南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

ワンチャイのタクシー乗り場にて尖閣諸島に思いをはせる

2010-10-05 15:57:43 | HONG KONG

香港のMTRワンチャイ駅付近のジョンストン・ロードの
タクシー乗り場です。ジョンストン・ロード側の出口を
出て、ちょっと左に行ったところにあるのですが、今は
工事用の竹が組んであって、かなりわかりにくくなって
います。

香港では、タクシーはタクシー乗り場でなくても捕まえ
られるのですが、ラッシュ時や、雨が降っている時など
なかなか捕まえられないときが多いです。この写真では
タクシーが停まっていますが、だいたいが人のほうが
タクシーを待つということのほうが多いです。

先日、My Wifeが香港に来ていたとき、ここにタクシー
乗り場があるからと教えてあげたのですが、その時、
運が悪いことに雨が降り出しておりました。My Wife
は雨の中、タクシーを待ったのですが、向こうの横断
歩道の手前あたりで、どんどん空車がひろわれていって
しまったというのです。30分くらい待って、やっと空車
が来たのだそうですが、その時、真面目にタクシー乗り
場にいたことを悔やんだと言っておりました。

昨日、私がここからタクシーに乗ろうと思っておりまし
たら、先に女性が一人待っておりました。ここは雑然と
した狭苦しい場所なので、整列をして待つスペースは
ありません。それぞれに道端で待つという感じです。
私はその女性が先にタクシーを待っているのを知って
おりましたので、空車が来たときは、当然のように
その女性に譲りました。

しばらくすると、別の親子が来ました。タクシーを
待っているようです。私は少し道に出て、さっきから
タクシーを待っているのだという意思表示をしました。
しばらくして、空車が来て、私はすぐさまそれに乗った
のですが、親子は、私が先に待っていたということを
知っていたので、とくに嫌な顔もしておりませんでした。

香港は、これでもわりと礼儀をわきまえているのですが、
もし、中国本土から来た人だった場合、誰かが先に待っ
てようが、敢えて知らない振りをして(?)、自分が先
に乗り込んでしまうようなことも時々目にします。本土
から来た人がみんなそうというわけではありませんが、
そのような人は本土から来たらしき人の中に時々見受け
られるということです。

ここで思ったのが、自分がタクシーを待っているという
ことは、次に来る人のために明確に示してあげないと
いけないということ。そうしないと、この人はタクシー
を待っているのではない、従って自分のほうが先に
タクシーに乗る権利があると勝手に思い込んでしまう
ということになります。

「次が来たら自分だ」とか「次の次は自分だ」とか他の
人にわかるように自己主張をしていないと、他の人は
良心的には気付いてくれない。後から来て、先に乗り込
もうという人が来たら、文句の一つも言わないといけない。
文句を言っても、聞こえない振りをして、そのままドアを
閉めて行ってしまう人もいますが。

尖閣諸島の問題も、タクシーを待っている時のように、
この島は日本の領土だと、常に主張していないと、中国
とかは、「これ中国の領土だったよね?」と言いながら、
どんどん割り込んでくるのです。「あれ、あんたも待っ
ていたの?私のほうが実はもっと前から待ってたのよ」
などと言いそうです。

アジア欧州会議がブリュッセルで開催されているようなの
ですが、そこで中国の温家宝首相は、「釣魚島(尖閣諸島、
日本での表記は魚釣島)は古代から中国の領土だ」と
主張したというニュースが今日、入ってきました。
日本とアメリカが決めたことは中国は承認したわけでは
ない、歴史を辿れば中国のほうが前々からここを領土と
していた、という理屈を持ってこられると日本側も困って
しまいますね。

たしかに、中華人民共和国は新しいですが、中国として
みると歴史が古いですからね。日本の常識は中国では
常識としてはみられないということは意識しないといけ
ないことかと思います。

昨日の、東方日報の一面はこんな感じでした。



日本が米国と共同軍事演習をして、「釣魚島を奪還する」
という見出し。空母は出るは、戦闘機は出るはで、なんか
日米連合軍対中国の戦争が始まったのかと錯覚するような
紙面です。しかも下のほうには、前原外相の写真と、
「海防予算の増額」の記事。このページだけ見ると、
ちょっとこれは穏やかではありません。

さらにページをめくるとこんな記事。

日本の右翼系の人が中国人を辱めるデモを行っていると
いうような内容。見出しの「辱華人」の後の虫へんに章
の文字と、虫へんに郎の文字は、北京語で「ジャンラン」
と発音して、これは「ゴキブリ」の意味です。日本のデモ
で中国人のことを「ゴキブリ!」と非難したということの
ようですが...そしてその記事のすぐ下に、モンゴル
でのレアアース共同開発のニュース。日本は中国に敢然
と喧嘩をしかけているという構図を強調するための紙面
構成です。

「尖閣諸島は日本の領土」というのは、日本では常識で
あっても、中国では「尖閣諸島(釣魚島)は中国の領土」
というのが常識になりつつあるようだし、このへんの意識
の食い違いはなかなかお互いが納得することも難しい事態
になってきたなという感じです。

「タクシーを先に待っていたのはぼくだよ」「いやあんた
は気付かんかったかもしれんけど、わしのほうが先に来て
いたんだよ」という論争になった場合、どういう決着に
なるのか。あとは迫力の勝負ということになるんでしょうが、
龍馬ではないですが、「喧嘩はいかんぜよ」ということで
何とかうまい解決法がないことでありましょうか。

よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。

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