心象風景 絵描きブログ

美術のこと、旅のこと、いろいろを心象風景を描くようにつづる絵描きの雑記。

メタセコイア

2019-07-10 20:29:24 | 美術

初冬にはすべての葉を落とし、春にまた新しい樹形を見せる。

この大木の名を初めて聞いたのはOさんの庭だった。広い裏庭に聳えていた。

絶滅したと思われていたが、中国で見つかり、全世界で保存されてきたという。

Oさんの裏庭に面する道を久々に通った。Oさんはもういないけど、メタセコイアは健在だった。

人の寿命は百年前後、スギやヒノキは千年以上。メタセコイアもその仲間。

イチョウやケヤキが天然記念物に指定されているのは、身近だったから。

屋久島の縄文杉は二千年以上という。スギは神木というより建材とみられていたのか。

メタセコイアは、スギやヒノキと近いらしい。

スギの種類に、ラクウショウというのがある。「落羽松」と覚えている。

ちょっと見ただけでは見分けられない。互生と対生の枝の出方で区別する。

樹形を遠目に楽しむには、その違いは問題にならない。

とはいうものの、名を声にするときは、どちらがいいのか迷うときもある。

初めに教えてもらったメタセコイアの名を使うのは、Oさんを思うから。

そして、秋に風に舞う落葉を楽しむときは、落羽松。

呼び名は想い出と密接に関わっている。どちらも大切な想い出の樹。