スカーレット手帖

機嫌のいい観客

1789のWキャスト最高だよなという話

2016-05-15 | 観劇ライブ記
1789には加速度的にハマって、結局3回も観に行ってしまった。
公演終盤+チケット無い演目でよかった… これほっといたらどこまでも通ってしまうパターンだった。


Wロナンは面白すぎる配役、両方見るとやはりイイ
当初予定の2枚チケットは両方小池徹平ちゃんのロナン(4/17と5/8)で、
彼自身がとても役に似合っていたので、とても満足して私の1789は終わる予定であった。
キレイ、デスノートに続き3演目めのてっぺーちゃん鑑賞でした。どんどん箱がでかくなる。
てっぺーちゃんは少年っぽいのですね。
「童顔なのに声がめちゃくちゃしっかりしている」(なんかちょっと、昭和のアイドルみたいな気もする)
という彼の芸能界登場時からの違和感が、いい意味で帝国劇場で展開されているような気がした。
WaTでは出来ないことをやっているよね。次作控えるはキンキーブーツ… ぜひ見たいコレも。

一方加藤和樹についてはかねてよりやたら親近感を持っており、
わりと彼を理由に舞台を見に行くようになっている私。(参考「加藤和樹くんのこと」
彼については結局毎回、見れば見るほどに信頼感が高まる。役というよりは本人に。
そんな中、月1回放送のニコニコ動画の「ブギウギナイト」(番組)
先日5月9日の放送を久しぶりに見て、しみじみと
「昼間帝劇で歌ってきて疲れてるのにこんな夜遅くにネット番組で全力尻にらめっこをするなんて、和樹はなんていい奴なんだ」
と思い、あまりに感極まっていてもたってもいられず、翌日夜の公演に駆けつけました。
チケットはなんとかなるんだ。心配ないさ~

見れてよかったです。
このWキャスト、すごい面白いぞ。

主役二人の対比がとても面白くて、見た目も違えばキャラも全然違うんで面白い。
たとえばソニンとの兄妹シーンでは、

徹平:年子で、小さいころから仲良く団子状態で育ってきたやんちゃ兄妹。
和樹:地元青年団として信頼を集める兄ちゃんと、婦人部代表のしっかり者の妹。

みたいな感じ。
徹平家は兄妹二人がパリに出ていくのは「冒険」という感じがするが、
和樹家では「やぶれかぶれ」という感じがする。


デムーランとロベスピエールにスカウトされる理由も、

徹平:こいつの中に眠れるお姫様がいるぞ(ヒロイン発見)
和樹:こいつの中に眠れる王子がいるぞ(同族発見)

ぐらいの違いを感じる。何なのでしょうかね。
画的に、デムーラン(演:渡辺大輔)とロベピエ(演:古川雄大)、(さらにダントン(演:上原理生))は
雰囲気が良く似てるんですよ。コート羽織って、長髪で、みんな身長180超えで、イケメン。
革命に明け暮れてるからぴかぴかの貴公子ではないけど、選ばれし若者たちです。
そこにやんちゃくれ異分子な徹平ロナンがやってくるか、
百姓だけど実は生き別れの親族っぽい和樹ロナンがやってくるか、という感じ。
和樹については生まれ変わったら全員テニスの上手い中学生になっているとかいうやつかもしれない。
あっというまになじんでる。このまま3人でモデル合コン行きそう。3人ともプライド高そうで妙に気品がある。
一方徹平は二人と肩を組んでも身長差で両脇から持ち上げられるぐらいの感じで、いろんな意味で浮いている。
逆に明らかに二人とはちがうのでそれが逆に際立っていて、「彼こそ主役」という感じもする。
ほんとここはどちらがよいのか、お好みでというやつですね。どちらも美味しい。


一番面白いのがカップリング組んだときの妙ですね。

・徹平×沙也加
・和樹×ねね

皆さん言うように、まあこれがベストでしょうね。
各カップルで見たときのバランスが面白すぎる。
ヒロイン二人は、

沙也加オランプ:隠し切れない天性アイドルで、声がかわいいコメディエンヌ。
        エスカレーター式フリーダム女子校育ちっぽいオランプ。
        本人自身がアニメキャラクターみたいなので、
        ディズニープリンセスにサヤカっていなかったっけ?って感じ。(アナ雪)若い。

ねねオランプ:沙也加オランプ比で偏差値が20ぐらい高いかもしれない・・・
       県内有数進学校(共学)に通っている系オランプ。思ったより声が低い。
       そしてなんだかエロス。王太子の葬儀後の再会で思いを遂げるシーンは完全に「喪服人妻密会」みたい。

てな感じなので、雑にまとめると
てっぺーさやかはワクワクドリームアドベンチャーラブ系カップル
和樹ねねはしっとり泣かせる大人恋愛系カップル
みたいなことになります。かなり雑すぎるな。
でもてっぺーねねも違和感はないぞ。ヤンキー君と優等生みたいで、良いぞ。
和樹×さやかを見れてないのが惜しいなあと思います。

観た順番が、先に徹平2回、最後に和樹 という形だったので、
回数重ねるごとに自分の中の解釈が出来るようになったのもあると思うけど

パッションと勢いとおもしろさでぐあああ~~~と来る少年漫画のような徹平ロナン、(革命担当?)
結構理知的で枯山水的な味わいも提示してくれる青年誌主役のような和樹ロナン、(恋愛担当??)

という感じでしたね。


あとは、アントワネット様ですよ。
面白すぎる。
伝説の娘役トップ様(つまり女のプロ)と、卒業後舞台復帰ホヤホヤの男役トップ様(久しぶりの女)。
豪奢な衣装がバツっと似合うのは両方さすがという感じ。
ベタだけど「咲いてる花の種類が全く違う花園に来たな しかしどちらも良きかな」という感想です。
小バラ咲き乱れる園か大型ひまわり園か、みたいな。
1回しか見ない人には安定のまり様をお勧めするけど、かなめちゃんを攻略できたらかなり男として自身がつくのではないか、
というようなことを考えながら見ていました。なんだそれは。

ほんと、なんなら初演と再演ぐらいの解釈の違いを一気に見られているような気がすごくします。
このダブルはすごい面白いよ。誰だ組んだ人。東宝の偉い人と芸能事務所の人たち。
ありがとうございます。


ほんとに、1789は演目としてよかった。シンプルにカッコよかったし、曲に演出に、ストレートに憧れてしまう。
ていうか去年のエリザベートぐらいから思ってるんだけど、
帝劇ミュージカルが狙うターゲットが明らかにガッツリ若返っている気がする。
なんか完全に「わたしたち」が狙われていると思う。すごい、狙われてる気がしませんか?(誰に)
テニミュキャストというわかりやすい導線が10年かけてバッと花開いたのかもしれないんだけど、
それまではなんだかちょっと鈍臭いような気がしていた演出もすごく急に自分ごとできるような身近さになった。
なぜなんだろう。
結局惹かれる理由はよくわかんないのだけど、惹かれる限りは今後も見続けたいよな。と思う。