庭と言っても公園。さしずめみんなの庭と言ったところか。
野にあるバラを野ばらと言うなら、公園ばらと言わなくてはならない。
計画的とか整備という感じのない、気まぐれに咲いたような風情。
小さな一重の可愛らしい姿に吸い寄せられた。懐かしい気がした。
絹布でつる薔薇を作ってもらったことがある。
本物のつる薔薇は、花の寿命が短く、切り枝を室内に飾ることができなかった。
作ってもらった薔薇のつるで玄関を埋め尽くした。
帰宅するたびに幸せになれた。永遠に続く花園だと思っていた。
ところが、梅雨時期の湿気で花びらが布に戻ってしまった。
その時思った。野にあっての野ばらだと。玄関は、葉物の園がいいとこだ。