泰山は奇観に富み、中国を代表する名山として知られている。
その泰山は、わずかな土くれも捨てないからこそ、あれだけの雄大な山容を形づくっているのだ、と云う意味。
秦の始皇帝がまだ秦王であった頃の話である。
重臣たちの中から「他国出身の人間は信用できないから、追放してしまえ!」と云う論が持ち上がった。
この時、李斯(秦の丞相)と云う人物が上書して追放令を撤回させているが、その上書の中に、この言葉が使われている。
他国の出身であれ、積極的に人材を受け入れてこそ国を強大にすることができるのだと云う趣旨である。
あいつは嫌い、こいつは使い難いなどと言っている様では、ろくな働きはできないと云うことだ。