スカーレット手帖

機嫌のいい観客

オセロ -まさに、勝手にふるえてろの境地

2013-06-28 | 観劇ライブ記
世田谷パブリックシアタープレゼンツの「オセロ」

名古屋公演を見てきました。2週連続でアートピアホールへ。
職場から徒歩5分なんです。地方だけど、こういうとき都心勤務は得だな~

ちなみにアートピア以外には徒歩圏内に
・中日劇場(芝居、大衆演劇、宝塚など)
・県芸ホール(クラシック、オペラなど)
・クアトロ(ロック系ライブ)
・ブルーノート(ジャズライブ)

ちょっと行って
・御園座(もう閉まるけど歌舞伎など)
・ゼップ(大型ライブ)
・名鉄劇場(本多劇場の地方公演多い)
・日特ホール(テニミュ!)

なんかがあります。全部会社から20分以内。

東京の劇場数と公演数の豊富さにはおよばないけど、
自分の好きな演目のラインナップと合致すれば、チケット競争率も含めて
かなり名古屋は恵まれてる、と思う。
しかもその中でもうちの職場の立地はすんごく良い場所にあるので、行きやすい。
会社に入ってすぐのころは全然その価値に気付かなかったなぁ~
交通費かからずに平日すぐに演劇やライブを観にいけるのって
ほんとにすばらしいと最近思います。
ちょっと遠いと、交通費でパンフ代以上になったりすることもあるもんね。



***


そんなわけで「オセロ」ですが。



主役は仲村トオル、山田優。演出、白井晃。



シェイクスピアについてはあんまり知らず。
4大悲劇ということなのですが(『ハムレット』、『オセロー』、『リア王』、『マクベス』)
マクベスについて、以前ゲキシネで「メタルマクベス」観たぐらいしかわかりません。
ちなみにメタルマクベスは衝撃だった。
枠組み以外はぜんぜんマクベスじゃなかった(ロックだった)んだけど、見入りました。
松たか子がすばらしかった。あと、3人の魔女が強烈だったわ。


演劇の神様の作品だけあり、それこそ赤穂浪士じゃないけれど
毎年毎年いろんなオセロが上演されているのですが、
今回の「オセロ」は、時代や扮装は現代演劇の体をなしつつ、
セリフは古風な福田恆存訳、(※福田恆存さんてはじめて知りましたスミマセン)
そしてこれがいいたい、
演出が斬新過ぎて震えた。




<以下ネタバレ入ります>





まずセットがおかしい。演劇の稽古場だ。またはトイレか。
音響さんの机が変に客席の前の方にある。

へぇ~なにコレ、と思っていると、
地味なおっさんが出てきて、音響さんの場所に座り、
マイク片手に稽古場で演出家がゴーサインを出すようにしゃべりだす。
「ハイ、どうぞ」
(これが役者なのですが。)
で、おもむろに他の役者が舞台に出てきて、とつぜん動きをはじめました。
リハなのか、ハプニングなのか、と気持ちがざわついているままに、
自然と舞台がはじまります。
なんだろう、ちょっとここで、去年観た「カワイク」を思い出した。
そしてもう、そこからは客席を巻き込んだ嘘かほんとかどこまでプランなのか、という芝居の進行。
2階席だったので、わたし自身は巻き込まれなかったけれど、
民衆に語りかける場面では、客席を総立ちさせる。
キャーこんなのはじめて。わくわく。

さらに、音楽が生演奏。
稽古場の隅にいるような体裁で
アコーディオン+チェロ+コントラバスの三重奏、
これがなんとも繊細に、調和からイヤな不調和までを醸し出すのです。

そこに、役者が効果音として芝居しながら一斗缶を叩いたり殴ったり放り投げたり。
ほんま、こんなに舞台で一斗缶がべこべこになる音聴いたのって
吉本新喜劇の島木譲二のカンカンヘッド以外ではじめてですわ。


こういう実験演劇?みたいなやつって(みたことないけど)
いろいろあるんだと思うけど、
すごく洗練されているように感じました。
ハプニング的な演出が多いから、観ている方は椅子に座って安穏としては
していられない。
だけど、そんなふうに巻き込むけどゆだねていなくて、
演出の世界観ができあがってる。
ここがすごいとこだと思った。


さいごは当然、スタンディングオベーションでした。
もう、最初の拍手からスタオベしたかった。
わたし感動の沸点低いのでわりとすぐ感動するんだけど、
今回はまじでぞくぞくと震えました。
2階席なのにだぜ。
正直あんまし期待してなかったのもあって、
輪をかけて感動したのかも。


役者について、
まず、見目のきれいな3名(仲村、山田、加藤)がならんだ美しさと迫力。
みんな長身なので、かっこいいんです。
と、それ以外の芸の立つ脇役(特に赤堀雅秋、高田聖子)のうまさ。
このバランスがよかった。
出てる役者が多すぎないこともあって、集中して見られたのもよかった。


いや、思った以上に加藤和樹がよかったわ~



まあ、このとおりのイケメンですし、
テニミュ関連でだいぶ私としてもなじみがあるんでその底上げもあると思うけど、

わりと仲村トオルと山田優が棒なので、
(各人それが魅力なんだけど)
その隣にいるキーマンとしてはとてもよかったと思った。
声も出てたし。かっこいいし。


山田優はスタイルよすぎわろた…
そして、あんまり動きもせりふもうまくないところが
今回役にぴったりはまってたんだよね。
美しい妻が、純粋すぎてハメられてしまう人なんだけど。
山田優って、すごく「いい人」な感じするじゃないですか。
ヤンキーとか優等生とかそういう意味じゃなくて、
なんか、素直な、まっすぐな人、というか…
ちょっと鈍いというか。ぜったいに策士ではない。
策略がある場合もあるかもしれないが、周りに見抜かれている。
そしてそこが魅力でもあると思うんですよ。憎めない感じ。
マツコデラックスもそんなようなこと言ってたと思うけど。



まあでもやっぱ、今回いちばんいいたいことは、


白井晃、天才じゃねえ?




以上でした。

なんにもない家への驚愕 ‐わたしのウチには、なんにもない。(ゆるりまい)

2013-06-26 | 
結婚式がおわり、新婚旅行がおわり、
わたしはいま、人生がひと段落している。

(新婚旅行についてはまた折をみて何がしか記入したいと思う。
 スペイン行ってきました)


それと同時に、わたしはまた、
めっちゃくちゃ服を買いまくっていた時期を通りすぎ、
憑きものが落ちたかのように、とくに服飾にかける無駄な物欲が
減少してきている。気がする。
(逆に、観劇には行きまくっているけど)


振り返ってみれば、ひとりぐらしをはじめてこのかた10年、
ひとりぐらしの部屋の中でわたしはいつも焦っていた。
そして、いろんなものを買って過ごしてきた。
とくに就職して働き始めてからはその傾向が強まった。
(使えるお金も増えるし)

思えば、それは精神的に不安だからなんだろうなと思う。

だって、
気ままに過ごしているけど、やっぱりひとりぐらしはちょっと不安だ。
仕事への不安。(ストレス?)
健康の不安。(太る。食うからですけど。)
将来の不安。(目標とか見つからない。大人なのに。)
なまじいまが若くて元気で働いているだけに、
逆に一歩先がどうにも見えなくなる気分に陥ることはよくある。

そんで、そんな甘い自分なんですが、
どうにも不安だからものを買い集めて、
好きなものでとにかく自分の空間を満たしてみると、アラ不思議。
なんか、達成したような気分になるんですよ。
買っただけなのにね!

そんなこんなで20代を過ごしてきた。
外からみたらぜんぜんそんな感じはしないだろうけど、
自分としては、ひりひりするような気分のときもあったよ。


だけど、最近。

外に出歩いて、観劇やライブなどの「経験」にお金をはらう面白さに気付いたことや、
なにより結婚してちょっと自分の「うしろだて」が出来た気になったこともあり、
ちょっと、その「物依存」の考えから抜け出せそうな気がしている。



要するに、

部屋を片付けたい気分が史上最高に高まっている状態。


(まあ、まだひとりぐらしなんだけどさ)



そんな中、先日驚愕のブログに遭遇した。


こちら

なんにもないぶろぐ


この人の家、みてびっくり。

もはや「片付け上手」とかの域ではない。
どうやってこの状態で暮らすのか、
意味がわからないおうちである。

どうやってこの状態に至ったのか。
ネタなのか。

それで、(ものを減らしたいという欲求の逆を行くが)
この人のブログ本を買いました。
ブログとちがってコミックエッセイであったが。
それもなかなか興味深いものがあった。

この方は、
「物依存」を逆に振り切った
「物がない状態依存」なのだと思う。
全員真似できるわけがない。
これもまたひとつの異常なのだと思うので。

だけどこの極端な嗜好のその後ろには、
東日本大震災での体験もあったりして、
単純に
オッシャレッツもの~のないくらし♪ というのとは
なんかちょっと違うような気もする。
クウネルリンネル的な、趣味から来る「ほっこりしたくらし」とも
微妙に異なっていると思うし。


まあ、あまりにもstrictすぎるので、
ここまで行くことはできないが、
しかし「厳選した好きなものに囲まれて暮らす」状態に敏感になることは、
かなり幸せをもたらすものと察する。

モノがもたらすしあわせを、
自分の中で咀嚼して、消化して、
最終的にはじぶんの頭のなかに全部収納して、
それでしあわせを感じられる状態にまで至ることが出来れば
すんごくイイ感じになれそうだな~

と、この本とブログをみながら
自分のこれからの行く先を考えることが最近増えている。



KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2013『P+』

2013-06-21 | 観劇ライブ記
ラーメンズの小林賢太郎のソロプロジェクトの舞台、

KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2013『P+』

を観て来た。


ラーメンズといえば、高校時代からわりと好きだ。

私が高校時代のころ毎週みてた「爆笑オンエアバトル」の中でも、
(2000~2002年ぐらいがまじで黄金期だったよ、オンエアバトル)
けしてみずからの笑いのスタンスを崩さず、
その結果、
その自分たちの周波数と観客の波がびたっと完全に合った時には、
ほかのグループではけして果たせない
神がかり的なおしゃれオモシロ異空間をつくりだす一方、
波長がガクッとずれるとすべてがずれてわからなくなってしまい、
オンエアすらされないということもよくあったと記憶している。

とにかくまあ、独自の美意識によって、
非常にストイックな芸を試みている人たち
 という印象であった。


ラーメンズ



そんなラーメンズのネタ作り担当、小林賢太郎は
ソロでプロジェクト「Potsunen」をずっとやっている。
のは知っていたのだが、ライブはさすがに見たことがなく、
去年、BSで「小林賢太郎テレビ」というのをやっていて
そのときに初めてみたのだが、
よりとぎすまされた言葉への完成と、面白担当の片桐さんがいないことによる
規則性の高まり(←ひどい)がかんじられて、「ほほぅ」となる感じだった。


で、今回の舞台はチケットのお誘いがあったので、行ってきた。



感想ですが、


かっけー


かしけーー

(賢い)


ですかね。

さすが太郎でなくて太郎ですね。といった。


海外公演を日本で演る凱旋公演だったということもあり、
より「身体的につたわる面白さ」ということを追求したようです。
とにかくスタイリッシュで、
映像とのリンクが絶妙につくられ、
ラーメンズの公演(これはわたしDVDでけっこう観てる)のように
ひとつひとつのコント(場面?)に絶妙なリンクがあり、
でもやっぱり怪しい異空間にやってきた というイメージは残したまま、
賢さをかんじる舞台でした。


で、ひととおり締めくくられたときに
正直なんか物足りないなと思ってたんですが、
そのあと拍手されながら出てきて、海外で没になったコントをひとくさりやってくれ、
そして最後に新作で「東海道五十三次を手の奴で歩く」をやってくれたのですが
それがかわいくおもしろく、
この最後のパートがあったことにより満足しました。
計算されてる…

行った日は雨だったんですが、
なんとなく、雨に似合う公演だったような気がせんでもないです。
知的。イギリス人ぽいから?(恰好が)(イギリス→霧→小雨→イギリス人傘ささないけど持ち歩く)


ところで今回あらためて感じたのですが、

小林賢太郎のスタイル というかルックス というものも
一部女性(および男性)を骨抜きにする魅力があるのだと思う。
知的だけど、他人にはよくわからない言語を発しそうな危うい雰囲気を持つアーティスト。
だけど、たまにナンセンスな発言を行い、相好を崩す。
まるで高嶺の花のお嬢さんが笑いかけてくれたような気分になるのでしょう。
(今回もカーテンコールでにやり、としたときにまわりの客が「ほわ~~~ん」となってた)
おしゃれコンプレックスを刺激されながら、好きになっちゃうよね。
まあ、こんなことを書いている時点で私も相当好きだな。

ヒューマン宮藤 -え、なんでまた?(宮藤官九郎)

2013-06-19 | 
映画ドラマまんが…

と、ひとくくりにしていたくせに
「本」のカテゴリがなかったので、いま作ったよ。


本といっても、わたしはさほど、読書家ではない。

文学部だったくせに、本は、とくに名作みたいなものは
あんまり把握してない。
なのに、「把握しているふり」がしたいので、
とりあえず買ってみた本とかは家にいっぱいある。
夏目漱石とか芥川とか。
青空文庫で読めますがな。
また、ザ・名作以外にも、「軽妙なエッセイ」「知る人ぞ知る佳作」なども
把握しておきたいので、家にいろいろ文庫本はある。
読んでない向田邦子や内田百の文庫本、これみよがしに積んである。
その本棚のラインナップ、だれも見ねえよ。
いろんな人が現代語訳した源氏物語、いっぱいもってる。
宇治十帖まで読めたことない。

そして最近いちばん読んでるのはおもにBL漫画である という始末である。
(BLについてもいちおう好みはありますよ)

そんな中、
宮藤官九郎の文春のエッセイ本が好きである。
昔やってたじぶんの娘のことをつづった「俺だって子供だ!」
単行本で買って読み、実家に置き忘れてきてしまい、
次帰った時に取ってくればいいのに、どうしてもすぐ読みたくて文庫本まで買ったものだ。
お父さんの愛情と、脚本家(ギャグ作家というほうが近い?)のするどい目線が
入り乱れたおもしろ観察日記という体裁。
えらい、泣けました。
宮藤官九郎はやはり、ヒューマン宮藤であると思ったよね。

こども連載が終わった後、同じ枠の連載として、「いまなんつった?」という
日常生活の中で聞く「ん?」というフレーズについて書くエッセイ本が1冊出たのだが、
たしかにいつもどおりたいへんおもしろかったのが、
前作がよすぎたせいか、あまりぐっとくるところが個人的になく、
買ったけど売っちゃいました。このリサイクル感。

そして先日ふらりと立ち寄った本屋で偶然見つけ、
今週から節約しようと思ってた月曜日だったのに買ってしまったのが
新刊「え、なんでまた?」でした。

おもしろかったです。

くわしくいいたいんだけど、
全体的なこととして、思ったことです。

宮藤官九郎は、おもしろおかしく破天荒で若者の代表のような、
エンタメ界でいうと「風雲児」「異端児」的な扱いを
相対的に受けている、いや、受け続けてはや10年、いつまでも「若者」を背負わされる兄さん
という感じがあるのですが、
落ち着いて文章をよんでみると、すっごくおもしろいんだけど
非常に冷静な書き手ということに気づきます。
丁寧に、ことばを砕きながら、わかりやすくひきつけながら書いているので
まどわされますが。
気取ってないところがステキです。
ことばづかいもきれいです。(スラングは使ってるけど、文章内のリズムってことで)

いっかい読んだ方がいいとおもう。
クドカンのエッセイ、読んだ方がいいとおもうよみんな。


かんぱちゃん(娘)の話も入っていて満足した。

箱入り息子の恋

2013-06-14 | 映画ドラマまんが
映画を観るの自体がなんだか久しぶりでした。
前にみたの何だっけ。「レ・ミゼラブル」だったっけ。
前は毎週2本ぐらい観てた時期もあったのに、
観劇が趣味になってから、映画館から足が遠のいてました。
あまり観たいのもなかったし。
こうしてわかる、時間の有限さ。





映画「箱入り息子の恋」をみました。


星野源が好きだからというのもありますね。
いや、星野源が好きだからです。だから行きました。

夏帆も好きですし、
そこに平泉成(ついこないだ「僕らの時間」にも出ており、田中健のケーナを作っているという
不思議な趣味も披露。一気に親近感が沸いた)、
森山良子、大杉蓮、黒木瞳(4月に舞台という名の黒木瞳ショーを見た、さらにそのあと
ネットで「下流の宴」を見てこの人はやっぱ手だれだと感じた)
という惹かれるフォーメーション。
輪をかけてやっぱり星野源も好きなので、行きました。


(理由がしつこい)


平日でしたが、結構こんでる。木曜日、女性1000円DAYだから?

内容は、おもしろかったです。
タイトル通り「恋」の映画でしたが、「家族」の要素もある人間ドラマ という感じ。
泣きながら笑える作品でした。

不器用な人間も恋をするとみなぎるんだな、というこっけいさと、
恋する男と女がロミオとジュリエットになってしまうベタさとそれゆえの感動と、
恋とか結婚とかにも周囲をとりまく人の居るという現実感のバランスがよかった。

とにかく主人公とヒロインが「恋」に向かう部分にフェイクがなくて、
その成就への歩み方をちゃんと演技と脚本で細かく描いているのが好感です。
ドラマの型(セオリー)どおりにみえる部分もあるけど、
ストレスと解放、盛り上がりからのずっこけ という流れがおもろかった。
両家が向き合う場面なんかは、自分の顔合わせのときを思い出してどきどきしてしまった。
にしても、大杉蓮の役は勝手だよね…
森山良子の役がよかった。というか、それぞれのお父さん・お母さん役が
ぜんぶよかったです。
あと、蛙は好き嫌いあるかも。


個人的に見る前から、星野源効果による底上げ点が気持ちとして入るかな と思っていたけど、
星野源を抜いても、人にお勧めしていきたい映画 という感じです。
それにしても、彼のめがねをかけているときの絶妙な気持ちわるさ(しぐさ込み)と、
コンタクトにした場面の妙にこざっぱりしてよい男を醸し出せる対比は、
もとが「すっごくみるからにかっこいい男」でないからこその芸当というか、リアリティというか。
最近、必要以上にカッコよくなっているんじゃないか と思っていたので、
映画を観て「やっぱこの人役者だ よかった」と思いました。

あと、夏帆の役名が(漢字はちがうけど)わたしの名前と一緒なので、
むやみに星野源に名前呼ばれてちょっとおもしろかったです。


スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

2013-06-10 | 観劇ライブ記



直前までチケット取るかどうするか迷っていたのですが、
ちょうど直前に「チケット余ったよ」のお誘いが…
同志は居るに越したことがないのが観劇の世界ですね。


市村正親×大竹しのぶ

という、演劇界の無形文化財のようなひとたちを見に、
行ってきました。スウィーニー・トッド。演出は宮本亜門!

ティムバートンの映画板をミーハー心でみて、こわくて泣いた思い出があるので
うーん、どうしようかな…
と思っていたですが、なんのなんの。個人的には映画よりぜんぜんおもしろかった。
冒頭から曲がめちゃくちゃかっこいい。演出もよい。
というか、この作品「復讐もの」なんですね。
映画が単なるスプラッティな感じの記憶しかなかったので、
(いや一応ストーリーも在った気がするけど、インパクト的にわすれてた)
判事の自分の妻への横恋慕が動機で、えん罪を着せられ15年流されていた悲運の理髪師が、
復習を誓ってふるさとに帰ってくる話でした。
階下の寂れたパイ屋の女主人と謀って人肉パイを売りつけながら
復讐の相手をいまかいまかと待つ男。

去年からいくつか舞台を見てきたけど、
けっこう上位に入ってくるみごたえでした。
あとよくわかったけど、私はやっぱりミュージカル好きだわ。(ストレートプレイより…)

市村さんは、声量はもしかしたら全盛期より少ないのかな(見てないけど)。
でもやっぱり、存在感と堂々たる雰囲気は、彼のみという魅力だと思う。
大竹しのぶちゃんは、かわいい。
あと、映画板のMrs.ラヴェットによく似てるよね…笑


予想以上 と言う意味では、
高畑充希ちゃんが、とってもよかったです。
可憐な少女ぶりがよく出ていて超かわいい。
そしてなにより、
歌がうめえええええ ソプラノオオオオオ
て感じでした。舞台役者ですね。

武田真治は、めちゃイケ出てる場合じゃないじゃん!
舞台の人じゃん!!
て感じでした。


は~ おもしろかった。
簡単ですが、とりいそぎ。

引き出物の思い出

2013-06-07 | 結婚に至るまでの段取り

先日、キタノエースに寄ったら、店頭においてあったパック(大袋)入りの「生かつおぶし」が
あまりにおいしそうでシズル感を醸し出していたので、つい買ってしまった。

でも家に帰ってはたと棚を開けたら、今、家にかつおぶしめっちゃくちゃある
ということに気づいて、しまったー なぜ買ったんだ… という気になりました。

なぜかつおぶしめっちゃくちゃあるかというと、
それは結婚式に出まくったからなのでした。

ごらんのように結婚式、この半年毎月行ったんですが、
ほんとにかつおぶし、必ずといっていいほどはいってる。
名披露目ってやつですね。


へんな風呂敷に包んであるところはちょっとどうなのかと思い、
風呂敷、しばらくはとってあるけど使い道がないのでつい捨ててしまいます。

ばりかつおはおいしい。ごはんにかけてたべます。


だから、せっかく生かつおぶし買ったけど、
家にめっちゃあるかつおぶしも、わりと急いで食べなけりゃいけないです。
まあ、旨いから いいけど。


ちなみに自分の時の引き出物は
引き菓子と、カタログと、タオル の3点にしました。
カタログは、なんかおしゃれかな とおもって25ansがからんでるやつ
(激選とかいってるけど品数へっただけかもしれねえ)
タオルはなんかちょっとかわいいかな と思って
ユナイテッドアローズのにしてみました。
(まーな、これもUAのロゴ入ってるから良さげに見えるだけで
 ほんとにタオルの質がいいかどうかわかんないんだよな。
 現品見れてないし。
 まあ、まんまと引き出物業者のブランド戦略に乗った形だ)


よかったかどうなのかはわからん。
まあ一般的な感じになっただろうとは思う。


まー、自分が行く気持ちとしては、
引き出物でなんかよいものもらいたい という気持ちでは行かないし、

あのひとにこれもらったからこれいくらぐらいだからこれくらいの価格は返さなきゃ、とか
お祝いVSお礼合戦みたいなのになるのも疲れるからやめたらいいと思う。

ていうかあくまでお祝いもお礼も、「人に何かつたえるための機会」ということだと思う。
目的はコミュニケーションで、手段として物が入ってくるんであって、
物をあげることで必死になって交流とかがいろいろぞんざいになってたら
それは本末転倒というか、ぜんぜんおもしろくねーな、
という風に感じるのです。

だからそういう気持ちの前提のもと、
引き出物だけじゃなくて結婚式もそんな心意気で、面白くなったらいいなとか思って準備してたんですけど、
夫はそういうの吹っ飛ばして「人並みだったらいい」とかいう後ろ向きな発言するから
けんかしてたんだった 思い出したわ
会社行事じゃないんだから別に苦行なんてやんなくていいんだからじぶんで面白くしろよ



ってかつおぶしのことひとつでいろいろ思い出す準備期間のはなしでした。

「劣化」

2013-06-06 | 思ったこと
最近、ネット上で「劣化」ということばをよく見ます。

女優のだれだれが超絶劣化www

みたいなかんじで。例)


割り切った表現だなあと思い、なるほど、ふ~ん と思って見ていたわけですが

ふと考えてみるとこの「劣化」という表現をする前に同様の意味をあらわす言葉としては

「老化」もしくは「不調」だったなぁと。(というかそれ以外にない)

いや、むしろその老化や不調というのも自然な話なわけで、

人は年をとれば若い時といろいろ変わってくるし、若くても体調や心境によって毎日いろいろ変化はあるのですよ。

それでも「劣化」扱いする っていうことはつまり、

「つねにかわらずきれいな状態」というのを人(おもに芸能人)にもとめている

ということを意味し、「きれいでいなければならぬ」を強調し、

少しでも「きれいな状態」が崩れれば冷徹に指摘する。

部品が傷んで機能を発揮しなくなるかのように「劣化」と評する。

そのつめたい距離感を感じるのです。

そしてたしかに自分の頭の中にもそういう意識があることは否定できない。



ああ~ こんな状況をうみだしたネットの闇()てか病み()

みたいなことでもいいのかもしれないが

まあそれもあると思うが、それだけでもないような

まあ要するにねたみそねみの問題といえば

それが答えな気もする 午前10時。

あまちゃん

2013-06-04 | 映画ドラマまんが
あまちゃん、見てますか。
見てますよね。

クドカンのドラマに『マンハッタンラブストーリー』からはまった身としては、
逃すわけにはいかないドラマ ということで、
制作発表のときから首を長くして待っていました。

赤いスイートピーを唄う小泉今日子(マンハッタン・ラブストーリーから)

あまちゃんにもイボリーが出てくれてうれしいです


始まってみたら、思った以上にクドカン好きなことやりすぎわろた… て感じでした。


今日(6/4)の放送でも、

・リフォームの場面で「劇的・ビフォーアフターの音楽と『っぽい』ナレーション」
・足立ヒロシ(小池徹平)登場シーンで「ヒロシです…」の音楽(前からあったけど)


など… 

このレベルのくすぐりは毎日毎日入ってくるんでほんとにびっくりします。
脚本でそこまで書いてないかもしれないんで
完全にスタッフ含めて「クドカン体制」で全力わるふざけですね。めっちゃおもろい。
それにしても、このノリが通ってるってことは、
クドカン世代のスタッフが制作の中枢ってことは、
年は重ねるもんですね。と、なんだかよくわからない感想。
でも、「面白い」が正義ですね!

なぜなら視聴率も獲りまくっている!
みんながあさ、あまちゃんを見るために茶の間に集っている!
学校や会社で、あまちゃんの話をしまくっている!
これってすごいと思います。テレビの力ってやつなのか。

つか千倉先生(マンハッタンラブストーリー)も言っていたじゃない。
「テレビは娯楽の王様なの!牙をむきなさい牙を!ガオーッ!!」
むいてますね、キバ。



ところで出演者のことについて言えば、


正直私は、今、知名度が急上昇している主役・能年玲奈ちゃんよりも、

いや、しかしめっちゃくちゃかわいーよね。目玉がまるっ
そして、なかなか演技派…!



やはり橋本愛ちゃんに注目していた人間でございました。

ちょっと若いときかしら。すさまじい美少女。


なんといっても映画「告白」で出て来たときの美少女ぷり!
まじであの時はびっくりしました。
美少女すぎ。
この人は格がちがうべ、と思っていました。

ちょっととっつきにくいミステリアス美少女、
というところが王道で人を引き付ける魅力を持った存在ですね。


彼女のキャラクターがとっても生かされているところが、
今回のドラマはすばらしい。


ユイちゃんがいてこそのアキちゃん、
という語られ方はもうドラマの中で出まくってますが、

やっぱこう、『陰と陽』といか『月と太陽』というか、
女性ペアの場合はこの組み合わせがとてもこころに響くのだなぁ
と思わされます。

そしてこう対照にすることで、

天使なんかじゃない でいうところの『翠じゃなくてマミリン』
Wink でいうところの『翔子じゃなくてサッチン』

的な魅力をユイちゃんから感じられるところがよいです。
じょじょに影響を受けて人間味が出てくるところが面白い。

と、思っていたところ、

このインタビューを読みまして、
私はさらに感銘を受けました。

愛ちゃんは、ユイちゃんのことをよくわかっているんだなぁ。(当たり前だ)
「橋本愛のパブリックイメージごと遊ばれている」
と感じているところに、冷静な分析と女優魂を感じました。
でもそれも楽しい挑戦だからきっといいよね。演じていても楽しそうで、いいなと思います。


そんなわけであまちゃんおもしろい(小並感)。
そしてわたしは
感化されたわけではないけれど、最近ユイちゃんヘアーにしてます。
(肩までの長さで毛先をちょっと巻く)(ぜったい感化されてる)
女子高生と同じ髪型にしてちょっとテンションがあがるワタシ、28才。

仕事をめぐるスタンスと暇(ひとりごと)

2013-06-03 | わたくし
仕事はどうなんだ。


と、思いますが、
仕事をはじめてなんと7年目です。
小学校より長い期間居るんだわー と思うとびっくり。


さいきんこのあたりを読んだりするようになり、
とくに意味もなく、仕事についていろいろ考えている。


仕事のことをあまり人に喋るのは厭だな。
いや、正確には、
良いんだけど、なんか、仕事に固執する人みたいになるのがイヤっていうか。
いやいや、仕事のことは嫌いじゃないんだけど、
まあ、大して超好きでもないけど
(でもどっちかって言ったら好きな方だから端的に「好きな仕事」っていうこともあるけど)
びみょうな仕事が多くて、
「何やってんの」って聞かれて説明しにくい、
なんでそんなもんで金になるんだ と
私だったら聞いてしまいそうな
楽なような
激務なような ふんわりふわふわした感じなんですよね。

そして、
「こんな仕事やってるんです」
と言った瞬間の、「こんな仕事以外やってない感」がハンパないから、
言うの難しいのもあるよね。


あと、正直なんか全体的に仕事に対して自信がないんですよね。
なんとなく働いているけど、あまり手ごたえがなくてですね。
こんなんでいいのかなー と思っているということもある。
こんなんで良いわけねーだろ、と思う自分も居るが
差し迫っていないので、自分に発破をかけないのであった。
わたしのスタンスはそれでよいのだろうか。


まあ、でもそんな風に、
スタンスとか立場とかを考えている時点で、ちょっと暇だよね。


まあまあ楽にほどほど働けるのはいいことだと思う。
あまり、観念的になりすぎないように
生きたいと思う。

(独り言)