FEEL ambivalence

毎日、いろんなことを思います。
両極端な感じで。

両面価値。
同一対象に対する愛憎共存。

幕は下りた。

2005-03-01 18:23:10 | ろぐ
仕事前にカフェに寄り、カフェのマスターにご挨拶をして。
いつもどおり、出勤した。

最後の日。
一生懸命掃除した。
氷も、かなり多めに仕込んだ。
氷の仕込をしているとき、
もう、この5人用のシェーカーを振ることがないのかもしれない。
そうおもったら、涙が出そうになった。

慌てて、打ち消して。

看板をつけたら、すぐにお客様が。
ぼくが辞めることを知らない方。

おかげで、「いつも」を取り戻した。
特別視されたがっていたわけではないけど、でも、
意識してないと言えば、嘘になるから。

すぐに、いつもの常連さんが。この方は、「ザザ」が好き。
いろんなオハナシをしたっけなぁ。
シモネタから、人生のことまで。

ついで、またも常連さん。「ジン・フィズ」と「マティーニ」。
いつも陽気な彼が、沈んでいる。
沈ませたのは、ぼくかもしれない。
だけど、真剣な眼差しで送り出してくれる、彼の期待を、背負っていこう。

久しぶりの方も見えて。「ジン&イット」、「ジャック・ローズ」。
何もかもを包み込んでくれるような、そんな声。空気。
そんなオーラを纏っているあなたに、甘えたくなる。
もう、甘えはしないけれど。

そういえば、ぼくのオリジナル、「ヒロシの恋」も、作ったっけ。
新作の「ヒロシの羽」は、気に入っていただけただろうか。

かつて、ぼくの憧れのバーテンダーだった方も奥様と。
「ジン・トニック」と「ジャックダニエル」。
彼は夏に、お父さんになる。

「ウォッカ・トニック」が好きな、標準語の伝説の電設屋さん。
周りを和ませる彼は、実はすごいヒトなのかもしれない。

競馬好きな工学博士理学博士。「ゴールデン・キャデラック」。
彼の為に、「BLOW BY BLOW」というオリジナルを作った。
変わらずにそこにいてくれる。
それが、嬉しかった。

やさしくて、背の大きな、「さき」さんから、お花が届く。
「マンハッタン」。
彼は不思議な空気を纏っていて。
一緒にいても、沈黙が嫌ではない。

よくなじみの店で出会う、背の高くて優しそうな目をした彼も。
彼はすぐに帰ってしまったけれど、来てくれるだけで嬉しかった。

たくさんの愚痴を聞いてくれた、元バーテンダー。
彼女の素敵な笑顔を、忘れない。
いつも、元気をくれた。笑顔をくれた。
いつまでもオハナシしたくなった。

テキーラが好きな、元バーテンダー。
そして、今でもお世話になっているお店の店長さん。
二人にどれだけ元気を貰ったことか。
「気張らず怠けず、頑張りすぎず生き生きと」。
心に留めておきます。

昔よく通ってくれたカップルも、来てくれた。
「ギムレット」。
彼らも、自分の道を探している。

お互い違う道を選んで、互いに頑張ろうと励ましあえる友。
彼も、昨日付けで、お店の正社員になったとのこと。
彼のバンドが、ツアーに出たら、追いかけよう。
「ダイキリ」。

いつもいらっしゃる、素敵な課長さんから「グレイ・グース」を頂いた。
一気飲みしたら、胃がぽかぽかして、甘い味がした。

看護士のお姉さん。快活な彼女は、安心感をいつも与えてくれた。

マティーニ三兄弟。
次男は先に帰ってしまったけれど。
長男は、いつも、優しげな瞳で、応援してくれる。
三男は、まるで、大学の友達のよう。

偶然、空耳工房のギターをくれた方が。
やはり、縁は素晴らしい。

フレンチのシェフ。
寡黙な彼の、にじみ出る優しさは、いつも、暖かい。

地下でいつもお会いするお姉さん。
初めてクラブデビューしたときに、大人の世界を教えてくれた、部長さん。
わざわざ寄ってくれた。

元自衛隊、元バーテンダーの、彼もきてくれた。
「シンガポール・スリング」。

ちょっと声の高い、でも、気の利かせ方は天下一品の彼女。
「ネバダ」、「ブルームーン」。
笑ったり、怒ったり、介抱されたり、話を聞いてもらったり。
素敵な思い出。
そんな彼女を雇っている、和風ダイニングバーのオーナー。
「マティーニ」。
時間ができたら、彼の店に行こう。つぶれるまで飲もう。

パチンコと音楽が好きな、笑顔の優しい彼。
「角ソーダ」。
彼と婚約している、陽気な美貌を持つ、彼女。
「マンゴスティーナ・スプモーニ」。
二人に、いつも救ってもらった。
どんなときだって、顔を見れば、安心できた。

ブリジストンのベンチコートを羽織り、優しく抱きしめてくれた、彼。
抱きしめられた瞬間、涙が出そうになった。
ぐっと堪えたけれど。でも、本当は泣きたかった。

よき先輩であり、飲み友達であり、尊敬する友人。
「ギムレット」。
彼には、アルバイトの頃からお世話になっている。
飲み干した彼は、最初の頃と味が全く違っているよ、と言ってくれた。
彼と離れてしまうのが辛い。彼にカクテルを作って差し上げられなくなるのが、辛い。

一人で素敵にグラスを傾ける、美しい彼女。
ぼくは、キミのおかげでここまで来れたよ。
キミの喜ぶ顔が見たくて、たくさんカクテルブックを探したよ。
「ジン&イット」、「XYZ」。


結局、お店を出たのは朝の6時過ぎだった。
マスター夫妻にご挨拶をして、お店を閉め、鍵を返した。

車に乗り込んで、B'zの「GOLD」を聴いた。
帰り道の道路は朝日で眩しかった。

気が付いたらしゃくりあげていて。

最後の帰り道。
空は蒼かった。

きっと、あのヒトも見守ってくれているはず。
そちらは寒いですか?
ぼくは、今日、一つ区切りをつけました。
また、あとで、お会いしましょう。



本当は、今日だけじゃなくて、今まで来てくれた方全員に会って、お礼を言いたい。
ぼくが、ここまで頑張ってこられたのは、
皆さんがそこにいたから。
お店にいらしていただいたから。

感謝の気持ちは、口で言い表せないほどに。

本当に、本当に、ありがとうございました。

そして。

ぼくをここまで育て上げてくれた、マスターと、奥様に。

本当に、本当に、感謝しています。
ありがとうございました。

自分を、さらに、磨いていきます。

みなさん、本当にどうもありがとう!