南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

フランシスコ・ザビエルが眠るゴアの教会

2010-03-09 16:41:51 | インド
日本に初めてキリスト教を伝えたことで有名なフランシスコ・ザビエルは、
1552年、中国へのキリスト教布教という大目的を全く果たせぬまま、
中国広東省南岸のサンチャン島(上川島)でなくなります。その後、彼の
遺骸は、マラッカを経て、ここインドのゴアに運ばれ、このゴアのボム・
ジェス教会(The Basilica of Bom Jesus)に安置されています。

今回、インドのゴアまで来た理由は、仕事(撮影)があったからだったの
ですが、本当の理由は、ザビエルがいたゴアを見ておきたかったからなの
です。去年の9月、マカオの聖フランシスコ・ザビエル教会を訪問して
から、しばらくして加賀乙彦さんの『ザビエルとその弟子』(講談社文庫)
を読みました。それ以来、ゴアにも行ってみたいと思っていました。
今回、偶然に仕事でゴアに行くことになったので、目的を果たすことが
できました。

この上の写真のボム・ジェス教会は、ゴアでの最大の見所です。この教会
の建物自体が世界遺産になっています。1605年の建造です。
中はこんな感じになっています。

中での撮影は自由ですが、お祈りをしている人々の写真は撮影してはダメ
と書いてあります。この中央に祀られているのは、ザビエルではなく、
イエズス会のリーダーだったイグナチウス・ロヨラ(イグナチオ・デ・
ロヨラ)。この人はザビエルの上司にあたる人ですが、東京の四谷の上智
大学にあるイグナチオ教会のイグナチオはこの人です。

この教会に入ってすぐ左側にザビエルの像があります。

ちょっとアップにしてみます。

そして祭壇の右側にあるのが、ザビエルの遺骸が安置されている棺。

この上のほうにガラスの小窓がついているのが棺のようです。
遠い歴史の中の人物だと思っていたザビエルの実際の亡骸がそこに
物理的に存在しているというのがちょっと衝撃的です。

ザビエルの棺の上のほうにある天使たちの彫刻ですが、ちょっと顔
がおっさんです。

よく見ると教会の美術的な細工の完成度が低いというか、素人っぽ
い感じがします。

おそらく遠く欧州を離れたゴアまで来る美術家、彫刻家は、それほど
レベルの高い人はいなかったんだろうなと思われます。たとえば、
こちらの最後の晩餐と思われる絵。

ダビンチのものと比べるのは酷です。

こちらの教会の柱の彫りものもちょっとインドっぽい。

現地の職人に作らせたんでしょうか?

こちらはザビエルが亡くなったときの様子を描いた絵。

彼の最後は、アントニオという中国人の弟子が一人いただけでした。
歴史には名前を残していますが、日本の布教も中後半端だったし、
一番の重要な課題の中国布教は全く目処もたたぬまま死んでしまう
のですが、彼の死の瞬間は失意でいっぱいだったのでしょう。
数多くの人々をキリスト教の世界に導いたという点では満足感も
あったのかもしれませんが...

こちらは、ボム・ジェス教会の中庭の景色。

ここはポルトガルと全く同じような感じです。

この庭の手前に、ザビエルに捧げられたろうそくが燃えています。


ボム・ジェス教会の近くに、アッシジの聖フランシス教会と、
セ・カテドラル教会が見えます。こちらも世界遺産。


こちらがアッシジの聖フランシス教会。

こちらがその中。

その名前の通り、アッシジの聖フランシスをまつっています。
『ブラザー・サン・シスター・ムーン』という映画がありましたが、
この映画は聖フランシス(フランチェスコ)の話です。
この教会の建物の他の部分は考古学博物館になっています。
入場料は10ルピーですが、ポルトガルの歴史的な肖像画が多くて、
正直、あまりぱっとしない展示でした。

こちらはセ・カテドラル教会。

かなり立派で大きな規模です。こちらはその中。


こちらの教会があるのはオールドゴア地区ですが、ゴアの街の
あちこちに教会があります。畑の中にもものすごく小さなチャペル
があったりします。こんなに沢山の教会のある街は見た事がありま
せん。こちらはゴア州の首都のあるパナジの中心地にある白亜の
パナジ教会。

こちらも16世紀の建造物ですが、とても美しい景観です。

ゴアはビーチリゾートという顔もありますが、歴史的にも見物は
多いです。私はこれまで、リスボン、マラッカ、マカオとポルト
ガルの大航海時代の拠点となった街を訪問しましたが、日本がまだ
戦国時代だった頃、グローバルな拡大を目指していたポルトガルの
ことを思うと感慨深いものがあります。

アジア地区でのキリスト教布教拡大を課題として与えられた
ザビエルは、言葉や文化の壁もあり、環境的にも劣悪だった未開地
での仕事に不安も感じたに違いありませんが、巨大人口を抱える
アジアの地での布教に果てしない可能性を感じていたことでしょう。

大航海時代にポルトガルの力を借りて一気にグローバル展開を目指し
たイエズス会とフランシスコ・ザビエル。インドや、マレーシア、
インドネシアや日本など前人未到の地で果敢に布教していった
ザビエルのフロンティアスピリットとその体力は見習うべきものも
多いと思います。

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