小五郎(生き延びて新政府行った人)も高杉晋作(奇兵隊の変人)も
全員まとめて「ピースソウルの持ち主」という設定になってるところが手っ取り早い。
それならばバンドも組むだろうな、という妙な説得力がある。
だいたい、幕末系の創作ものなんて、
いかに新撰組とその他人気志士を出来るだけ多くからめながら、
漢のロマンと称しつつ友情の陰にかすかに感じさせる男色風味を描くかが勝負
みたいなもんなのに(断言)、
その組み合わせを設定を表現を繊細にうんぬんするんじゃなくて、
「ロックぜよ(=バンドやろうぜ)」で一発、ぱんぱかぱーんとまとめてるところがまあ、ひどい。
っていうか、逆に痛快だ。
100%創作だ。夢と希望を搭載だ。
ロックやってバンドになって、思いを叫べばいいじゃない!
音楽にのって歌えばいいじゃない!
シンプルなところがとてもよい。歌えばいいじゃない。
新撰組はお上公認唯一アイドルっつーことでいいじゃない。
ピースソウルがあったら、覚醒(パージという名の脱衣)して、バンドやろうぜ!!!
とにかく、もうわかってたけど、コンテンツとして、
キャラクターも、設定も、装置が全体的に素っ頓狂なんですよね。幕末Rock。
しかし真正面から全力でトンチキなので、逆に、突っ込みの入れようがない。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損 ということばが
頭に浮かんでくる。
そして、それを全部やりよう次第で呑み込めるのが舞台のよきところというか、
ぜんぶ創作なので、荒唐無稽も想像次第。
よく考えたら、
坂本龍馬がrockでパージ(脱衣)してバンドやってアイドル という異様さなんて
日本人なのにロンドンの劇場に住む怪人やってる異様さと
あまり差がないかもしれないよ。
でも人間がやってると、このトンチキさにも、
なぞの説得力が生まれるところが、いいんですよ。
そう、役者さんがよかったです。
主役は良知真次くん。
この人のキャリアで育んできたものをぐっと凝縮させて
見せてもらった感すげえ。
まず、華やかさとかわいさ。
今回のキャラクターの坂本龍馬はほんとに全力まっすぐバカという
少年漫画の典型みたいな人物像だったのだけど、
コミカルに演じる良知くんの表情にしぐさに、
目を細めれば浮かんでくるのが、
金田一時代のどつよさんのはにかみとキャラクター取り込み力にも似た
永遠の少年性が香るよ。
そしてどう考えても鍛えられてるプロ発声。
腹から響いてる。
四季と東宝の訓練の賜物か。
そんで、客操縦がうまい。
クライマックスで(ネタばれですが)
客がハミングを行わねばならぬ部分があるのですが、
ハーメルンの笛吹のように客席をいざない歌わす良知パワーどないやねん。
そして太田基裕くん。
2013年からしか彼を見ていないことを私は最近後悔している。
彼の道行を見ておけばよかったわ。
品があるんだよね。
育ちがいいことが何をしてても前面に出てくる。
美青年、好青年は彼の地なので、もう鉄板にできるとして、
ガラッパチみたいな役をいかにやっていくのかみたいなことなのかしら
と思ったりしていたのだが、
今回は見事に吹っ切れた高杉さんでした。「高杉ネットワーク」って言いながら歌ってました。
着物姿が良く似合う。
あと、作品で見ていくたびにどんどん声出てきてる。
矢田ちゃんは、生き生きしていた。
カラオケ仕込みのビブラートとガッッッと見開いた目は健在でした。
彼は華があるなあ。
ドラムセットのシンバルが外してあるのが面白かったですね。
完璧だなーと思ったのが、ヒデ様でした。
最初の羽の付いた台でおりてくるのから目の下にラメ貼ってあるのから
マント型の衣装から片側アップの髪型から、似合いすぎでした。
たぶん原作通りの再現なのでしょう。沖田総司(そーちん)の役でしたが。
不思議だよな、本人も、もちろん綺麗だけど、そんなに飛び抜けて美しいというタイプでは
ないと思うのに、(個人的に)
作り込んだビジュアルを作るのが本人も好きだし似合ってしまうタイプなのだろうな。
いつも、舞台を見ながら、
面白いのか面白くないのか、期待値だけでチケットを取りながら、
座席に着いたその瞬間に、どんな裏切りを見せてもらえるのかを期待している。
もしかしたら伝説の場面の証人になれるかもしれないと思いながら、劇場に向かっている。
幕末Rock、この舞台、
私は思いがけず引き込まれて見続けながら、
これは、、、ことによると、新世代の歌舞伎なのでは、、、
という気持ちがわいてきた。
私たちは「成駒屋!」「高麗屋!」と、声をかけるタイミングを知りませんが、
「What's this?」のゆるメロディをハミングすることはできる。
「Rockぜよ」と答えることはできる。
このトンチキに全力で応えて、
最終的にはちょっと泣いた。
めちゃくちゃかぶいていると思うんだよ。
次作も是非みたい。
去年アニメも数回チラ見したんだけどやっぱりなんだかなこれは、と思って、
年末に舞台をやるって聞いて「えっ、まじか」と思いながらなんだろうなー と思い、
話題盛況で幕を閉じて早くも再演と聞いたときには、「ほんとに!?なんなのいったい」
との気持ちが止められなくなっており、
ええい、なんなのよ幕末Rockって!! 一体!!!
という強い気持ちで、ようやく今回「超★超歌劇 幕末Rock」を観劇してきました。
(「ちょう・ウルトラミュージカル・ばくまつろっく」 だそうです)
==
「幕末の有名な志士」
「江戸幕府」
「新撰組」
「アイドル」
「さまざまなタイプの美青年(美少年)だらけ※もちろん男だけ」
「音楽(ロック)」
「イメージカラー」
「男の友情(反発からの理解による)」
「戦い(それぞれの正義のぶつかりあい的な)」
「個の成長」
「新たなる仲間の獲得」
「人気声優」
「キャラソン」
「ペンライト」
「音ゲー」
とかいう、今熱い・鉄板で売れる(そして私たちの大好きな)要素の数々を
ぜんぶアリアリでぶっこんで豪快にミキサーにかけた、
とっても無節操なコンテンツ = 幕末Rock
それを舞台化。若手俳優か。
ジャニーズ東宝四季無双の人を主役に持ってきているのには注目だが、
あとはテニスの人とテニスの人と、テニスの人とテニスの人と
テニスの人とテニスの人とテニスの人!!!
と、劇団の人とアンサンブルの人たち。
テニスも幕末も好きだけど、
元コンテンツの全部乗せ加減も相まって
ハンドリングを間違うと大暴発を起こすだろうなあ~ という
おネガな気持ちをもっていた時代が私にもありました。
が、ただただ幸せの大花火大会として真夏の空に大輪の花を咲かせていました。超歌劇。
「ポペペ…ピピペ…プペポォォォォ―――ッ!!」
(燃えて…散って…花火ーーーーー!!)(参考:新テニプリ「ツベ共和国」の人の技)
話としては、ざっくり、
「志のあるやつ集まってバンドやろうぜ!」
っていうことなんだと思うんだけど(めっちゃざっくりすぎ)
そこに江戸幕府と幕末志士の戦いの構造があったり、
上に「アイドル」という見立てがかぶさってきたりと(「天歌」(ヘブンズソング)て…)
微妙に設定が入り組んでいる。
けど、なんかよく見てたら、
倒幕VS佐幕
の違いとしてのrockというわけではないところがすごいなー、というところで、
今に不満を持っていて、新しい時代への希望がある人がRockの心を
を持っているということになっているようだ。(個人的解釈によると)
そんなわけで坂本龍馬(単体ヒーロー型偉人)も新撰組(体制お抱えグループ)も
桂小五郎(生き延びて新政府行った人)も高杉晋作(奇兵隊の変人)も
全員まとめて「ピースソウルの持ち主」という設定になってるところが手っ取り早い。
それならばバンドも組むだろうな、という妙な説得力がある。
だいたい、幕末系の創作ものなんて、
いかに新撰組とその他人気志士を出来るだけ多くからめながら、
漢のロマンと称しつつ友情の陰にかすかに感じさせる男色風味を描くかが勝負
みたいなもんなのに(断言)、
その組み合わせを設定を表現を繊細にうんぬんするんじゃなくて、
「ロックぜよ(=バンドやろうぜ)」で一発、ぱんぱかぱーんとまとめてるところがまあ、ひどい。
っていうか、逆に痛快だ。
100%創作だ。夢と希望を搭載だ。
ロックやってバンドになって、思いを叫べばいいじゃない!
音楽にのって歌えばいいじゃない!
シンプルなところがとてもよい。歌えばいいじゃない。
新撰組はお上公認唯一アイドルっつーことでいいじゃない。
ピースソウルがあったら、覚醒(パージという名の脱衣)して、バンドやろうぜ!!!
とにかく、もうわかってたけど、コンテンツとして、
キャラクターも、設定も、装置が全体的に素っ頓狂なんですよね。幕末Rock。
しかし真正面から全力でトンチキなので、逆に、突っ込みの入れようがない。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損 ということばが
頭に浮かんでくる。
そして、それを全部やりよう次第で呑み込めるのが舞台のよきところというか、
ぜんぶ創作なので、荒唐無稽も想像次第。
よく考えたら、
坂本龍馬がrockでパージ(脱衣)してバンドやってアイドル という異様さなんて
日本人なのにロンドンの劇場に住む怪人やってる異様さと
あまり差がないかもしれないよ。
でも人間がやってると、このトンチキさにも、
なぞの説得力が生まれるところが、いいんですよ。
そう、役者さんがよかったです。
主役は良知真次くん。
この人のキャリアで育んできたものをぐっと凝縮させて
見せてもらった感すげえ。
まず、華やかさとかわいさ。
今回のキャラクターの坂本龍馬はほんとに全力まっすぐバカという
少年漫画の典型みたいな人物像だったのだけど、
コミカルに演じる良知くんの表情にしぐさに、
目を細めれば浮かんでくるのが、
金田一時代のどつよさんのはにかみとキャラクター取り込み力にも似た
永遠の少年性が香るよ。
そしてどう考えても鍛えられてるプロ発声。
腹から響いてる。
四季と東宝の訓練の賜物か。
そんで、客操縦がうまい。
クライマックスで(ネタばれですが)
客がハミングを行わねばならぬ部分があるのですが、
ハーメルンの笛吹のように客席をいざない歌わす良知パワーどないやねん。
そして太田基裕くん。
2013年からしか彼を見ていないことを私は最近後悔している。
彼の道行を見ておけばよかったわ。
品があるんだよね。
育ちがいいことが何をしてても前面に出てくる。
美青年、好青年は彼の地なので、もう鉄板にできるとして、
ガラッパチみたいな役をいかにやっていくのかみたいなことなのかしら
と思ったりしていたのだが、
今回は見事に吹っ切れた高杉さんでした。「高杉ネットワーク」って言いながら歌ってました。
着物姿が良く似合う。
あと、作品で見ていくたびにどんどん声出てきてる。
矢田ちゃんは、生き生きしていた。
カラオケ仕込みのビブラートとガッッッと見開いた目は健在でした。
彼は華があるなあ。
ドラムセットのシンバルが外してあるのが面白かったですね。
完璧だなーと思ったのが、ヒデ様でした。
最初の羽の付いた台でおりてくるのから目の下にラメ貼ってあるのから
マント型の衣装から片側アップの髪型から、似合いすぎでした。
たぶん原作通りの再現なのでしょう。沖田総司(そーちん)の役でしたが。
不思議だよな、本人も、もちろん綺麗だけど、そんなに飛び抜けて美しいというタイプでは
ないと思うのに、(個人的に)
作り込んだビジュアルを作るのが本人も好きだし似合ってしまうタイプなのだろうな。
いつも、舞台を見ながら、
面白いのか面白くないのか、期待値だけでチケットを取りながら、
座席に着いたその瞬間に、どんな裏切りを見せてもらえるのかを期待している。
もしかしたら伝説の場面の証人になれるかもしれないと思いながら、劇場に向かっている。
幕末Rock、この舞台、
私は思いがけず引き込まれて見続けながら、
これは、、、ことによると、新世代の歌舞伎なのでは、、、
という気持ちがわいてきた。
私たちは「成駒屋!」「高麗屋!」と、声をかけるタイミングを知りませんが、
「What's this?」のゆるメロディをハミングすることはできる。
「Rockぜよ」と答えることはできる。
このトンチキに全力で応えて、
最終的にはちょっと泣いた。
めちゃくちゃかぶいていると思うんだよ。
次作も是非みたい。