FEEL ambivalence

毎日、いろんなことを思います。
両極端な感じで。

両面価値。
同一対象に対する愛憎共存。

バンパー交換。

2005-03-08 20:29:00 | クルマ
天気が良くて、暖かな日。
思い切って、バンパーを交換。

割れて、ぼろぼろになってしまったエアロバンパーを外し、純正へ。

久しぶりにつなぎを着て、クルマに向き合った。

社外品のバンパーはネジが少なくて、すぐに外れた。
一箇所、以前ぶつけたせいなのか、ネジが曲がっていて、外れにくかったけれど。
ラチェットを握り締めて、あーでもないこーでもないって考えているときが、幸せ。

純正のバンパーは、重く、ネジもたくさん。
それだけ、しっかりしているということなのだろう。

工具を持って、クルマを触っているとき、時間の感覚はない。
プロの整備士さんから見たら、笑われるのだろうけれど、
でも、
自分がクルマに触れていられる、そのことが、たまらなく楽しい。

バンパーが割れていたけれど、それがけっこう気に入っていた、シルビア。
今は、どこにでもある、普通のシルビアになってしまった。
それが、少し、さみしい。

『東京タワー』。

2005-03-08 20:15:15 | 
江國 香織。

いつもの、赤と白のカフェにて。
昨日から読み始めて、二日かけて読み終えた。

このヒトの本は、ぼくをいつも翻弄する。
ページをめくるたびに、どんどん吸い込まれていく。
字が、カラダに溶け込んでゆく。
そして。
読み終えると、しばらくの間、虚脱感に苛まれる。

同名の映画を先に見てしまったせいで、頭にはビジョンが浮かんでしまう。
それは、本を読んでいく上では、ノイズでしかない。

やはり、先に本を読んでおくべきだった。

かなしい、とも、うれしい、とも違う。
たのしい、と言うほど、笑顔になるわけでもない。
ただ、心地よい。
時間が一瞬だけ、わからなくなる感覚。

読もうとするとき、ぼくは身構える。
読み始めてしまうと、「構え」は崩れ、ただ、溺れていく。
読み終えてしまうと、つい先ほどの「構え」がなんだったのか、考えてしまう。

どこにでもいるであろう19歳の少年の心を切り取って。
彼女がそれをもとにして、デッサンして、絵具を重ねて。
ただ、それだけ。

それだけ?

どこかで、自分を重ねていく。

読みながら、
自分を重ね、
同じように混乱し、
幸せになり、
疲労して、虚脱感を味わった。

いまのところ、ぼくの、この本に対する感想は、それに尽きる。
何が変わるでもなく。
自分の感覚が、文章によって、動かされ、静められ、放り出される。

この、不思議な感覚を手に入れられるから、ぼくはこのヒトの本が好きなのかもしれない。