千葉県教育庁は、2月12日に実施した平成27(2015)年度千葉県公立高校前期選抜の受験状況を発表した。全日制の受験倍率は平均1.81倍で、もっとも受験倍率が高かったのは、県立船橋(理数科)3.79倍であった。
前期選抜は全日制の課程の全128校208学科で実施。募集人員21,728人に対し、志願者39,500人、欠席者190人、受験者39,310人、受験倍率1.81倍。欠席の多い学校は、「県立千葉東」11人、「県立船橋」11人、「県立千葉」8人であった。
受験倍率(受験者数/予定人員)がもっとも高かったのは、「県立船橋(理数科)」3.79倍、「県立船橋(普通科)」3.23倍、「県立東葛飾」3.02倍、「市立千葉(理数科)」3.13倍、「市立稲毛(国際教養科)」2.87倍、「県立千葉東」2.84倍、「県立千葉」2.76倍、「県立小金」2.7倍、「県立国府台」2.65倍、「県立国分」2.65倍が続いた。
前期選抜の合格発表は2月19日(木)に行う。後期選抜は、願書受付が2月23日(月)~24日(火)、願書変更が2月25日(水)~26日(木)、検査が3月2日(月)、合格発表が3月6日(金)に実施する。
今年は新課程の大学入試1年目。浪人生は減少し、少子化が進む中で大学の受験生獲得競争は熾烈を極めている。入試改革や、学部や学科の新設、キャンパス移転など、あの手この手で受験生へのアピールを進める。その効果は出ているのか。動向を探った。
2月4日に国公立大の出願が締め切られた。新課程入試初年度の志願状況はどうか。
「地方ではまだ理系人気が高い『理高文低』ですが、首都圏を中心とする都市部では景気の回復に伴って、文系人気が回復しています。法学部系の東大文I、一橋大法学部も志願者が増加しています。一方で文系でもセンター試験で理科2科目が必要となったため、国公立大を敬遠して私立大を受験する傾向もみられます」
「2月5日時点の私大の志願者を学部系統別に集計した対前年指数は、法101、経済101、人文99、理93、工103。昨年までのはっきりとした『理高文低』の傾向はなくなりました」
大学別では、現在までの判明分で、慶應義塾大、上智大、青山学院大、立教大など私大の難関大で志願者の増加が確定。明治大も締め切り前だがほぼ前年並みの志願者数に達した。
「首都圏では難関大だけでなく、東洋大、大東文化大、拓殖大、城西大、関東学院大なども志願者数を伸ばしており、安全志向をうかがわせます。地方ブランドの大学は志願者が減少しているところが多いため、地方から東京へという流れの復活も感じます。また、『花子とアン』の東洋英和女学院大、『佳子さま』の国際基督教大など話題を集めた大学も志願者が増えています」
一方で、志願者減の大学も多い。
「少子化の時代ですから、何もしなければなかなか志願者は増えません。増えている大学には、なんらかの仕掛けがあります」
千葉県内公立高校入学試験の前期選抜が12日、全日制と定時制合わせて145校で始まり、4万25人が受験した。
千葉市中央区の県立千葉高校では、午前8時ごろから、398人の受験生が“合格”への思いを胸に続々と来校、緊張した面持ちで教室へ向かった。
正門前には学習塾の関係者が並び、「自分を信じて行ってこい」「落ち着けば大丈夫だ」と激励。教え子と握手をしながらエールを送った。
試験を前に、千葉市稲毛区の杉田昌平君(15)は「野球部を引退した夏から毎日勉強に集中してきた。自信を持って頑張りたい」と落ち着いた様子。袖ケ浦市の住友緑さん(15)は「理数科目を中心に頑張ってきた。合格したら卓球部で活躍したい」と希望を語った。
きょう13日は学校ごとに面接、作文、独自問題による検査などが行われる。前期選抜の合格者は、19日午前9時に各高校で発表される。
◆リスニング中、電源切れ 公立高入試、船橋北高
千葉県教委は12日、同日行われた公立高校前期選抜の入学試験で、県立船橋北高での英語のリスニング中、放送機器の電源が切れる事故があったと発表した。当該の問題について同校を受験した257人全員を正解とし計9点を与えたという。
県立国府台高では国語の聞き取り検査の放送終了後、試験とは関係ない音声が流れたほか、県立八千代東高では検査の音声がグラウンドのスピーカーから流れるミスがあった。
また、理科の試験問題の説明文中、「ブドウ糖」を「ブトウ糖」と誤って記載。各受験会場で板書で訂正した。
慶應義塾大学は、一般入試が募集人員3,848人に対し、出願者数43,352人で、出願倍率11.3倍。早稲田大学は、一般入試が募集人員4,865人に対し、出願者数88,880人で、出願倍率18.3倍。センター利用入試が募集人員715人に対し、出願者数14,614人で、出願倍率20.4倍となった。
中央大学は、一般入試が募集人員2,777人に対し、出願者数38,072人で、出願倍率13.7倍。センター利用入試が募集人員915人に対し、出願者数30,974人で、出願倍率33.9倍。立教大学は、一般入試が募集人員2,360人に対し、出願者数41,998人で、出願倍率は17.8倍。センター利用入試が募集人員566人に対し、24,353人で、出願倍率43.0倍。
なお、青山学院大学が公開している入学試験志願者数速報によると、同大学の一般入試(全学部日程)では募集人員401人に対し、出願者数7,683人で、出願倍率19.2倍。一般入試(個別学部日程)が募集人員約2,081人に対し、出願者数が37,861人で、出願倍率18.2倍。センター利用入試が募集人員243人に対し、出願者数14,194人で、出願倍率58.4倍となっている。
京都大学は2月10日、第1段階選抜の合格者数を発表した。合格者数は7,980人で、倍率は2.8倍となった。九州大学は、前期日程では第1段階選抜は実施しないことを公表。大阪大学は前期日程、後期日程ともに実施する学部を公表した。
京都大学では全学部の募集人員2,846人に対し、志願者数は8,041人。第1段階選抜では7,980人が合格し、倍率は2.8倍だった。志願倍率が予告倍率を上回ったのは教育学部(理系)の4.7倍、経済学部(理系)の4.2倍だった。また、教育学部(文系)、文学部(前期)、経済学部(一般)などは予告倍率を下回る結果になった。2次個別学力検査は2月25日~27日に実施され、27日は医学部医学科の面接のみ実施される。合格発表は3月10日。同大学は分離分割方式による前期日程試験を実施している。
九州大学は2月10日、前期日程では第1段階選抜は実施しないことを公表。後期日程では2つの学部等が実施した。理学部物理学科は募集人員6人のところ志願者数は84人で、第1次段階選抜で60人を合格とした。後期日程歯学部は募集人員8人のところ志願者数は127人で88人を合格とした。前期日程の2次個別学力検査は2月25日~26日、合格発表は3月8日。後期日程の2次個別学力検査は3月12日、合格発表は3月21日。
また、大阪大学は2月10日、第1段階選抜を前期日程の理学部、医学部医学科、後期日程の医学部医学科、薬学部薬学科、薬学部薬科学科で実施すると公表した。合格発表は2月12日で、結果を速達郵便で知らせる。前期日程の薬学部薬学科、後期日程の法学部法学科、法学部国際公共政策学科は予告倍率を超えているが、第1段階選抜は実施しない。前期日程の2次個別学力検査は2月25日~26日、合格発表は3月9日。後期日程の2次個別学力検査は3月12日~14日、合格発表は3月22日。
詳しい選抜状況は各大学のホームページで確認できる。