首都圏の私立中学校で入試がピークを迎えています。最近では、試験科目に英語を導入する学校が増えているほか、ちょっと変わった問題を出題してインターネットで話題になる学校も出るなど、中学入試の試験科目も多様化しています。
進学塾によりますと、ことし、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で私立中学を受験する小学生はおよそ4万5000人に上ります。これは、小学6年生の6.6人に1人に当たります。
英語が増加
中学入試といえば、国語、算数、理科、社会を思い浮かべますが、ことしはこれらの科目だけでなく英語を導入する学校が増えています。
東京・中野区の大妻中野中学校はことしから英語の試験を導入しました。リスニングの問題もあり、試験問題は中学中級程度とされる英検4級レベルで、実践的な英語力が試される内容になっています。
さらに、さいたま市の埼玉栄中学校では、その名も「スーパーイングリッシュ入試」を実施しています。試験は150語程度の英語の作文と面接で行われ、合格者は、高校卒業程度とされる英検2級レベルの能力があるということです。
東京・中野区の大妻中野中学校はことしから英語の試験を導入しました。リスニングの問題もあり、試験問題は中学中級程度とされる英検4級レベルで、実践的な英語力が試される内容になっています。
さらに、さいたま市の埼玉栄中学校では、その名も「スーパーイングリッシュ入試」を実施しています。試験は150語程度の英語の作文と面接で行われ、合格者は、高校卒業程度とされる英検2級レベルの能力があるということです。
ユニークな問題も
ちょっと変わった問題でインターネットで話題になったのは、大阪府高槻市の高槻中学校です。
1月に行われた算数の試験で出題された図形の問題が、去年、白紙撤回された東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムに似ていると話題になりました。この中学校では、以前から、時事問題に関連した試験を出題しているということで、今回の出題の意図を聞くと、「身近なものを算数に結びつけたいという考えで作成しているが、受験生の気持ちをほぐすような問題が1問くらいあってもいいのではないか」と話していました。
1月に行われた算数の試験で出題された図形の問題が、去年、白紙撤回された東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムに似ていると話題になりました。この中学校では、以前から、時事問題に関連した試験を出題しているということで、今回の出題の意図を聞くと、「身近なものを算数に結びつけたいという考えで作成しているが、受験生の気持ちをほぐすような問題が1問くらいあってもいいのではないか」と話していました。
論述問題も増加
論述問題を導入する学校も増えています。
東京・千代田区にある共立女子中学校では、社会と理科と国語、複数の科目の知識に加え、思考力も問われる「論述問題」を導入しました。学校が示した問題例では、「扇状地はどのように利用するのが適しているのか」。堆積物の特徴に触れながら、記述するよう求めています。
また、東京・品川区の品川女子学院中等部でも、表現力や思考力を問う「表現力総合型」という科目を導入しました。問題例には、文章を読ませたうえで、「『成熟社会』を生きるために小学生のあなたが明日から出来ることは何か」という、大人でも即答が難しいような問題が挙げられています。
こうした問題を出題するねらいについて、共立女子中学校は「思考力や表現力に優れた受験生、あるいはその可能性のある、そういう伸び代を持った受験生にチャンスを与えたい」としています。
東京・千代田区にある共立女子中学校では、社会と理科と国語、複数の科目の知識に加え、思考力も問われる「論述問題」を導入しました。学校が示した問題例では、「扇状地はどのように利用するのが適しているのか」。堆積物の特徴に触れながら、記述するよう求めています。
また、東京・品川区の品川女子学院中等部でも、表現力や思考力を問う「表現力総合型」という科目を導入しました。問題例には、文章を読ませたうえで、「『成熟社会』を生きるために小学生のあなたが明日から出来ることは何か」という、大人でも即答が難しいような問題が挙げられています。
こうした問題を出題するねらいについて、共立女子中学校は「思考力や表現力に優れた受験生、あるいはその可能性のある、そういう伸び代を持った受験生にチャンスを与えたい」としています。
“背景には大学入試改革”
中学入試の問題が多様化する背景について、進学塾は、大学の入試改革があると指摘します。
大学入試は、平成32年度にセンター試験が廃止され、「記述式」の問題や「実践的な英語力」が試される問題が加わります。この動きを先取りして将来の大学入試に対応できる人材を入学させたいという中学校側のねらいがあると分析しています。
大学入試は、平成32年度にセンター試験が廃止され、「記述式」の問題や「実践的な英語力」が試される問題が加わります。この動きを先取りして将来の大学入試に対応できる人材を入学させたいという中学校側のねらいがあると分析しています。
過去には、東京・港区の麻布中学校がドラえもんが生物として認められない理由を記述させる問題を出題して話題になったことがありました。
今や10校に1校が英語や論述問題を試験科目にしているとみられ、知識だけでなく考える力を問う傾向は今後も強まっていきそうです。
今や10校に1校が英語や論述問題を試験科目にしているとみられ、知識だけでなく考える力を問う傾向は今後も強まっていきそうです。