南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

ラッフルズホテルと作家の人たち

2006-11-19 08:59:48 | シンガポール
ラッフルズホテルのクリスマスの飾り付けです。もうちょっと
早い時間に撮影すればもっと美しかったかもしれないのですが、
このホテルのクリスマスの飾り付けは、とてもエレガントです。
正面玄関の飾りは左右対照に配置されていて、その上品さは
見事です。

このホテルは、サマセット・モームなどの作家が滞在したホテ
ルとして有名です。このホテルの正面入り口を入った内側の右
側にWriters' Barという小さなバーがありますが、20世紀の初
頭にイギリスからこの南国に立ち寄った作家たちがいた頃の雰
囲気を漂わせています。

先週は、バンコクのオリエンタル・ホテルに寄ったのですが、
オリエンタル・ホテルも作家たちが滞在していました。サマ
セット・モームはそっちにも滞在していたのですね。かの
三島由紀夫もここで『豊饒の海』を書いたとか言われています。
この作品は四部からなり、第三部がバンコクが舞台です。
三島由紀夫は市ヶ谷の陸上自衛隊駐屯地で割腹自殺したの
ですが、それはこの作品の第四部を入稿した日であったとか。

作家の話になったついでに、私がこれまでに実際に接触のあっ
た作家先生の話をしてみましょう。作家というジャンルではな
く本を出している人ということでいうと、まずは渡部昇一先生
ですね。この人は、大学の時に英語学とかの授業を受けたので
すが、当時は『知的生活の方法』というのがベストセラーに
なっていました。この先生は、いろんなジャンルの本を出して
いるのですが、大島淳一という名前で出ている
マーフィーの法則関係の本は、実は渡部昇一先生の別名だとい
うのを本屋でたまたま買った本で最近知りました。

大学時代、辞書で有名な金田一春彦先生の国語の
授業も受けたことがありました。漫才のように面白い授業でした。

ピーター・ミルワードさんも、いろいろ本を出されていますが、
この人の授業もとっていましたね。そういえばこの人の本に
挿絵を描いてあげたことがあります。

外山滋比古さんは、文化人でこの人もいろいろと
本を書かれていますが、この人は愛知県出身なので、学生時代、
東京の愛知県人寮のパンフレット用に原稿を依頼したことがあ
りました。会ったことはありませんでしたが、この人から手紙
をいただきました。

こんな感じで書き始めてみたら、何だか自慢話みたいになって
しまいましたね。もうしばらく我慢してください。

小説家で。はじめて会った人は坂上弘さんです。
この人は、普段はとあるメーカーで広報の仕事をしていて、
うちの会社のクライアントでした。私が会社に入ったばかり
の頃、坂上さんとは仕事で何度かお会いしました。もの静か
ではありましたが仕事には厳しい人でした。この人の小説を
何冊か読みましたが、割り切れないような不思議な読後感の
ある話が多かったと思います。

今をときめく文化人となってしまった感のある都築響一君
大学時代の同級生です。同じクラスで英文学を学んでおりま
した。彼の家には遊びに行ったことも何度かありました。SPA
で連載していた珍世界紀行のマレーシアの『不倫博物館』と
『昆虫博物館』は私が情報提供したものです。

学生時代、私はシェイクスピア演劇をやっていたのですが、
その劇団の後輩だったのが、詩人の四元康裕氏です。
彼は学生時代から詩を書いていましたが、今や詩人となって
しまいました。まだドイツに住んでいるのかな?うちの東京
の本社から、雑誌に発表された作品など送ってもらっている
のですが、いろいろ活躍されているみたいですね。

この間、別な人と話していたら、シェイクスピア劇団の先輩
で作家になっている人がいるという話で、それが諸田玲子さん
でした。江戸時代ものの作品で有名です。この人にはどこか
でお会いしています。飲み会だったかもしれませんが。今や
売れっ子作家になっていたのですね。びっくりしました。

あと、シンガポールに講演会で来られた作家は、堺屋太一
さんと、幸田真音さんでした。実際にお会い
したりすると作品が身近になります。

これだけでもいろんな作家の人と接点があることになります。
私の場合、そういう接点から、その人の作品に入ることが多い
ので、読書傾向としてはかなり偏っています。数年前から私が
好きな作家は、中国の古代歴史もので有名な宮城谷昌光さん
ですが、実はこの人も田舎が愛知県の東三河という接点があり
ました。それは本を何冊か読んだ後はじめて知ったのですが。

ラッフルズ・ホテルの話からいろいろ広がってしまいました。
私もシンガポールを題材に何か書くか?と思ってもなかなか
時間がとれないし、才能もないのが問題ではありますが。