『白檀の刑』(中公文庫)(上)(下)
莫言、2010、『白檀の刑』(中公文庫)(上)(下)、中央公論社
中国のノーベル文学書受賞作家莫言の作品。清末の山東地方のドイツによる鉄道建設と清末の混乱した状況、山東地方の土俗的な民衆劇「猫腔(茂腔というのが実在の名前だそうだが、茂と音が同じ猫の文字を当て、作品中「みゃおみゃお」という猫の鳴き声がインパクトを持つ)」を背景として、史実と創作をまぜ、時間の流れも複雑に入り組ませてストーリーが進む。白檀で造られた杭を内蔵を傷つけることなく、処刑の後も長く(指定の期日まで)命を保つという特別な処刑方法が詳細に描かれ殺伐としているのであるが、「猫腔」の創始者であり、トイツ兵に妻子を殺された主人公、処刑人親子(子は、「猫腔」の創始者の娘を嫁とし)、科挙に合格して抜擢された県知事(処刑人の息子の嫁と愛人関係にある)、実在人物の袁世凱の複雑な人間関係、歴史的な不合理性を骨太に描く。
いつものように寝本なのであるが、ついつい、夜更かしを余儀なくされる本書であった。
中国のノーベル文学書受賞作家莫言の作品。清末の山東地方のドイツによる鉄道建設と清末の混乱した状況、山東地方の土俗的な民衆劇「猫腔(茂腔というのが実在の名前だそうだが、茂と音が同じ猫の文字を当て、作品中「みゃおみゃお」という猫の鳴き声がインパクトを持つ)」を背景として、史実と創作をまぜ、時間の流れも複雑に入り組ませてストーリーが進む。白檀で造られた杭を内蔵を傷つけることなく、処刑の後も長く(指定の期日まで)命を保つという特別な処刑方法が詳細に描かれ殺伐としているのであるが、「猫腔」の創始者であり、トイツ兵に妻子を殺された主人公、処刑人親子(子は、「猫腔」の創始者の娘を嫁とし)、科挙に合格して抜擢された県知事(処刑人の息子の嫁と愛人関係にある)、実在人物の袁世凱の複雑な人間関係、歴史的な不合理性を骨太に描く。
いつものように寝本なのであるが、ついつい、夜更かしを余儀なくされる本書であった。
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白檀の刑〈下〉 (中公文庫) | |
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