数学: 基本的事項の徹底と問題の演習量がカギ
《出題傾向》
理系は数学III・Cから、文系は数学IIから良問が出題される
理系は例年、数学III・Cのウエートが高い。2012年においても、一部小問で使われているものも含めると、ほとんどが数学III・Cからの出題となった。
数学III・C重視の姿勢は2013年入試においても変わらないだろう。関西大では、理系の受験生に対して「数学III・Cまでしっかりと履修してきておくこと」というメッセージを感じる。
学部個別日程では「やや難」の行列の問題が出題された。したがって、2次曲線や行列・1次変換の分野まで、定型的な問題の解法をしっかり学習しておく必要がある。難問はないが計算に時間がかかる印象があるので、その分、基礎的な小問集合が出題される大問4は、正確かつスピーディーに乗り切る必要がある。この小問集合を順調に解くことができれば、時間内にすべての問題に取りかかれる余裕が生まれるだろう。
文系の出題傾向も例年と変わっていない。図形と方程式、対数・指数・三角関数を中心に、数学IIから重点的に出題されている。2012年はすべて数学II・Bから出題された学部もあった。ここにも「文系も数学Iだけでは困ります」というメッセージが現れている。難易は教科書の章末レベルなので、しっかり対策をしておきたい。
《攻略ポイント1》
小問集合は基本事項を使いこなす
理系の小問集合の出題範囲は幅広いが、いずれも基礎・基本なので、まずはこれをサッサと仕上げて、残りの問題に十分な時間を確保しよう。逆にここを落としてはいけない。そのためには頻出の定理や公式はマスターしておこう。ただ覚えるだけでなく、問題を見て即座に使えるように演習を重ねておくこと。
《攻略ポイント2》
難易の差がないので得意分野から解く
文系・理系ともに空所補充と記述の問題があるが、問題間に難易の差はほとんど見られない。空所補充のほうが易しいという先入観を持たずに、自信のある分野から解き始めていくのが得策だ。その際、枝問の誘導を上手く利用すること。満点を目指すにしても、1問1問ていねいに得点を重ねていくイメージで解いてほしい。
《攻略ポイント3》
記述式の問題では必要十分条件を念頭に
記述式の問題は、必要性・十分性に留意した答案作りができているかを含めて、その論証の過程を見る意図があるので、答えの数値に間違いがあっても大きな部分点を与えることがあることに留意してほしい。