タレント名鑑の写真が見つけられませんでしたので
ブログの写真をお借りしました。
髪型がヘッドフォンが「あざとい」
鈴木 拡樹(すずき ひろき)
生年月日:1985年6月4日
身長:173cm
血液型:AB型
出身:大阪府
所属:オウサム
google検索件数:約 4,310,000 件
(2014年7月時点)
事務所プロフィール
本人ブログ
先日、小越くんについて書いたところ、ちょうどテニミュ前の時期だったこともあってか
これまでにない勢いでブログを見ていただいたようで、本当にビビりました。
みんな小越くんが大好きなんだね。もはや教祖様というか、ご本尊というか…
テニミュ、土曜日からですね! 本当に楽しみです。
それにつづく5人目、ということでどうしようかなーといろいろ考えていましたが、
今回は、鈴木拡樹くんについて書いてみようと思います。
D-BOYSの鈴木裕樹くんではございません。
拡大に樹木と書く、変わった名前のほうのすずきひろきくんについてです。
うーん、この人も熱狂的なファンが多数だ。というか、私の見渡せる範囲(かたよってはいるけどね)、
舞台系若手俳優に対して何かしら腕に覚えのある人(むしろ脛に傷持つ?)たちの間で、
彼を好かんという話をあまり聞いたことがない。それどころか、
“全然それまでこういった若手俳優を見たことなくて、
たまたま連れられて観に行った友達が「最近好きな俳優ができた」と言い出したんで、
誰かと聞いたら鈴木拡樹くんだったんですよ~”
と知り合いから聞くぐらいの殺傷能力の高さを誇る。
(ていうかなぜ私にその報告をしてくるのだろう)
メジャーな映像作品にほとんど出たことがないにも関わらず、彼がメインどころを張るチケットは大人気。
本人のSNS上でのパワーも凄まじいものを持っている。
写真付きのツイートをすればものすごい数のリツイートがされているのをよく見る。
2014年舞台系若手界きっての集客力を持つ、世に知られざる「売れっ子俳優」と言っても過言ではなかろう。
そんなわけでとにかく、市場からの飢餓感が強い感じがある鈴木拡樹くんなのだが、
彼のいったい何がそうさせるのだろう。
個人的に感じる彼の魅力は、「非現実感」これに尽きると思う。
鈴木くんは、先日29才になった男性なのだが、そのことがどうやっても信じられないような独特の雰囲気を持っている。
平たく言うと
「絵に描いたような、というか最近のアニメに出てくるような中世的な男性」そのものである。
とりあえずは見た目が、
「前髪をヘアピンで止めて、ゆるゆるのシャツにカーディガンをはおりスキニーパンツを履いている、眠そうな男」
「にっこり笑いながら『殺すよ?』という感じのセリフを言う細身の男」
などの妄想絵から飛び出してきたような風情で、ビックリする。というか、そのものだと思う。
ふつう、この年齢になってそういうものになりきろうとするとムリが出る。コスプレ感がある。
しかし彼の場合はまったくそういった雰囲気を感じない。ナチュラルである。
顔は図抜けてかっこいいとかものすごくハッキリしているとかいうのはないが、中性的で整っている。
そこはかとなく、歌舞伎の女形的な雰囲気がある。
ツボにハマる人には本当に、理想像が肉体をもってこの世にあらわれた、ぐらいの衝撃なのではないだろうか。
出演経歴を見ると、わりとアニメや漫画などの「原作もの」のキャラクターを演じて来た人である。
私の初見はこれもまた『戦国鍋TV』“信長と蘭丸”の蘭丸役で、若干不器用な踊りを見せつけつつ、
小姓役という女形的ポジションをそつなくこなしていた。
ただ、単に役にハマっているだけでは、ここまで人気は広がらなかったように思う。
ここがなにより大きいのだが、本人のパーソナリティとしても、なんだか全体的に浮遊感があるのだ。
写真ではつねに微笑んでいるし、集団でインタビューやトークがある時も、後ろのほうでいつもニコニコしている。
「俺が俺が」という感じはない。ホンワカとしている。
俳優仲間のインタビューでも「拡樹くんはよくわからない」と言っている人が多く、
ものすごく走り込む舞台の稽古時に、「一人だけ涼しい顔をして袖でカフェラテを飲んでた」という逸話が頭から離れない。
しかし飄々としすぎてクールなのかと言われればそうでもなく、まじめで熱いメッセージを語っているのもよく見かける。
一方、ツイートの定型フォーマットとして、上下にたくさん☆★マークをつける という謎のテンション感もある。
さらに正体不明さに拍車をかけるのが、「大阪出身なのに関西弁が出ない」という点。
大阪も堺市という、めちゃくちゃベタなところからやって来ているはずなのに。
『方言を使って親近感を得ようというのがもうダサい、姑息であると思っている』
『大阪弁を話す人=ぶっちゃける、やや下品、オモロいことを言う などといった
ステレオタイプのイメージから一線を画したい』
『大阪弁を話した瞬間から、同様のキャラを持つ同世代同業者とのイメージ獲得争いになるので、それを避けたい』
『とくに何も考えていないが、大阪弁が出ない』
どれなんでしょうか。
(なんとなく、わたしは「とくに考えていないが」説を取りたいけど。)
このように、「お里が知れる」的なアプローチもなかなか難しい人物である。
そしてそんななか際立つ、「前歴が美容師だった」というエピソード。
これもこれで、ドリーム感をふくらませる要因になっていると思う。
あとはなんといっても、事務所のページの写真の写り方である。
外国人・子供タレントが数多くいる中で、突如現れる白いシャツの鈴木くん。この突然感が本当に面白い。
彼はどこから来たのか、どこへ行くつもりなのか。謎が膨らむ。
あらゆるもののなんともいえないアンバランスさも含めて、
人間というかキャラクターとして絶妙なバランスで現存しているように思われる。
そんなわけで、このように『リアルを感じさせない人物』として軽やかに存在する彼に、
我々は惑わされ翻弄されているのだろう。
いつほころびが見られるのか、いや、ある意味では常にダダモレだと言えるのかもしれないけれど、本当にそれしかないのか。
もっと何か、ドロドロしたものがあるのではないか。きっとあるはず!人間だもの!でもいったいどこに?
そのようにやや意地悪そうな目線のまま、気づけば見続けてしまうのだと思う。
こういう、「意味のない深読み」をさせる対象には、なろうと思ってもなれるものではないので、貴重である。
意図してやり続けると、「イタイ」「ぶりっ子」になってしまい、軽い嘲笑の対象となる。
人気も出ない。そのギリギリのラインをみごとに体現していると思う。
事務所の戦略なのか本人の特性なのか、たまたまそういうふうに進んできたキャリアのたまものなのかは不明だが、
鈴木くんが心の扉を開いているのかあんまり開いていないのかさえ、今ひとつよくわからない。
もちろん舞台俳優なので、舞台を下りたあとのことまで見せつける必要はないのだが、
好きで見ている方としては、自分なりに解釈してわかりたいと思うものだ。でもわからない。
わからないがゆえに、見に行ってしまう。
できるだけ、最新版を観察しようとしてしまう。
そしてまた、見れば見るほどにわからなくなっていく。
これがザ・「ハマる」というやつだと思う。技巧如何ではどうにもならないような、
こういう「とっかかり」を妙に感じさせる部分があるということで、大きな魅力のある人だと思う。
ちなみに、イケメン好き友達で、イケメンがプライベートで飲み食いしている画像を集めてばらまく
非常にフェチズムあふれるツイッターアカウントを運営している人がいる。
これもまた、本能に直結する「食」というものを通して、
隠されたパーソナリティが無意識のうちに食卓の上にこぼれ出していないか、
その瞬間を探ろうとする行動だと思われる。興味深い。(彼女は鈴木くんのファン)
で、面白いなと思っているのが、この現実味のない鈴木くんが、いま
「弱虫ペダル」という、身体性の極みみたいな舞台に出ていることである。
原作マンガの弱虫ペダルという作品自体にものすごいパワーがあるのももちろんなのだが、この舞台版は単体としてすごい。
演出があきらかに独特で、それ自体めちゃくちゃ面白く見る事ができる。
たぶんイケメン舞台という縛りで敬遠していると、本当に損をする演劇作品だと思う。
私も原作ぜんぜん読んでないまま何作かみて、ふつうに毎回演出に度肝を抜かれた上に感動して泣いている。
(その後我慢出来ずに全巻読んでしまったが。)
漫画原作のため、やはり結局デフォルメされた人物を演じているのだが、1点違うのが、
ピッチピチの服を着せ、自転車を漕ぐマイムをやらせ続けるところだ。汗をふりみだしながら走らせるのだ。
このギャップ。
触れられなかったリアルな側面に、ようやく到達したような気になる。「あー、生きてるなこの人も」という感じというか。
この舞台に出演している俳優はみんなこの恩恵を受けているのかもしれないけれど。
より「肉体」と「男性性」を感じさせる方向に向けて彼をキャスティングした人は天才だと思う。
ここで彼の新しい魅力が発揮されているのではないだろうか。
先ごろ発表になったが、秋には彼の主演版での最新作が上演されるそうで、これまたチケット争奪大戦争の予感である。
こうやって褒めてまわることでより一層激しい争奪戦になるような気もするが、まあいっか。
ということで、
こんなに文章を書いてみたのに、何か違う、まだいまいち迫りきれなかった気がするところが鈴木拡樹トラップである。
気づいたときにはかかっている。ご注意ください。
<「鈴木拡樹」これまでの鑑賞歴(舞台)>
・赤レンガライブ■
・武士ロックフェスティバル■
・サムライ挽歌■
・舞台弱虫ペダル インハイ篇1日目■
・舞台弱虫ペダル インハイ篇2日目■
・眠れぬ夜のホンキートンクブルース■