南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

ニュージーランドから来た有機りんご

2009-05-25 23:24:14 | HONG KONG
今月、成田から香港に戻る時、空港で『奇跡のリンゴ』の本を
買いました。前から話題になっていたので、いつか読もうと
思っていましたが、成田の本屋でその本を見つけて買いました。
この本の表紙のハーフトーンの緑色のタイトル文字がとても
素敵で、ずっと気になっていました。本の中を調べてみたら、
わからないくらい小さく、鈴木成一デザイン室と書いてあり
ます。鈴木成一さんと言えば、NHKのプロフェッショナル仕事
の流儀に登場したことがあるのをたまたま見たことがありまし
た。そうかこの人のデザインだったのかと納得したのでした。

何度見ても美しいデザインです。木村秋則(あきのり)さんの
笑顔も何ともよいのですが、背景のリンゴ畑が奇麗なボケ味で
見えている写真の上にこんなに美しい黄緑色があったのかと
いうくらいの色で、タイトル文字が組まれている。このマット
系の紙といい、タイトルのインクの透明感といい、普通っぽい
けれど美しい形の書体といい、何とも愛おしくなるデザインです。

話がなかなか内容に入れませんが、見れば見るほど素晴らしい
デザインです。表紙の紙のしっとりとした手触り。そして表紙
の内側の紙と内扉の紙、これが焦げ茶色なんですね。この色の
コンビネーションがこれまたよいです。その焦げ茶色の紙を
めくると中扉のタイトルのページ、これまた焦げ茶色、よく
見ると、このページの紙は、中ページとも微妙に違います。
ちょっとざらついたような、何となく本の内容が紙にまで現
れているようなそんな気さえしてしまいます。

成田から香港までの4時間ちょっとの間に、この本を一気に
読んでしまいました。素晴らしい本でした。木村秋則さんは、
奇跡的に成功したからよかったのですが、一つ間違えば大変
な失敗になっていたんですね。それが恐いから、人は新しい
何かに挑む勇気がない。常識を越えて、無農薬、無肥料の
リンゴ栽培に挑んだ木村さんはやはり偉大だと思います。

それ以来、リンゴに対する見方が変わりました。香港の
スーパーでは、ときおりアメリカやニュージーランドなど
から来たオーガニックのりんごを見かけることがあるの
ですが、最近はそういうのを選んで買ってます。

この上の写真はニュージーランド産のROSEという種類の
りんごですが、かなり小さく、見た目は美しくはなく、
とっても地味な感じのリンゴなのですが、食感といい、
味といい、これが元々のリンゴの味なんだろうなと思える
ようなものでした。木村秋則さんのリンゴは食べた事がない
ので、何とも言えないのですが、大きくて美しい色と形を
したリンゴよりも、小さくて、不細工なほうが最近は気に
いっています。

ちょっと写真に撮ってみましたが、なんだかセザンヌが描いた
絵のようにも見えてきます。