そろそろ日本国内のいろんな企業で“SDG’s”ということが言われ始めているのではないでしょうか。
3月が決算の会社では、そろそろ来期の予算を編成する時期です。
この予算に実行計画の一つとしてSDG’sの理念を入れることが望ましいとされているのではないでしょうか。
SDG’s(エスディジーズ)とは一体何のことでしょうか。
SDG’sとはSustainable Development Goalsの頭文字による略称です。日本語では「持続可能な開発目標」といいます。
ガイドライン等は最初2015年9月国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲載された国際目標です。
「この目標を実現するためにどう行動するか」という具体的な目標がSDGsです。
ガイドライン等は2018年8月に改定されました。
持続可能な世界を実現するためのガイドラインは17のゴール、169のターゲットから構成されています。
SDG’sは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組む普遍的なものです。
SDG’sは、持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成されています。
SDG’sの本質は17の目標が相互に関連しており、それを包括的解決することが本当の意味で解決に向かうとも言われています。
とはいうものの、自社に最も必要とされる事項とそれに関連する事項について予算編成に盛り込まれればいいのではないでしょうか。
一個人としては、例えばMSC認証(海洋管理協議会、Marine Stewardship Council)、つまり海の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物に与えられる認証エコラベル、ASC水産養殖管理協議会、Aquaculture Stewardship Council)、つまり養殖による水産物を認証する仕組み、FSC認証(Forest Stewardship Council(R)、森林管理協議会)、すなわち適切な森林管理が行われていることを証明する認証などのマークがついた商品を買うことがMSC認証、ASC認証、FSC認証を取ろうという企業を増やし、結果としてSDG’sに貢献することにつながると思います。
分かり易いのが、大量生産・ 大量消費・大量廃棄の問題です。
食べ物や洋服などを安価に大量に生産するため、働く人や資源が大切にされないことが蔓延しています。
ゴミとなった廃棄物を焼却処分すれば地球温暖化につながるガスがでることがあります。
これらの問題は、目標8番「働き甲斐と経済成長」、12番「つくる責任つかう責任」、13番「気候変動に具体的な対策を」(温暖化対策)です。
私としては、12番は「つくる責任」だと思います。メーカーが商品を作成するとき、「極力ゴミを出さない」などターゲットに留意していれば、ユーザーによる「つかう責任」を厳しく追及しなくて済むのではないかと思います。なぜディポジットをやめたのか。なぜ上げ底につながる包装にしたのか。なぜ外観に変化がなく、シュリンクと揶揄されるような包装方法を採用したのか。
他にも、6番「安全な水とトイレを世界中に」は14番「海の豊かさを守ろう」、15番「陸の豊かさも守ろう」とも関係します。
酷い目標では、1番の「貧困をなくそう」で、貧しさは健康や教育にも影響します。つまり貧しさは、3番「すべての健康と福祉を」や4番「質の高い教育をみんなに」に影響するということです。
食べ物を無駄にしない、ゴミを減らす、買い物の仕方を変える、節電・節水をするなど、暮らしを見つめ直すことが世界共通の目標達成に役立ちます。夫々の人々が目指すSDG’sを考えてみてはいかがでしょうか。
17の目標(アイコン表示)は次の通りです。これに付随する169のターゲット等についてもそれぞれで確認していただければ結構だと思います。
「1. 貧困をなくそう」 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
「2.飢餓をゼロ」 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
「3.すべての人に健康と福祉を」 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
「4.質の高い教育をみんなに」 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
「5.ジェンダー平等を実現しよう」 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
「6.安全な水とトイレを世界中に」 すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」 すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
「8.働き甲斐も経済成長も」 すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク
(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
「10.人や国の不平等をなくそう」 国内および国家間の格差を是正する
「11.住み続けられるまちづくりを」 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
「12.つくる責任 つかう責任」 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
「13.気候変動に具体的な対策を」 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
「14.海の豊かさを守ろう」 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
「15.陸の豊かさも守ろう」 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻
止および 逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
「16.平和と公正をすべての人に」 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、
あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
「17.パートナーシップで目標を達成しよう」 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
【関係先】
〇 国際連合広報センター
〇 外務省 Japan SDGs Action Platform
〇 一般社団法人イマココラボ SDG’s
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