3日続けて無宇を連れ出した子供達、やっと成果があったらしい。
今日は無宇はお昼寝。子供たちも疲れている様子。
お願いおばさんは子供にはお願いしないので、人頼みになる。
なかなか通行人見つからず、ついに、知り合いに頼み込んだそうな。
50歳代の小柄な女性に、ゆっくりとその道を通ってもらったと。
早速赤いレンガのマンションからおばさんが飛び出してきた。
「すみません。時計を外してくれませんか」とニコニコ。
「ハァ、いいですけど。どうしたのですか」
「私、右手の指がうまく動かせないんです。で、時計が外れなくて」
「そうですか。どれどれ」
訳無く時計は外れ、お願いおばさんは快調に話し始めた。
「不便なんでんよ。はめる時はカチッといくけど、外すのは力がいるんで」
なるほど、それは納得。
「ここで誰か助けてくれそうな人を待ってるんです」
はて、鵜呑みにしていいのか。子供たちも不思議がっている。
なぜ外しにくい時計をはめるのか。持って歩けばいいのに。
右手に力を入れなくてはならないことがあれば いつも待機か。
子供たちの報告にはこうある。
このおばさんは少し寂しいのかもしれない。
手伝ってくれて、話をしてくれそうな人を待っているように見える。
一人暮らしか。それとも家族とは気楽に話せないのか。
もし頼まれることがあれば、快く、元気に引き受けたい。
子供池たは面白半分で始めたことかもしれないが、立派な報告書が出来上がっている。