南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

ヒース・レジャーよ、やすらかに眠れ

2008-08-04 03:30:47 | Weblog
昨日、『ダークナイト』に関しての記事をアップしたのですが、
どうもブログの検索に入らなかったようですので、もう一度、
これ関係の記事をアップしたいと思います。日本でもこの映画
の上映が始まったようですが、なかなか評価が高いようですね。
映画としても出来は非常によいのですが、なかでもこの映画の
中でジョーカーを演じたヒース・レジャーに対する評価が抜群
ですね。これほどまで奥の深い憎まれ役を演じた俳優は見た事
がありません。

しかし彼は、この映画を撮り終えて、今年の一月に帰らぬ人と
なってしまいました。28才という若さで、役者としてはこれ
からだったのに、とても残念です。この『ダークナイト』の
映画の最後も、ジョーカーはバットマンにやっつけられたよう
に見えるのですが、ジョーカーは絶対に死なず、再びよみがえ
り、続編でバットマンに再度挑戦を挑むはずだったのではない
でしょうか。しかし、ヒース・レジャーは現実世界の中で病に
勝てず死んでしまいました。

この映画の中で、ヒース・レジャーはジョーカーのメークを
しているので、その素顔はわかりません。数々の賞を受賞した
『ブロークバック・マウンテン』(2005年)では、二人の
カウボーイの間の同性愛を引きずりながら、家庭生活を続ける
無骨で寡黙な男をヒース・レジャーが見事に演じていました。
ジョーカーとは全く違うキャラクターなのですが、その演技の
奥深さはジョーカーと同じく凄いものがありました。

私がこの『ブロークバック・マウンテン』を見たきっかけは、
この監督がアン・リーという人で、『ラスト・コーション』を
監督した人だったからです。『ラスト・コーション』に出演し
ていたワン・リーホンが、アン・リー監督はすごいと絶賛して
いたので、どんな作品なのか見てみたくなったのです。

その映画の主役がヒース・レジャーでした。ジョーカーが饒舌
なのと比べて、この映画の中のイニス・デルマーは極端に寡黙
です。彼は役柄として、同性愛を生涯引きずっていく複雑な男
を演じるのですが、こういう役柄はこれまでにほとんど前例が
なく、演じるのも難しいと思うのですが、彼はそれを見事に演
じ切りました。そして、『ダークナイト』でのジョーカー。
現実世界の中ではありえないキャラクターをまた彼は見事に演
じ切ったのです。

現実の中では、彼は『ブロークバック・マウンテン』で共演
した女優ミシェル・ウィリアムズと即結婚し、子供が生まれた
のですが、2007年に離婚。いろいろな女性と浮き名を流して
いたようですが、精神的にも相当まいっていたようですね。
『ダークナイト』を撮影している時も、睡眠薬や精神安定剤に
頼っていたようです。ということは、あのジョーカーの演技は
彼の命とひきかえに得られたものと言えるのかも。

彼の名前のヒースというのは、エミリー・ブロンテの小説の
『嵐が丘』の主人公ヒースクリフからとった名前だとか。
ヒースクリフは、満たされなかった愛に対する復讐をしながら
それが果たされないまま死んでいく悲劇の人なのですが、
ヒース・レジャーの死には、そのヒースクリフと、ジョーカー
がオーバーラップして見えるかのようです。いずれにしても
安らかに眠ってください。

PS:いちおう昨日アップした記事はこちらです↓
映画『ダークナイト』の中のエディソン・チャンとヒース・レジャー
ではまた。