南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

ディパバリとハリラヤ

2006-10-22 16:03:58 | シンガポール
シンガポールは、10月21日の土曜は、ヒンズー教のお祭りの
ディパバリの祝日でした。上の写真は、インド人街の飾りつけ
です。今年のテーマはクジャクで、クジャクの羽根のイルミ
ネーションが開いたり、閉じたり見えるところが見事です。
ちなみにこの写真撮影は、妻の下町娘です。

今年は、ディパバリと、イスラムのお祭りのハリラヤがほぼ
重なりました。ハリラヤの祝日は来週の24日の火曜日です。
月曜日は平日なのですが、うちの会社はお休みにしました。
月曜日を休みにするかどうかは、それぞれの会社判断なので
すが、休みのところもあるし、やっているところもあります。

今年は、10月の前半まで、中秋節(ランタンフェスティバル、
あるいはムーンケーキフェスティバル)もやっていました。
チャイナタウンでは、このための飾り付けがきらびやかでし
た。今年は、めずらしく、3つのお祭りが重なったので、同
じ、時期に、3つの違った種類の飾り付けを見ることができ
ました。中秋節とディパバリは、毎年ほぼ一定ですが、ハリ
ラヤは、毎年どんどん早まっていきます。一年の周期が短い
のでそうなるのですが、再びハリラヤとディパバリが重なる
のは何十年か先のことになるみたいです。

インド人のお祭り、といってもインドには、イスラム教徒も
10%以上いるので(1億人以上)、人種ではくくれません。
またパキスタンや、バングラデシュもイスラムが大半なんで
すね。また、イスラムと言っても、日本で想像するようなア
ラブ系ではなく、シンガポールのイスラムは、マレー系の人
が大半で、インドネシア系、アラブ系、バングラデシュ、
パキスタンなどいろいろです。

ディパバリは、本家インドでは、ディワリと呼ばれています。
うちの会社はインドとの仕事も多いので、取引先の人から
"Happy Diwali"のメッセージが送られてきていました。お祝
いのメッセージというのは、宗教や、国を超えて、心温まる
ものです。

シンガポールのように、小さな国で、いろんな人種や宗教が
混在していると、お互いの文化を尊重していて、非難しあう
ということはあまりないように思えます。お互いに、何か変
なことやっているんだろうなと思うこともあるでしょうが、
だからと言って、それは許せないとか、喧嘩になるようなこ
とはまずありません。と言って、宗教や文化が融合するとい
うようなことはなく、それぞれがそれぞれの伝統を守り続け
ています。

パレスチナや、その他いろんな紛争地域で、宗教の違いから
諍い会っているのが多いですが、シンガポールの場合は、
宗教の違いを超えて見事にバランスがとれているという珍し
い事例です。

宗教というのは、神がどうのこうのというけれど、それは
しょせん、人間が作り出したこと。などと言うと、いやそれ
は違う、神が作ったのが人間である、とお叱りを受けるかも
しれないのですが、そもそも宗教というのは、人間の世界を、
人間の心の中を平和にするために生まれてきたもの、その
宗教のために争い合うというのは本末転倒のことなのだと
思います。

夫婦の関係というものも、人間なので、全く同じ価値観とい
うわけにはいきません。生い立ちも違えば、生活習慣も異な
り、考え方も違います。相手に自分の価値観を押しつけ、自
分の思い通りになるように期待するというのは、不完全な
人間がすること。とテレビで美輪明宏さんが言っていたと、
下町娘がそう言いながら、「私は不完全な人間」
と反省をしておりました。

まあ、人間は誰でも、不完全であり、完全な人間などという
ものはいないのです。誰もが自分と異なって当然という前提
で、お互いを尊重しあうことが大切なのだということを、私
たちは、ディパバリやハリラヤのお祭りを見ながら学んだの
でありました。