南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

『キルビル』や『少林サッカー』に関わったデジタルスタジオ

2009-09-29 00:06:16 | HONG KONG
先日、テレビコマーシャルの編集作業のために香港の編集スタ
ジオに行ったのですが、後で調べたらこのスタジオは、いろん
な映画のデジタルエフェクトを行っており、何と『キルビル1
&2』や『少林サッカー』、『カンフーハッスル』なんかの
デジタルエフェクトもこのスタジオで作ったのだとか。また
私が数ヶ月前に見た『南京南京』もこのスタジオが関わって
いたのを知って、さらにびっくり。

このスタジオは、先週香港島のコーリーベイに引っ越してき
たばかりで、まだ工事中だったのですが、そんな由緒あるスタ
ジオだとも知らず出かけて行ったのです。これまでは編集は
他のスタジオを使っていたのですが、今回は新たな監督を使っ
たので、その監督の指示でこのスタジオになったというわけ
です。今回は特にデジタルCGが必要なったので、CGの得意な
このスタジオが選ばれたということです。

編集スタジオの中身はどこも同じような雰囲気なのですが、
コンピューターの調整卓があり、その隣にテレビモニターが
置かれています。調整卓にはオペレーターが座っていて、
そのそばに、監督がいて、クリエイティブディレクター、そ
してプロデューサ-の人がいます。プロデューサーは立って
いろいろと忙しそうにそわそわとしているのが常なのですが、
スタジオの人たちが数人立って見守っています。

今回はクライアント(お客さん)は同席していないので、
我々制作スタッフだけでの作業なのですが、スタジオの人や
オペレーターの雰囲気がちょっと緊張感があり、これは
雰囲気だけでレベルが高い感じだなと思いました。やっぱり
香港でもトップクラスのスタジオだけに雰囲気もちょっと
違います。こういう中で、『キルビル』や『少林サッカー』
などの名作が生まれてきたのかと、あらためて納得したので
した。

『キルビル』は自分でレンタルビデオで見たのですが、
『少林サッカー』はMy Wifeのお薦めでした。なんだか映画
はMy Wifeに薦められてばかりいますね。(笑)香港に来る
ために不動産屋と一緒に部屋を見て回っているときに、
My Wifeが『少林サッカー』の話をしていました。「香港に
住むんだったらあの映画をみないといけないよね。あれは
香港の基本。そうですよね、不動産屋さん」という投げかけ
に不動産屋の香港人も無理矢理同意させられていました。

あのスピード感は、まさに香港。キルビルのスピード感も
そうとうなものですが、仕事も何でもこういう超人的な速度
で対応するのが香港だと思ってしまいました。もともと私は
のんびりした性格にみられがちですが、でも本心は物事が
てきぱきとスムーズに流れていかないと気がすまないのです。
ですのでこういう映画のスピード感にはほれぼれとします。

『ハンサム★スーツ』でいえば、もとえさん(森三中の大島
美幸)が、食堂の中で、てきぱきと仕事をしているところとか、
『王様のレストラン』(これもMy Wifeのお薦め)の中で、
流れるように料理を作るシェフの山口智子さんの無駄のない
動き。仕事がこういうふうに流れることが自分にとっては
理想なのですが、なかなかこのようにはなりません。

香港でのコマーシャルの制作現場では、カメラとか、照明
とか大道具とか、数十人のスタッフが共同作業を行うのです
が、時々、ものすごいスピードでスタッフが動き回ることが
あります。ほんともう香港映画のように、ぶつかったりせず
に見事に全員が連携して、ある状況を作り出していく、そう
いうのを見るとこれはさすが香港なんだなあと嬉しくなります。

以前、『フィッシュ!』という本を読んだのを思い出しました。
シアトルの魚市場が何故か活気に満ちている。その魚市場から
仕事を楽しく行う真理を発見していくというような話なのです
が、普通は退屈な仕事でもやり方によってはどんどん楽しくで
きるというところが面白かったです。どんな場所にも、どんな
仕事にもやりがいは見いだせる、そこをつまらなくしているの
は自分の固定観念だ。仕事を楽しめればそこに活力が生まれる。
そういう活力のあるところに仕事も人も集まってくる。
ということなんですよね、きっと。