墓地の一角に、ペットを弔うためと思われる墓石がある。
石彫の猫と犬がこちらを向いて座っている。
毎日一緒に暮らしているペットを弔う場所をもちたいという気持ちはとてもよくわかる。
ペットの立派な葬儀に出くわしたこともある。
義務感というより、別れの悲しさや寂しさを払拭するのに必要な時間なんだろう。
我が家にも愛すべきペットがいるから、その気持ちは理解できる。
人の勝手で連れてきて、人の勝手で閉じ込めている。
自戒を込めて「拉致監禁」と言っている。詫びなくてはならない。
一緒に過ごす時間の楽しさ、暖かさ、充足感を溢れるばかりに頂戴している。
せめて、最後まで出来るかぎりのことをさせてもらいたい。
そういう関係は人と人の間でも同じ。
墓参りは、弔いの気持ちを自ら確認するのに必要なものなのだろう。