ボードゲームを始めよう

ボードゲームは知的で楽しく、子供から大人まで楽しめる

メビウス能勢さんにインタビュー後半

2005年12月16日 23時59分00秒 | TGF2005
インタビュー後半です。
■・・・sirou  ・・・能勢さん

■当時とくらべてこの業界は大きくなったと思いますが
まだまだ小さい業界だと思いますが・・・

流行っては欲しいですが、爆発はしてブームにはなってほしくないです。地道に育って欲しいと思ってます。
去年はこの会場の1/3くらいでしたが、今年はこれだけ大きくなりましたし、自作ゲームをやる人も増えましたし、底辺から盛り上がっています。こうゆう状態で伸びていくのが一番だと思います。

■ゆうもあさんも同じ考えをお持ちでした。
ボードゲームを文化にする というのと同じでしょうか?

そういうことですね。
例えばドイツ人がどれだけゲームをしてるかっと言うと
恐らくですが10%もしてないかもしれません。でも人口の10%が楽しむと言ったらかなり大きいです。
例えば、趣味なんですか?→ボードゲームです
と言ってもおかしくないようになってくれればいいと思います。

■私はみんなが意識してがんばっていけば
5年10年でいいところまでイケる気がするのですが・・・

どうなるかは分かりませんが、やはり
自分のやれることやるしかないですね。
暗中模索で何が良いのか、何をやっていいかわからない部分はありますが、邪魔にならないことを少しずつやっていくしかないですね。


■同人ゲームに対してはどうでしょう?

やはり同人というか国産のゲームに対して、まだまだ評価が厳しいです。同人というより国産という壁があって、ドイツ至上主義があり、それが強いので苦労されてると思います。
ゲームっていうのはカードのデザイン、箱のデザイン、形・大きさ、そういったもののトータルでシステムだけではない、そういった部分がもう少し気を入れてみたらどうだろうか と思いますね。
頑張って欲しいと思います。ドイツのメーカーに買ってもらうのもいいかもしれませんが、ドイツもたくさんゲームが出てますし・・・ドイツでもそうですが佳作じゃダメなんです。佳作は見向きもされません、「お!」っと言わせるような何か光るモノがないとダメだと思います。


■サイトで ゲームに悪い評価をされることがありますが
どう思われますか?

それは仕方ないと思います。
私自身のことを言うと店ですら、このゲームは面白くないと言うことがあります。ゲームって感性だと思います、音楽と一緒で自分の感性に合わないものを批判して何が悪い と思います。しかし同時にそれはその人の感性で、私の感性とは違うわけです。
例えばおのさんが面白いと書いているゲームをやってみて、どれも自分は面白かった。それならばおのさんと感性が近いから合うのだな という判断材料の1つだと思います。
ゲームを売り始めた時は何でも売れる時期がありました。でも今は売れるものはものすごく売れるけども、売れないものはまったく売れない。そういう時代になってきたのだと思います。

別の視点から言うと、比較的に軽いゲームに関して語ることが少ないことはちょっと可哀想だと思います。重いゲームには語ることがいっぱいありますが、軽いゲームは話題にしにくいというのがありますね。初めての人にプエルトリコはちょっと大変かな、と思うけどサイトを観て面白いなと感じてしまうのかな と思うことがあります。


■■能勢さんのご意見は、理想形に近いと思います。
私もボードゲームを始めたころは右も左もわからず迷子状態でした。ぶっちゃけメビウスさんのサイトは後のほうに知りましたし、一部のサイトしか見なかったので大分買う物に影響されました。
感性の合ったサイト運営者を見つける というのは私にはまだできません。なぜなら自分の好き嫌いもよく分からないほどプレイ数が少ないからなのです。
といっても少しずつ自分の好みが分かってくる過程で、自分は偏食家であることに気づきました。他の人が面白いと言うゲームが面白く無いわけではありません。ラーメンを例にすると、雑誌によく出るとこのラーメンってまぁ無難に美味しいです。でも時々無名でも自分にメガヒットするラーメンに出会うことがあるのです。ドキューン!って。
ボードゲームも同じで、有名な賞いっぱい取ってるゲームってそりゃ面白いさ。無難さ。でもハートのど真ん中をブチ抜くゲームってのがたまにあって、それは一般の評価ではそれほど高くなかったり、あまり知られてなかったりするのです。
だもんで自分の感性に合った人を探すのは難しい。

よって私は1度プレイしてゲームを判断するようにしてます。なので有名ゲームはあまり持ってなかったりします。有名ゲームは定番すぎて例会に登場しない(登場していてもプレイし損なっている)からです。
自分に近い感性のサイトを見つけることのできる人はその方法がベターだと思います。そうでない人・まだそれが見つからない人は自分なりにサイトを判断しなければならない。
レビュー・レポートを書く側は責任を持つべきだし、見るほうも自分の感性(好み)と違うかもしれない と意識する必要があります。

ちなみに私はサイトの意見に流されまくりです。
私のサイトは私の意見出まくりなので気をつけて下さい。


メビウス能勢さんにインタビュー前半

2005年12月15日 23時59分00秒 | TGF2005
テーブルゲームフェスティバル2005におきまして
メビウスゲームスの能勢さんにお話を聞いてみたいと思います。
時間がおしてましたが能勢さんはナチュラルな関西弁で快く答えていただきました。

■・・・sirou  ・・・能勢さん

■それでは宜しくお願いします。
ボードゲームのお店を出すきっかけを教えて下さい

あまり劇的な話でなくて申し訳ないんだけれども、
私が40歳を過ぎたときに脱サラしました、しかしボードゲームのお店を出そうと脱サラしたわけでは決して無いんです。正直思いつきで始めました。逆にあまりにも(ボードゲームを)知らなかったから出せたのだと思います。
当時・・・今でもそうですが、ボードゲームのお店をやって食べていけるなんて絶対ないんです。それを分からなかったからやれた、ということです。

実はボードゲームだけではなくて、
パズルとボードゲームの店をしようと思っていました。
それはなぜかと言うと・・・
ちょうど今から15年くらい前でバブルは終わっていました、
流行言葉で「暗い・明るい」というのがありました。
何かを真面目に考えることは「暗い」ことで、
おちゃらけることは「明るい」ことだ。
真面目に話したり、真面目に取り組むことは「暗い」、
もっとノリでやろうよ みたいなのがものすごく嫌でした。
ボードゲームはものすごく頭使うわけではないですけども
知的な遊びって絶対面白いし、暗いわけでも何でもない。
そういうのをやってみたいな という思いつきなんです。

ボードゲームのお店を出すことにで色々あたってみました。
たまたま知ってるところがあってお店を始めました。
ボードゲームを置きました。売れません。
まったく売れません。
どうして売れないかというと人気がありません。
ここに居る方の先輩たち(コアな方達)が持っているようなゲームしか置いてなかったんです。


■メビウスの名前の由来を教えて下さい。

パズルとゲームの店だったから、パズルをイメージできる名前です。これも思いつきですね。
その後ドイツから輸入する時に、能勢商店よりはるかに覚えてもらいやすかったです。


■お店のカラーを教えて下さい。

まだまだドイツから仕入れしてるお店は少ないです、
メビウスの使命としては日本に色んなゲームを紹介するということです、小売をするというよりは 小売屋さんに卸す、メビウス便などで、少しでもなるべくたくさんのゲームを紹介したい。ということです。


■ルールの和訳はどのようにやっていますか?

友人でずっとやってくれる方がいてくれて、
図を入れたり構成などは私がやります。
ゲームの訳っていうのはドイツ語ができるから訳せるってわけではなくて、ゲーム全体の構成が頭に入って、日本語として出力しないとゲームの訳にはならないので、そういう意味ではその方はすばらしい方だと思います。


■お店をやってきた中で大変なことは何ですか?

気楽にはやってますが、ある程度売れるようになるまで苦労しました。今ではゲームしか置いていませんけども長い間クリーニング屋兼業してたりしました。割合としてはそっちの方が収入がありました。クリーニング屋の副業でゲームを置いてると思ってる方は多かったと思います。私はそうは思いたくなかったんですけど(笑)


バネスト中野さんインタビュー 後半

2005年12月01日 23時58分00秒 | TGF2005
テーブルゲームフェスティバル2005におきまして
ゲームストア・バネストの代表であり、名古屋EJFにも参加している、中野さんへのインタビュー後半。
前半インタビューはこちら

■・・・sirou  ・・・中野さん

■一番苦労したところ、大変なところを教えて下さい
苦労だらけです。
まず仕事から逃げ出すことができません。正直、サラリーマンの方がよかったかな、と思うこともあります。大きく行き詰まったこともあります。そういったときに仲間に助けられたので、そこはすごくありがたいと思っています。
とても大変なことを経験したので、多少ヘコむこともありますが、助けてくれる仲間やお客様がいらっしゃるので私はその方達に頭が上がりません。
色々と大変なこともありますが、そういった方達に助けられるので苦労なことも「やりがい」を感じます。

■面白いこと、楽しいこと を教えて下さい
面白いことはたくさんあります。
まず視野が広がりました。販売者という立場ですが、プレイヤーの感覚は捨てていないんです。2つの見方からゲームや人物、事柄を見ることができるのは面白いし、価値のあることだと思っています。
それにより現場を常に忘れないでいられます。現場の意見がやっぱり正しいと思います。お客様の意見を聞きながら、自分の糧にしていければいいと思っています。

■同人ゲームに対して教えてください
ただ同人作家に一つ聞きたいことがあります。自己満足で終わってしまうのであれば、私的にはそれまでの時間はもったいないと思うんです。
仲間内だけで楽しむだけなのであれば・・・正直なところあまり関心がもてません。
ゲームを考えて→作って→売る というのは、私が輸入して→和訳をつけて→売る ということより大変だと思います。それなら海外でゲームの公募を行っているところはたくさんあるので、そういったところに出してみるのもいいのではないか、という気もします。
なのでプレイヤーとしては関心はありますが、商品にならないものは販売者としては難しいですね。

■そこはシビアな方がいいとは思います。
同人と製品 という線引きもなかなか難しいと思いますが・・・
出版社が作ったら製品だと思います。自分で作るなら同人、出版社にお願いして100や500のロットを作ったら製品だと思います。同人ゲームの一番かわいそうなことは、ゲームがある程度有名になったときに万人に遊ばれないことだと思います。バネストとしては、そのゲームにある程度の説得力があればそれらを商材として考えています。

作られている方がどういった経緯で作られているのか分からないのですが、例えば作って遊ぶことが楽しいと思うなら、それはそれでいいかもしれません、ただそこで何か物足りなさや大変さを感じるならば次のステップを考えた方がいいと思っています。

良いゲーム、悪いゲームという判断は極端な話、半分はそのゲーム自体の良し悪しに、もう半分は話題性や売り方だと思います。
■たしかにHPの評価などはかなり重要ですよね
そうですね、HPで多くの人に見られている人はそれなりの自覚を持って欲しいと思います。
■例えば評価はプレイヤーの為にあって、自分が面白くないのは面白くないと言っていて、それをどう捉えるかは読み手次第、というスタンスなのですが、いかんせん影響力が大きいのはあるかもしれませんね。
一部、またはいくつかの意見に左右されるということは、まだこの趣味は育ってないのかもしれません。なのでそういった意見を述べるときは、ある程度その状況を理解していただきたいと思います。
書いてはいけない とは言いませんが、「よくない」と書くにはそれなりの根拠を持ってほしい。私は好みではない、ここが嫌いと書くのはまったく問題がありませんが、書き方によっては一般論になってしまうことがある。そのように書くのならばちゃんとした責任(根拠)を持って欲しいと思います。

中野さんのお話と私の考えをまとめてみました
食べ物で、あそこの店がウマいと評判になるとその店が繁盛する、それに似ています。でもボードゲームと違うのは評価を見る側が自分の好みと合うかどうかを判断できるか否か、という点である。ボードゲームはまだ趣味として育っていないため、一部の意見に流される傾向にある。
これは「そんなことはない、見る側で判断できている」という意見をお持ちの方も多いかもしれない。しかし私を含め多くの人は、ボードゲームを扱うホームページを見て、購入を判断しているのは無視できない。ボードゲームの現状を見たとき、ほとんど全ての人が自分の好みを自覚していてHPの評価を判断できてはいないと思う、ならば「ボードゲームはまだ未成熟である」と言えなくはない。ということである。
※これに関して、メビウスの能勢さんはまた別の考えをお持ちで、それはまた後日掲載することにいたします。

もっとくだけて言うと、評価を書くときに多くの人がそれに左右されることがあるので、その点を理解した上で評価を書いてね。ということである。さらに言うと読む側も、これはこの人の意見なのだ(私とは違うかもしれない)ということを念頭にいれて判断する必要がある。

■以上でインタビューは終了です。
バネスト中野さん、ご協力ありがとうございました。


バネスト中野さんインタビュー 前編

2005年11月26日 00時00分00秒 | TGF2005
テーブルゲームフェスティバル2005におきまして
ゲームストア・バネストの代表であり、名古屋EJFにも参加している、中野さんにお話を聞いてみたいと思います。
中野さんマスクをしていてどうやら体調が悪そうです・・・
■・・・sirou  ・・・中野さん

■出店の理由を教えてください

ゲームを広めるために何が必要かと考えた時に、
私にはサークルがあり、ゲームも普通に買うことはできます。
自分は買えるけれど、他の人は買えません。
では買えるポイントを増やせばいい。買えるポイントを一つでも増やすことによって、手に入れやすくなる・層が広がるのではないか と考えた結果、出店しました。

■お店の名前の由来をお聞かせください。

スペイン信用銀行!

■スペイン信用銀行!?銀行からとったんですか?

スペイン信用銀行という銀行が実際にありまして、それが語呂がよくて使っています。特に別に何も言ってくることは無かったので、そのまま使ってます。
検索してみるとバネスト銀行は自転車チームを持っていたようです。中野さんは自転車レースがお好きなようなので、そこから繋がっているようですね
バネストというのはスペイン信用銀行、の略称です。バンク・エスパニョール・デ・クレジット。バンクのバン、エスパニョールのエス、クレジットはTOを取って、バネスト。
厳密には「バネス」が略称とのことです。しかし皆さんが「バネさん」と言うので、「バネ」で良い、とのこと(笑)

■他のお店と比べてチカラ入れてるところを教えてください

他がやらないことをやる。ということです。

■他のお店が入れてないゲームを入れるってことですか?

そうです。韓国のゲームやシンガポールのゲームなどを入れてます。
今はドイツ至上主義のような流れがありますが、私はドイツだけではなく視野を広げればいろんなモノが見えてくるのではないか と思っています。
有名ゲームは能勢さん(メビウスゲームス)がやるのでいいんです(笑)、小さなメーカーとか、ドイツ以外のメーカーをうまくアプローチできればいいな、と思っています。それが今のバネストのカラーになっています。

■和訳ってどうされてますか?

外注で3~4人の方に頼んでます。
得意・不得意があるので、子供用ゲームだったら、お子さんを持ってるお母さんに訳してもらい、フリークゲームはフリークの方にやってもらってます。テキストや略語が多いものは、大学のサークルにやってもらいます。
できてくる和訳はプレーンな文章なので、訳文ができたら文章を見直したり、イラストを入れたりする必要があります。それは私が行っています。
なのでそれが見にくかったり、読みにくかったら・・・私の責任ですかね。
なので構成の段階で名古屋EJFやアルバイトやお客さんに、構成したものを読んでもらい、直しを行っています。
販売したものに関してはエラッタを出して対応しています。

■和訳の中でも、原ルールをそのまんま訳す場合と、異訳して構成変えて 読みやすさを重視する場合がありますが、バネストさんはどちらですか?

バネストでは原文に忠実な訳です。
もちろん読みにくい場合は変えます。ただし大胆な入れ替えたりはしません。
イラストを入れて、カラーで出力しています。


中野さんインタビュー前半はこれで終了である。全体の1/3の量ですな。中野さんは体調悪いのにもかかわらず、軽快に答えてくれるのでインタビューは非常にスムーズ。後半は同人ゲームに関するご意見や、レビューや評価を書いているHP管理者たちへの意見が、見所である。

まとめるのに時間かかってまして・・・がんばります。