スカーレット手帖

機嫌のいい観客

里見八犬伝

2012-11-20 | 観劇ライブ記
さて、行って来ました「里見八犬伝」




11月19日(月)18:30の回を見ました。

さっき昼に同僚に感想を語って記憶が鮮明なので、
脈絡がないですがつづって行きたいと思います。


公演中につき、ネタバレご注意ください。

















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今回の舞台の感想を昼に友達としゃべっていて、
出てきたいちばんしっくりくる言葉がありました。



「幕の内弁当」



いろいろ魅せどころがいっぱいあって
あれやこれやと目が移ろってしまう。

よく言えば見どころ満載。

そして悪く言えば決めどころがどこなのかイマイチわからない。


なんせ、


■八犬士の紹介+玉の意味の紹介

■なぜ八つの玉が生まれたのかの説明

■主役のエピソード

■敵陣の紹介

■なんのために玉を八つ集めるのかの説明


という大量の『了解事項』を前半で作っておかないといけない。
それは、忙しいですよね…
ドラゴンボールを超速で集めるみたいなもんです。
(て、あまりドラゴンボールわかんないけど私)

いろいろ脈絡なく語りそうなので、
とりあえず人別にしてみた。




○西島隆弘(AAA) 犬塚信乃:孝

西島君が主役でした。
線が細いのねー
でも声はしっかり出ています。あと落ち着き。
(平清盛の印象を私が引きずってるからかも…)

最後まで演技として危なげなく進んでいくところがよかった。
ただし、結局この人は何のために生きようとしているのかが
わかりにくかった気がする。
恋に生きるでもなし、運命を否定しようとするんだけど、
最終的には「これも運命」といってまとめてしまう… という。
時間に追われて、最終的には弔い係みたいな感じになってしまった。


うむ… ちょっと消化のための時間がほしい。



○渡部秀 犬川荘助:義

主役と対面する役でした。
渡部くん、初舞台なのね。
それにしては存在感ありました。
初舞台の人だと思うと、どっかにほころびがないか観ようとしてしまう
意地の悪い精神の持ち主のわたしですが、後半に行くにしたがってかなりしっくりしてきた。
終盤のアクションのところのどこかで、くるっと回ったシーンがあったような
気がするんだけど、おお、すごい、と素直に思いました。

キャラクターのことで言えば、
本当はこの人の役が一番観客の共感を集めるような形になるのが
理想だと思う。
お坊ちゃんだけど勝手ばかりで中二病みたいな主人公に寄り添いながらも反発して
自我を持って立ち向かおうとする人間 ということで、もう少し深まりそうな気がする。
しかし8人を描こうとするとそこに時間が割けないのが残念だ。
浜路を交えた恋のさや当ての部分とか葛藤とか、もう少し会話で取ってもよかったのちゃうか。



○村井良大 犬田小文吾:悌

番手でいうと3人目だけど、もうちょっと薄い感じで描かれてたような。
8名紹介しながら話を展開させないといけないから(以下略
百姓役はすごくハマっていたと思う。
しんみりエピソード担当 という感じだったんだけれども、
話が急展開であまりしんみりできる時間がなかった印象。
もうちょっと見たかったぜ。

あと改めて今回思ったけど村井くんは声が高いね。
今回、西島くん、早乙女くん と結構地声の高い役者が出ていて、
高音メンバーで会話をやる場面がいくつかあったため、
個人的に、一瞬「今誰がしゃべってるんだ」となる場面がありました。
これは誰が悪いと言うよりキャスティングのバランスの問題かもしれないです。
そうかー、そういうことも舞台だと気になるんだなあ
声って大事なのね(あまり顔面アップで見られないから)
という自分的な気付きだったので、メモです。
舞台って奥が深いわ。



○矢崎広 犬坂毛野:智

今回の中では個人的にはこの人に一番しっかり興味を持って観ました。

一幕で女装の旅芸人姿で登場するのですが、妖艶な身のこなしがよかった。
歌も上手い。
そして二幕では策士っぽさを備えた男の姿で再登場。
ガラッと違ってすごくよかった。
とにかく一番声が出ていたと思う。
堂々としていた。舞台を歩いていると見てしまう。
ちょっとこの人に関する印象が変わった。


というか私、なんか声に関するコメントが多いですね…
気になったのかも。全体的に。



○早乙女友貴 犬江親兵衛:仁

さすが大衆演劇界のトップを走る一族の出だけある。
殺陣がめちゃくちゃ軽くて見るからに慣れている。
衣装も相俟って、牛若丸のような印象。

しかしセリフは今一つまだ腹に収まっていないような、不安定な感じ。
キャラクター的に「人の感情がわからないこども」というような
位置づけだったので、意識的に作りこんでいたのかな?
人の会話に割って入って雰囲気を壊す場面が演出上いくつかあったのだけど、
そこでもう少し「否が応でもこいつを見る」という気にさせる感じの
発声を期待したいっす。
でもまだ16歳だから!すごいな。



○市瀬秀和 犬村大角:礼

この人私初めて知りました。上手いぞ。
この中ではちょっと小柄なのかな。
それにしても、棒を振り回すアクションにキレがありすぎる。
非常に「手だれ」という印象でした。
ポジションとしても、実直な兄貴分的な感じでよかった。
ちょっとこの人のことは今後気にしておきたい。
※調べたらどうやら、時代劇に思い入れのある人らしい… なるほど。



○荒木宏文(D-Boys) 犬飼現八:信

この人も初めて観たのです。
もうちょっと脚本上、描いてもらえる部分が多いと良かったような気もする…
暴れん坊ながらとにかく主君にしっかり仕えて役目を果たしたい という、
正しく「武士(ソルジャー)」の心をもった人物像だと思うので、
もう少し芯のある感じが見えたらよかった。
ちょっとチャラい雰囲気を感じてしまった気がする。
屋根の上でチャンバラな感じのところは、私はあれが「屋根」だと気付くのに
ちょっと時間かかった…… 目が悪いのか己は。



○加藤和樹 犬山道節:忠

あ、跡部様。
と、出てきた瞬間思ってしまった テニミュ脳の私。

よくその長い髪と長い棒でひょいひょい動けるなぁ… と感心した。

この役は、ちょっと特殊な、孤軍奮闘の一匹狼タイプ。
父子関係に対する葛藤が単独行動の理由になっているのですが、
この人のエピソードも結構軸に持ってこようとすれば持ってこれるんじゃないのかと思った。
べただけど。
思い切って、信乃&荘助 と 道節 の二軸にして
あとは以下5名 とかにすれば感情移入がもっと出来たかもしれない。
列伝っぽいけど。

…という、素人の考えです。




○山口馬木也
 
 &香寿たつき


正直、このベテラン二人がこの芝居の骨組みの65%ぐらいを担っていた。
あとの人たちはその上でぐるぐるしている感じだった。
声が出ている、存在感がある、なんか観てしまう という存在は、舞台に出てくると安心感が桁違い。
やっぱテレビと舞台とでは役者の意味も少し違うんだよな
と思いました。
とくに香寿たつきの芝居進行への貢献具合がヤバいです。安定株。


あと、浜路役の森田彩華はなかなか好演していたと思う。が、
斬られてからは、もっと狂気に振れてもよかった気もする。





てなわけで、
なんだか後ろ向きっぽいコメントばかりになってしまいましたが、
総じて、アクションはよかったし、俳優もよかったと思う。だから「おしい!」という気になったんだな…
もうちょっとみんなの中で練れればきっとまた変わるのではないか。と思う。
(それか、思い切って何かを省くとか…)

最後の戦い前の「名乗り」のシーンとか、よかったし!!


あととにかく炎や煙が豪勢に飛び出し、
アクションで脇の男性陣が動きまくっていたところが
躍動感を与えていたと思います。
さいごカーテンコールの時、
「よくあんな少人数で大勢の敵を表現してたな」と思いましたもん。
殺陣の職人芸が光る舞台でした。
あと、音楽が全般的にかなりドラマチックで、
いまいち割り切れない気がするシーンでも、盛り上がりの演出に貢献していました。



最後に、個人的に笑ってしまったシーン。

・「…うっ」と言いながら玉を生み出す八犬士(けっこうある)
 ※懐から玉を生み出してポワンと光る、という演出がマンガみたいで面白かった。
  でもあまりにも何回もあるので(あたりまえだ、8人いる)、笑ってしまった…


・毛野(矢崎くん)の討たれ死にシーン
 ※いや、いいんだ、いいんだけど…
  戦国鍋テレビを見ている身としては
  矢崎くん=お笑い担当 というところがあり、
  それでいてこの舞台の前半では女装の旅芸人が非常にハマっている、
  女形もいけそうな役者矢崎の実力を見せつけられて感銘を受けていた直後なので、
  その、矢の飛び出た武者姿でヨロヨロ出てくる感じが不意打ちすぎて
  ちょっと志村けんのコントみたいと思ってしまって… すみません。愛ゆえです。
  





てなことでまとめておきます。




いやー、今年、舞台は何本観たのでしょうか。
人生で初めてこんなに劇場に行った気がします。
戦国鍋テレビ関連、若手俳優、宝塚、ミュージカル(※テニス) 等々。
実写系ミーハー腐女子として、充実した1年を過ごしました。


村井くんは見納めでございます。2012村井納め。




でもこれで終わりかと思っていたら
月末にもう1本劇団四季に行くんだったわ…
馬鹿野郎だな。私。

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