四季の書斎 世界は破滅に向かっている。

永遠不滅の生き方を提供!

日本の重要な古典は漫画で事始め

2010年01月28日 17時36分20秒 | 文学・思想
日本の文化は明治維新(1868)でかなり殺されてしまい、旧制の中学高校では、ほとんど古典軽視の方向に進んでしまった。

島崎藤村の『夜明け前』は主人公青山半蔵が国学を学び国学にて身を立てるべく生涯を国学に費やした。時は幕末ペリー来航から明治維新に至る頃合いである。

当時、国学は衰退の一途を辿り、世を挙げて洋学志向の時代になっていく。優秀な人々は帝大から海外留学を果たし、あらゆる面の学問芸術は洋学一辺倒になっていた。世に、「和魂洋才」という言葉があるが、「洋魂洋才」を目指していたのである。

「大和心を人問はば、……」
「そんなの関係ねぇ~」の、世の中に至っていたのである。

『夜明け前』は日本文学の中でも、傑出した文学であると言える。
夏目漱石は『破戒』を読んで驚倒したのである。もし『夜明け前』を読んだら即死したかもしれない。文壇で藤村は嫌われ者であった。出版社からも本を出さずに自費出版で儲けるなど、とかく孤立しやすい性格の持ち主であった。姪っ子に手を付け子どもを生ませ、そして創作のために子どもを餓死させる。いわゆる芥川龍之介が描いた『地獄変』の絵師のような人間である。藤村はそのことを『新生』に現している。これを読んだ志賀直哉はかなり立腹したが、それでも創作のためなら自分もそうするだろうと告白している。鬼神と共に生きる修羅の世界が芸術家の生きる場所である。


国学が世に受け入れられ出したのは、評論家小林秀雄や作家石川淳などが本居宣長や荻生徂徠などを世に問うたからである。江戸期の思想家が表舞台に出てきたが、その当時のインテリは挙って国学を繙こうとした。しかし、それもつかの間、今では書店にもほとんど並んでいない有様である。

国学は置くとしても、古典文学は万葉・源氏・吾妻鏡・義経記・太平記・短歌・俳句とサークルなどが沢山出来、大人のドリルなどでも人気を博している。

ただし、口語辞書を駆使して読むと言うよりは和文翻訳を用いての読書である。
それでも長文は中々判読しがたいという場合に役に立つのが古典漫画である。


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あるいは岩波の少年文庫で読むのもよい。
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その赤ん坊はすでに何をやるかどういう人生をたどるかは、はたして決まっているのであろうか?

ロックアウトされる正社員たち 崩れる雇用社会

2010年01月28日 15時49分11秒 | 事件・事故・自殺
ロックアウトされる正社員たちが増えているという。
いきなりの解雇通告!

雇用は確保されないとなると、社会的な信用はもろくも崩れる。
もし、就職できても、いつでも企業側が社員をリストラできるとなると、だれも安穏と仕事が出来ない。未来の予定や、給料・ボーナスを当てにして予定は組めなくなる。ローンそのものが成立しなくなれば物は買えない。とくに長期的な支払いをする住宅は売れなくなるであろう。車などの高級車が売れなくなるのは当然である。

年収100万から200万円の間を往き来するような若者たちにしてみれば、中古の安い自動車でさえ高級品である。

ロックアウトされる正社員たちが出る裏には弁護士たちの巧妙な知恵がある。
弁護士は金を与えてくれる雇い主のためには何でもする。労働者が職を失っても、自分たちの方法論に対して企業が多額の資金をあてがってくれれば、他人の死は自分たちの生である。

企業はできるだけ業績の悪い社員や明るくない人間を排除しようとする。
こういう風潮は、日本にマッキンゼーなどのコンサルタント会社が蔓延りだし、強力な社員育成が企業にとっては生命線であるかの如く指導してきたことに原因がある。

たとえば、勝間和代の本などに啓発され、給料をアップするためにあくせくする社員は雇い主としても頼もしく見える。岩波文庫など読んでいると排除されるであろう。

勝間和代の本を沢山机に置くとリストラされない。雇い主はそもそも利口な人間は居ないと考えなければならない。

雇い主は残酷である。これからは企業はますますしのぎをを削って行くであろう。

有楽町の西武が閉店し、トヨタが不良品を出し、生産中止・販売中止に追いやられると、ますますへ景気の風は吹き荒れる。

少なくともやる気のない顔をしているだけで、もはやリストラのリスト入りである。
バカな社員はどんどん整形手術まで行って、さらにバカ受けするために顔を変えてしまうのである。

とにかく、ロックアウトされる正社員になりたくなければ、自己で解決方法を持っていなければならない。

先制攻撃は最大の防御である。最大の暴挙にならないように、よく勉強しなければならない。

行政は助けてはくれない。弁護士は企業の味方である。裁判所はその程度の問題に真剣には取り組まない。

労働ユニオンという名の金儲け主義団体が存在することも忘れてはならない。
中には暴力団が事務所を開いているので、間違ってそういう所へ相談に行くと更なる破滅が待っている。



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映画『ヴァン・ゴッホ』 芸術の入門映画!

2010年01月28日 04時18分51秒 | 美術・建築・工芸
カーク・ダクラス主演のヴァン・ゴッホはかなりリアリティーのある演技を演じている。
ただ、少しオーバーな気もするが、はまり役である。いかにもゴッホを演じきっている。

生前のヴァン・ゴッホは激しく愛し、ある意味で人を憎んだ。
彼が愛したのは弱い人々・困窮している人々である。
その反面地位や知識の上にあぐらを掻いて、世俗を謳歌している御人たちとは肌が合わなかった。

ヴァン・ゴッホがもっとも心をゆだねることが出来たのは自然である。
そういうものにしか心が和まない芸術家は少なくはない。
ベートーヴェンはこう言う「わたしは人間たちよりも、一本の草木を愛する!!」
余程孤独だったのだろう。あるいは他人とはなじめない性格を宿していたのであろう。
本当は彼らはもっとも人間を愛し、尚かつ神への信仰が強い。
世俗の坊主たちが説く神を信じているわけではない。
晴天下の元に降り注ぐ太陽の光を浴びるとき、何か偉大な力を感じないものがいるであろうか?
芸術家は常にそのような力と恩恵を神から感じて止まない。
それだから、芸術は成立するのである。

日本の芸術家は中々そこまで行かないのが残念である。
金と女と食い物、そんなことばかりで社会が回っているようだ。

ゴッホのような情熱の人間は見ることができない。たとえ、見たとしても大多数は石でも投げて行くであろう。

ガキから石を投げられたイエスやソクラテス、そしてセザンヌは他人からは常にバカにされていた。ソクラテスは人から殴られもしたが、「あなたはあいつを訴えないのですか?」と言われて、「ラバに蹴られて訴えるかね!」と言ったらしい。

およそ世の中にはバカしか居ないのであると悟れば、バカのために時間を使うのは無駄である。
賢者はせっせと仕事をする。ゴッホも気が狂ったように仕事をした。反骨心の強いゴーギャンも仕事に夢中になった。皆、情熱家である。タヒチの住民を守るために、ゴーギャンは自らの命を投げ出してフランス政府の人間と闘っている。

彼らが行うことは正しいのである。それは彼らの作品が証明している。
身を捨てて浮かぶ瀬もあれ、

あのニコラ・プッサンまでもが軍人ともめて、剣で利き手をサーベルで貫通されたという。
命を燃やす
魂しいを作品に嵌入する。それだけのエネルギーが注がれるには特異点を通らねばならない。

ゴッホの絵は魂の缶詰となって作品からほとばしり出てくる。
強烈である。

言葉を無くす、絶句しながら眺める。

もし、美術が分からないのなら、ゴッホから入るとよい。そして、ゴッホの手紙を読み、ゴッホの人格を読みとって頂きたい。彼はいかにも理性的な冷静な男であることが分かる。そして、人間の正直な姿が多分目の前に現れて来るであろう。

不実な殺戮のアメリカ映画ばかり見ていると人間はそういう殺戮に感染し、戦場がいとおしくなるものである。

そうならないように、芸術は子どもの間にじっくりとみそ漬けするように接しなければならない。


子供が生まれてくる。赤ん坊が生まれてくる。
その赤ん坊はすでに何をやるかどういう人生をたどるかは、はたして決まっているのであろうか?