火野正平さんが、視聴者の心の風景を自転車で訪ねる「こころ旅」という番組があります。
いちき串木野市の田の神を訪ねた回の再放送がありました。
門前にある門前の田の神です。向こうは南九州自動車道。
火野さんは、地元の人に聞いてここへやって来ました。
道路より見る。手紙をくれたのは、福岡県の小学6年生の女の子です。
手紙には「私の心の風景は、鹿児島県いちき串木野市の田のかんさあです。田のかんさあというのは、田んぼの神様という意味です」と綴られていました。
神官型の田の神で、笏を持っています。頭は破損してコンクリートで付け替えられています。
祖父母の家が近くにあり、女の子は犬の散歩でここを通っていたそうです。
田の神には顔がないため、いつも怖いと思って通っていました。少し不気味ではあります。
おじいさんが亡くなった時、皆が泣くので自分も悲しくなって、犬とここを通りました。その時、怖いと思っていた田の神が、笑っているように見えたそうです。
そういえば、首をかしげて笑っているようにも見えます。
後ろ姿。帰って、おばあさんにその話をすると「そんなはずはないがね」と言われました。
小学生なのに、田の神に興味を持ち心の風景と思えること、おじいさんを想う優しい気持ち、田の神が笑って見えるという想像力の豊かさ、などに感心しました。
近くを流れる大里川で、堰があります。
魚道です。
右岸から見た堰。
堰から落ちる水のカーテンと泳ぐカモ。