登校する児童の声もなく、車の疾走するエンジン音もない。
静かな 静かな夜明け。毎日がこれでもいいような気がする。
ビル群に日の出が隠されてしまうので、少し遅い夜明けになる。
盆地にいると、朝日も夕日も山に従う。
ビルに囲まれているのも盆地と同じだ。
ビルの上からは早すぎる夜明けが見えるということか。
東京にいると、空が狭いと思うことが多い。
その分、空の変化に敏感になる。稀なるものの味わいか。
夜明けに一喜一憂するのも街人の寂しさ。
当たり前のように満天の星を見ることに憧れ続けるのだろう。