南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

黒い砂に秘められた遠い昔の思い出

2009-02-11 01:53:32 | ハワイ
ハワイ島の黒砂海岸の黒い砂です。私の砂のコレクションの
一番最初のものです。1992年5月、私は某カメラメーカーの
カタログ写真撮影の仕事で、ハワイ島に行きました。その時
のカメラマンはロジャー・レスマイヤー。この人はNASAや
宇宙関係の写真で有名なカメラマンだったのですが、じつは
若い頃、有名人の写真もたくさん撮っていたのです。彼の
サイト、http://www.ressmeyer.comを見ると彼の作品も
出ているのですが、シャーリー・マクレーンのポートレート
は以前にどこかで見た事がありました。有名人と宇宙科学、
なんだか全く無関係のジャンルです。

このハワイ島のロケも、宇宙科学とは全く関係なく、まるで
グラビア誌の撮影のような雰囲気でした。モデルは、トロピ
カルなビキニの女の子たち。モデルの一人はミスハワイだと
言っていました。星空とかロケットとか宇宙飛行士の写真を
撮っている人が、こんな官能的な写真をちゃんと撮れるのか
ちょっと冒険でしたが、まあ何とか撮れていました。

その中の一つが黒砂海岸にたたずむ水着の女性というもので
した。アメリカのこの手のカメラマンはやたら早起きです。
朝のマジックアワーの時間帯が勝負だということで、朝の3
時頃からホテルを出発して、現場に行き、メークをしたりし
て夜明けを待ちます。それはとても神秘的な撮影でした。

そこにメーカーから製品技術関係のアメリカ人のマイクがい
ました。名字はスパニッシュ系の名前です。彼に合ったのは
このハワイ島が最初だったのですが、ラテン系の陽気な
にいちゃんでした。撮影が終わると、彼はフィルムケースに
この黒い砂浜の砂をおもしろ半分に入れていました。当時の
撮影はデジタルではなく、35ミリフィルムなので、フィルム
ケースはいっぱいあります。それを見て、私もついついつら
れてその黒い砂を、フィルムケースに詰めました。

昔、私が高校生だった頃、野球部が春の選抜で甲子園に出て、
負けたときに自分ら応援団もどさくさにまぎれて(その日の
最終試合だったので)グランドに降りて砂をかき集めたのを
思い出していました。その時の甲子園の砂はどこかに行って
しまったのですが、このハワイの黒い砂は大事にとってあり
ました。

カメラマンのロジャー・レスマイヤーは、その後、彼は
ストック写真のCorbisで働き、1999年にGetty Images
の副社長になったのですが、2004年には自分でScience
Fiction Imagesという会社を立ち上げたのだそうです。

彼はマジックアワーの明け方と夕暮れ前だけ働いて、日の高
い日中はプールサイドで休んでいました。あの撮影は朝は早
かったけれど、とても楽しい思いでです。この黒い砂を見る
たびに思い出します。あれからコレクションはどんどん増え
ていき、今は30本以上の砂のコレクションになっています。