FEEL ambivalence

毎日、いろんなことを思います。
両極端な感じで。

両面価値。
同一対象に対する愛憎共存。

『神様のパズル』 / 機本 伸司.

2008-04-12 01:46:36 | 
神様のパズル (ハルキ文庫)
機本 伸司
角川春樹事務所

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珍しく、SF小説。

高校生のころ、真新しい「物理」の教科書を手にワクワクしていた気持ちを思い出した。
はっきり言って、この本はSF好き、または理科好きであることが必要条件。文系の人間がおいそれと手を出してはいけない本だ。もっと言わせてもらえるなら、文系人間は読まないほうがいい。きっと楽しめないし、時間の無駄だ。だが、裏を返せば理系でSF好きならば、きっと楽しめると思う。
表紙を見る限り、甘そうな内容だ。主人公は大学4年生。そしてパートナーは16歳で大学4年生の超天才児。萌える要素満点、と期待してはいけない。内実はかなりハードだ。ぼくは読みつつ、大学の「宇宙物理学I」を思い出した。けれど、難しい割に、すいすいと読み進める。先が気になって仕方なかった。後半はほぼ止まらなくなってしまい、お風呂の中で1時間も読みふけってしまった。

SFと思春期の掛け合わせ。その数奇な物語の結末はいかに?
というか、これってもしかしたらミステリなのかもしれない。謎解き途中の牽引力は似ている。

作者は遅咲きのSF作家らしい。心情の描写や展開に若干難を感じたけれども、考えてみればこれはSF小説。枝葉にこだわる前に根幹たるSFの破壊力に圧倒されてしまえばいいのだ。科学は仮説と実証のくりかえし。新しい理論は既知の事実を未知のものにする、不安定で不確かな学問。その素晴らしさを味わえる小説だと思う。

すこしだけ「哲学」が入り込んでいるような気がするのは、ぼくだけだろうか。
作者が述べていることに共感を覚えつつ、もう一度最初から読みたくなってしまった。2度目はもっとすんなり理解できるといいのだけれど。

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2 Comments

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んー (めいりあ)
2008-04-13 06:42:57
文系だけどSF好きな私は果たして手を出していいのでしょうか(苦笑

最近ライトノベルを新しく発掘してないので、そろそろシリーズものを読みたいところです。
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難しいかも。 (たかぴ。)
2008-04-13 09:49:17
>めいりあ
量子力学の話が多いのですが、気にしなければ大丈夫だと思います。でも何の話をしてるんだろうって気になっちゃうとアウト。

ちなみにラノベっぽくありませんので、あしからず。
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